BUSINESS
DXは医療分野でも進む!進め方や事例、失敗を避ける対策などを解説
目次
日本でもDXという言葉が浸透し、少しずつ取り組む企業が増えています。DXは一般企業に限ったものではなく、医療分野にも欠かせません。しかし、具体的なイメージを持ちづらく、悩まれている医療関係者の方もいるのではないでしょうか。
この記事では、医療分野のDXについて、事例や進めるポイントを解説します。最後までご覧になれば、DXの具体的なイメージが浮かぶでしょう。
▼更にDXについて詳しく知るには?
DXとはどのようなもの?導入が求められる理由やメリット・デメリットを解説
▼社内のデータをAI化するには?
ノーコードAIツールUMWELT紹介ページ(活用事例あり)
医療分野のDXの基本知識
まずはDXとは何か、進めることで何が変わるのか、基本的な知識を解説します。基本的な知識を理解した上でDXに取り組めば、進めやすく、成果にもつながるでしょう。
なぜ医療分野でDXを推進するのか?
医療分野においてDXを推進する背景には、さまざまな課題解決の可能性があります。
その一つが、労働人口の減少に伴う人手不足の解消です。現在、医療スタッフの不足により、医師や看護師などの一人当たりの負担が大きく、過重労働や医療提供の質の低下といった問題が発生しています。
DXを活用することで、さまざまなデジタル技術を組み合わせた新たなビジネスモデルを実現し、医療提供の質を向上させることができます。
医療のDXが必要でも進まない現状がある
医療分野のDXを進める必要性を理解できていながらも、病床が少ない医療機関ほど進みが遅れている状況です。電子カルテシステムとオーダリングシステムを例に挙げて、現状を解説します。
電子カルテシステムは、400床以上ある医療機関の91.2%が導入しています。それに対し、200床未満の医療機関は48.8%しか導入していません。
オーダリングシステムは、400床以上ある医療機関の導入割合が93.1%に対し、200床未満の医療機関は53.3%と普及率が低い状況です(2020年時点)。
医療のDXをはばむ理由
医療分野のDXが進まない理由は、以下のようなものが挙げられます。
理由 | 詳細 |
予算が立てられない | DXを推進するにはツールを導入する必要もあり、限られた予算がDX関連にどれほど充てられるかで状況が変わる。 |
専門スキルのある人材の確保が難しい | DX推進のためにはITツールを使いこなすスキルを持った人材が必要だが、需要が高く、人材不足が進んでいる。 |
ツールの連携ができない | 新たに導入するツールと既存のツールを連携させる必要が出ても、連携ができずに導入を断念せざるを得ないケースがある。 |
医療分野でDXを進めるメリット・デメリット
医療分野でDXを進めると、どのようなメリットがあるのでしょうか。医療分野のDXは、医療機関側だけでなく、患者にとってもメリットがあります。また、デメリットもしっかりと理解した上でDXを進めることが大切です。
日常の事務作業を効率化できる
紙カルテから電子カルテに変えてペーパーレス化を図れば、事務作業の効率化になります。
紙カルテは、読みづらい文字の判読に時間がかかることもあるでしょう。電子カルテであれば、そのような手間はありません。効率化できることで、患者の待ち時間が削減されるメリットもあります。
予防医療につながる
膨大なデータを活用して病気の発症リスクを予測できれば、早い段階で対策や治療ができるようになります。AIを活用して、過去の健康診断結果から健診結果を予測する取り組みを行っている医療機関もあります。また、新薬の開発に伴う時間とコストの削減も可能です。
オンライン診療が可能になる
オンライン診療が実現すれば、患者は自宅にいながら非対面で診察を受けられるようになります。結果、感染リスクを減らせたり、通院する手間を省けたりできます。
患者だけでなく医療スタッフにもメリットが生まれます。例えば訪問医療なら、医療スタッフは必ずしも患者宅を訪問する必要がありません。
データ損失のリスクを抑えられる
従来のように自院のサーバーで情報を管理したままでは、災害が起こった際に損失するリスクがあります。さまざまなデータをクラウド上で管理すれば、データの損失の回避が可能です。そのため、緊急事態が発生しても通常医療の提供が継続できます。
自然災害の多い日本にとって、データ損失を回避できるのは大きなメリットといえるでしょう。
医療分野全体で患者の情報を閲覧できる
DXが進めば、医療情報ネットワークを構築できます。医療情報ネットワークとは、検査データ・処方データ・治療内容などの情報を、患者が同意した上で医療機関同士が共有できる手段です。医療情報ネットワークにより、医療機関は診療に必要な情報を効率よく把握できます。
例えば、初診の際にそれまで利用していた医療機関のカルテを閲覧できるようになります。正確な治療内容の把握が可能となり、適切な診療の継続が可能です。
【注意】医療のDXで陥るデメリット
医療分野がDXを行うデメリットには、以下のようなものが挙げられます。
デメリット | 内容 |
DXに関する知識のある人材が求められる | デジタル技術を活用できる人材を確保する必要がある。 |
初期費用およびランニングコストがかかる | 導入する際の費用に加え、サーバー更新料などシステムを維持するためのランニングコストがかかり、費用の大きさ次第では経営にも影響を与える。 |
セキュリティリスクが増大する | インターネットを活用して患者の情報を管理する際には、サイバー攻撃に備えなくてはならない。 |
DX・ITへの高い意識が求められる | アナログへの強いこだわりがあり、ITやDXに関する意識が低ければ、新たなツールを導入しても使いこなせない可能性がある。 |
DXを進めている医療機関の事例を紹介
医療分野のDXの必要性、取り組むメリットが把握できても、本当に成功するのか疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。ここからは、医療分野で行われているDXの事例を4つ紹介します。DXに取り組んだ先にある未来のイメージも湧きやすくなるでしょう。
オンライン妊婦健診
新型コロナウイルス感染症への感染防止を目的に、オンライン妊婦検診を取り入れている医療機関があります。胎児の状態を把握できる分娩監視装置を妊婦へ貸し出し、クラウドサーバーを通じて医師が判断します。妊婦検診の一部項目もオンラインで済ませられるのが魅力です。
オンライン診療・健康相談
スマートフォンやタブレット端末を利用した、オンライン診療を行っている事例もあります。アプリを使い、テレビ電話をするようなイメージで患者の診療が可能です。また、健康相談が可能なアプリもあり、患者が疑問に思っている検査の内容についてAIが回答します。
患者案内システム
患者案内システムを導入すると、保険証確認・来院・診察・検査・精算といった外来受診時のあらゆる場面で、患者の待ち時間を削減して負担を軽減できます。案内はスマートフォンに届く仕組みです。そのため、患者は診察時間までの時間を有効活用できます。
AIを活用した新薬の開発
新たな医薬品の開発に、AIが役立てられています。これまでは、膨大な数の生体データから医薬品に有用な候補分子を見つけており、長い開発期間がかかっていました。AIを取り入れることで、医薬品開発プロセスの大幅な短縮を実現しています。
臨床試験に取り組むタイミングも早められ、短い開発期間で患者の手元に新薬が届くようになりました。
医療分野のDXが思うように進まないときの対策
事例を見ると「DXは簡単に進められそう」と思う方もいるかもしれません。しかし、DXを進めていく上で、時には思ったように進まないことも考えられます。DXに取り組む前に、思ったように進まないときの対処方法を知っておくと安心です。
スモールステップを踏む
DXに充てられる予算が限られ、思ったような施策を実施できないことも考えられます。DXの予算が足りない場合には、大きな施策を計画するのではなく、スモールステップの意識が大切です。
例えば、身近な単純作業の自動化が挙げられます。小さな段階に分けて少しずつDXに取り組むと、限られた予算内でも進められるでしょう。
DXの目的を全体へ浸透させる
DXのビジョンが組織全体に浸透していなければ、連携ができずに部分的な取り組みに終わってしまうことも考えられます。医療機関であれば、経営層から医師、看護師など全てのスタッフにDXに対する認識を持ってもらうことが大切です。
組織全体に浸透すれば、現場もDXへの意識が高まり、スムーズな取り組みにつながるでしょう。
DX推進指標を活用する
DX推進指標とは、経済産業省が発表した、DXを進める上でのポイントをまとめたものです。DX推進指標の自己診断を利用すると、DXに必要な取り組みを議論できるきっかけを作れたり、DXの進捗状況を把握できたりします。
「次にどのようなアクションを取ればよいのか分からない」と悩んだときには、DX推進指標を参考にしましょう。
DX人材を育成・採用する
DXをスムーズに進めるには、デジタル技術をしっかりと活用できる、DXに関する知識のある人材が欠かせません。医療分野に限らず、あらゆる分野の企業がDXを進めていることから、外部から新たにDX人材を確保するのは困難な状況です。現状の医療スタッフへの教育を進めたほうが効率的といえるでしょう。
誰でも使えるツールを選ぶ
導入したツールの使い方が難しく、効率化を妨げていることも考えられます。新たなツールを導入しても、操作に慣れるまでには時間が必要です。現状の医療スタッフで使いこなすのが困難な場合には、新たに人材を確保したり育成したりできますが、やはり時間がかかってしまいます。
そのため、新ツールを導入する際には、誰でも簡単に使えるものかどうかの確認が大切です。
スムーズに医療のDXを進められる『UMWELT』をご紹介
DXを進める上で、さまざまな課題に向き合わなくてはいけないことがあるかもしれません。課題によっては、DXの大きな足かせになってしまうこともあるでしょう。そこでおすすめなのが、TRYETINGの『UMWELT』です。
ノーコードAIだから専門知識なしでDXに取り組める
UMWELTは、プログラミング不要のノーコードAIツールです。プログラミングを使わない分、それに必要な人材も要りません。アルゴリズムの組み合わせ方も簡単な操作ででき、「導入したのはいいものの、現場が使ってくれなかった」などの失敗も防げます。
また、UMWELT導入後に受けられる講習会もあり、DX人材を一から育成できるサポート体制も整っています。UMWELTを使っていくうちに、DXの知識を深めていける点も魅力です。
医薬品や医療消耗品の在庫管理も効率化できる
UMWELTは医療機関で取り扱う物品の在庫管理にも適しています。安全在庫計算のアルゴリズムが備わっており、需要予測と関連付けることで適正在庫管理が実現できます。UMWELT導入後は、適正在庫量を見極める手間が省けるだけでなく、廃棄ロスも減らせるでしょう。
まとめ
医療分野のDXはすでに進んでおり、DXによる成果を得ている医療機関もあります。医療分野でDXを進める際には、スモールステップの意識や、誰でも使えるツールの導入が大切です。
TRYETINGのノーコードAIツール『UMWELT』なら、DX人材を確保しなくとも、簡単にDXを進められます。医療機関の在庫管理の効率化も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
UMWELTのサービスページをチェックする
TRYETING
公式
TRYETING公式です。
お知らせやIR情報などを発信します。