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AIを医療現場に活用するメリットとデメリット、最新事例を解説する
目次
AIは今や成長戦略の柱であり、社会のあらゆるビジネスで業務の効率化やサービスの向上などに役立てられています。医療分野でも、IT化が進んだこともあり、医院の経営・運営にAIを活用したいと考える医療関係者の方も多いことでしょう。
そこでこの記事ではAIを医療現場に活用するメリットとデメリット、最新事例を解説します。
▼更にAIについて詳しく知るには?
AI(人工知能)とは?導入するメリットと活用例やおすすめのツールを紹介
▼社内のデータをAI化するには?
ノーコードAIツールUMWELT紹介ページ(活用事例あり)
AIと医療の関係
AIが社会のあらゆるビジネスの業務効率化等で役立てられているとはいえ、医療現場でどのように活用されているのかご存知ないかもしれません。
そこでAIと医療の関係について知っていただくためにも、以下では、そもそもAIとはどういったものか、そしてAIが果たす医療現場の役割について詳しく解説します。
AIとは?
AI(人工知能)とはArtificial Intelligenceの略で、人間の知能を人工的に模倣・再現する技術全般を指す言葉です。現在のAI技術は、数学や情報科学の理論に基づいて設計されたプログラムを、コンピュータ上で実行することで実現されています。
AI技術を活用するためには、大量のデータを収集し、それをコンピュータで解析・学習する必要があり、その結果はタスクの自動処理や問題解決、意思決定に役立てられます。現在、AIの導入はIT産業に留まらず、教育、ものづくり、基礎研究、そして医療分野など様々な領域で進んでいます。
医療現場での役割
AIは医療現場が抱える課題解決に対しても重要な役割を果たすと期待されています。
例えば、医療人材不足や高齢化社会の進行による医療コストの増大といった課題に対して、AIの導入は解決策の一つとなりえます。AIを導入することで、大量の医療データを高速で処理し、診断や治療計画の立案支援などに役立てることがき、医師や看護師の負担軽減や効率化につながります。
また、レセプトの自動作成など、医院の経営を円滑化する役割もAIが担うことができます。
AIを医療現場に取り入れる3つのメリット
医療データを収集してAI技術と組み合わせることができれば、医療現場においても多くの課題解決に役立てることができます。そしてそれは、患者と医療従事者、双方にとって多くのメリットが得られると期待されます。
以下では、このことを具体的に知っていただくために、医療データの収集AI活用によって得られる代表的なメリットを4つ紹介します。
診断・治療支援
診断・治療支援はAI活用の大きなメリットのひとつです。
厚生労働省の「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」では①ゲノム医療、②画像診断支援、③診断・治療支援、④医薬品開発、⑤介護・認知症、⑥手術支援という6つの重点領域を掲げており、診断・治療支援にAIを役立てることを推進しています。
特に画像診断支援は広く活用が進んでいます。例えば、AIが先に判別することによって、医師はより難しい症例に注力することができますし、AIがいわゆるダブルチェックの役割を果たすことで、重大な見逃しの減少に期待が寄せられています。
また、その他の支援により、個々の患者に適した治療が実現できると期待されています。
現場の負担軽減
医療現場は、医師の担い手不足や厳しい労働環境から生じる負担が大きいですが、AIの導入によりこれらの負担を軽減できることが見込まれています。
例えば、AIは病歴や検査結果などのデータを自動的に分析し、診断や治療のサポート、そしてカルテの作成支援などを担うことができます。
これにより、医師や医療従事者はより効率的に業務を遂行することができ、現場の負担軽減と労働環境の改善に繋げることができます。
事務作業の効率化
AIの導入は、受付業務やレセプト作成などの事務作業に対してもメリットが挙げられます。AIシステムは自動的にデータを入力、処理し、必要な情報を出力することができます。自動化が実現できれば、煩雑なルールに従って作成される医療事務データ作成に対して、ヒューマンエラーを減らすことができます。
これにより、手作業でのデータ入力や文書作成のコストが軽減され、医療従事者はより多くの時間を患者のケアや診療に費やすことができます。
医療データの収集と管理
AIシステムを取り入れることで、カルテをはじめとする膨大な医療データの収集と管理が容易になります。
AIシステムを導入すれば、日々の医療業務で生じる医療データの整理・分類・解析を自動化することができます。そのため、欲しいタイミングで欲しい情報にアクセスする仕組みを構築することができ、患者の治療歴や症状に関連するデータに基づいた迅速な提案や予測を行うことができます。
これにより、医師や医院の間での患者の引き継ぎがスムーズになり、医療過誤の防止や病気の予測、個人に合った治療法の提案などが可能になります。
医療現場や医療事務で活躍するAI技術と活用事例
医療現場や医療事務において、AI技術の活用によって診断・医療支援、現場の負担軽減、事務作業の効率化、医療データの収集と管理の効率化など、多様なメリットを得ることができます。
では具体的にどのようなAI関連技術が、医療に役立てられているのでしょうか?以下では、主要なAI技術とその医療への活用事例について紹介します。
画像診断
AI画像診断は、医療現場でもすでに広く活用されています。
AIは異常検知や画像認識といった技術をベースに医療画像データを解析し、患者の病変や異常の早期発見等を支援します。これらには人工ニューラルネットワークモデルを利用した深層学習などのAI関連技術が用いられていることが多いです。例えば、乳がんの早期検出や脳卒中の画像診断支援などが実現されています。
また、医師にとってもいくつかのメリットがあります。例えば、AIの高度な画像判別機能を用いて、診断画像を先に判別できれば、医師はより難易度の高い症例に注力することができますし、いわゆるダブルチェックの役割を果たすことで、重大な見逃しの減少に寄与することができます。
自然言語処理
自然言語処理(NLP: Natural Language Processing)は、人間が日常的に用いる言語(自然言語)をコンピュータに認識させ、処理する仕組みを構築するための技術です。
医療現場では、自然言語で書かれている医療文書や論文のテキスト解析、病歴やカルテの要約、医学知識の検索や必要な用語の抽出などに活用されています。
NLPにより、テキストで書かれた膨大な医療情報から必要な情報を素早く抽出することが可能になります。
自動問診
自動問診とは、患者が症状や健康情報に関する質問に対して、AIシステムが自動的に応答するような技術を指します。
自動問診は、例えば患者が病院に来院する前にオンラインで自己評価を行い、症状や疾患の情報を入力することで、受診の目安や緊急度を判断するのに役立ちます。また、問診結果は電子カルテに自動的に反映させることができるので、医師のカルテ作成業務の手間を軽減します。
ただし、自動問診にも限界があるため、医療現場の補完的なツールとして活用されることが一般的です。
ゲノム医療
医療現場でゲノム情報とAI技術を組み合わせて活用することでゲノム医療を実現することができます。
例えば、ゲノム情報をAI分析し、がんや他の疾患における個別の遺伝子変異を特定することで、患者に最適な治療方針を検討することができます。また患者のAIを活用すれば、ゲノム情報に基づいて最適な薬物治療を予測することができます。そしてゲノムデータをAI分析することで患者個人の遺伝的なリスクや傾向を特定し、早期の予防措置を講じることができます。
ロボットによる手術
AIと医療データ、そしてロボット技術を活用して患者に触れずに手術を行うことが実現されています。
AIの画像認識やデータ解析を通じて手術に関する情報をコンピュータに認識させ、術者はロボットの遠隔操作でアームを動かします。これにより、高い精度と術者の習熟度に左右されない操作が可能です。
脳や心臓の手術で利用され、手術の精度の向上と手術時間の短縮に貢献します。また手術支援ロボットは安全で効果的な手術を提供することが期待されています。
医薬品開発
AIは医薬品開発にも活用されています。特に、医薬品の研究開発のプロセスにAIを活用した創薬をAI創薬とも呼びます。
AI創薬は新薬の開発期間を大幅に短縮することが期待されています。AIを活用すれば、大量のデータ解析や予測モデルによる高速な薬品候補の評価が可能であり、新しい治療法の開発を迅速に進めることができます。
さらに、AIを利用した薬の売上予測モデルの構築も可能であり、市場動向や消費者の傾向を予測することができます。
遠隔での診断
AI技術とICT技術を組み合わせることで、患者と医師がオンラインで診断や治療を行う遠隔医療を実現されています。
遠隔での診断は、患者と医療現場の地理的な制約を克服し、時間とコストを節約できます。また、自然言語処理によりチャットボットを構築すれば、医院の時間外診療もある程度可能になり、患者はいつでもオンライン上で医療相談ができます。
これらの取り組みにより、医療のアクセス性と効率性が向上し、患者の利便性も向上します。
レセプトの自動作成
レセプト(診療報酬明細書)は、医療機関が診療報酬を請求するために作成しなければならない書類です。レセプトの様式は厳密に定められており、作成には専門性を要します。
AIを使ってレセプト作成を自動化すれば、作成にかかる時間や人件費を削減できます。レセプト作成にかかる時間を削減できれば、日々の多忙を極める医療スタッフが治療等の業務に集中できますし、人手不足による事務作業の山積といった課題解決に繋げることができます。
AI医療での3つのデメリット
AIは医療分野に対して多くのメリットをもたらしますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。デメリットを見逃してしまうと、医院運営に大きな損害を与えてしまう可能性がありますので、デメリットを正しく理解し適切な対策を取ることが、AIを現場に定着させるためにも重要です。
そこで以下では、AI医療が抱える3つのデメリットについて説明します。
個人情報の管理
AI医療では、患者の医療データを学習データとしてとり扱う必要がありますが、その際に個人情報の管理を徹底しなければなりません。大量の医療データを取り扱う以上、個人情報の流出やプライバシーの問題が懸念されるため、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。
またAIによるデータ分析は、時に誤った結果を出す可能性がり、またデータの取り扱いにおける責任の所在が明確でない場合があります。そのため、AI活用の結果に対しても責任を明確にできるような運営体制が求められます。
質の良いデータの入手
AI医療では、精度の高い分析結果や予測結果を得るためにも高品質なデータを入手する必要があります。自院のデータだけでは不足である場合、高品質なデータを大量に収集するにはコストがかかります。
また医療データが複数の異なるデータベースに分散していること、データ様式が多様であるために、一元化することが難しい点も課題です。
低コストでデータ収集や一元化を試みると、個人情報の保護に配慮できない可能性が出てきますので注意してください。
AIの専門知識
医療分野での業務では、薬剤や治療法、法律など高い専門性を要求されます。AIを活用するためには、医療従事者がさらにAIの専門知識も習得しなくてはなりません。
しかし、医療従事者には既に多忙な業務があり、AIに関する知識やスキルを習得する時間や機会が限られていることは大きな課題です。
医学教育にAI科目を組み込む取り組みや、倫理観の育成とともに、医療データ・情報を適切に管理し、運用できるような環境整備が求められています。
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AIを活用することで、多忙を極める医療従事者の業務負担を軽減し、効率的な診断や治療といった医療サービスの展開が可能となります。一方で、AIを用いた診断は100%正確ではないため、医師の判断とAIの活用の両方が重要です。
TRYETINGが展開するノーコードAIツール「UMWELT」は、そのようなAIの活用を支援するシステムです。このシステムは、プログラミング不要でAIの構築が可能で、既存の業務システムとの連携も容易です。
また、UMWELTには安全在庫計算のアルゴリズムが搭載されており医療備品の在庫管理・予測が可能です。これにより、必要な備品の在庫を適切に管理し、不足や過剰在庫の問題を解消でき、医院経営の改善にも役立ちます。
まとめ
医療現場は担い手不足や高齢化社会の進行、感染症の拡大リスクなどから非常に厳しい、経営・運営体制を求められています。AIはそういった医療分野の働き方改革に大きく貢献することが期待されています。
しかし医療サービスの提供には高い専門性を要求されるために、さらにAIの専門知識を学んで経営に取り入れるのは大変です。ノーコードでAIを活用することができるUMWELTはそのハードルを下げることのできるシステムです。ぜひ導入をご検討ください。
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