DXプロデューサーとは？必要スキルや人材育成のポイントを紹介

DXとは、社会環境やビジネス環境の変化に対応するために推進されている取り組みです。DX推進を担う人材の中でも、DXプロデューサーはプロセスを主導するリーダーの役割を果たします。では、DXプロデューサーになるにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。

この記事では、DXの推進に欠かせないDXプロデューサーの役割や必要スキル、育成のポイントなどを紹介します。
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DXプロデューサーの仕事と役割とは

DX人材におけるプロデューサーは、IPA（独立行政法人 情報処理推進機構）において「DXやデジタルビジネスの実現を主導する リーダー格の人材（CDO含む）」と定義されています。

企業の戦略・戦術・課題点などを理解し、ユーザー・顧客・事業部門と良好な関係を構築しながら、全プロセスを統括する役割があります。

具体的な業務内容は、DX実現のための課題設定、戦略の考察、着地点の策定、関係者のスケジュールや予算の管理、社内外との円滑な連携などです。

また、DX推進に関わるビジネスモデルやビジネスプロセスの変革を指揮する、経営層の役割を担う場合もあります。

DXプロデューサーと他のDX人材との違い

DX人材には、DXプロデューサーの他に6つの職種があります。どの職種も専門的な知識やスキル、マインドセットを身に付けたDX推進に欠かせない人材です。ここでは、DX人材の定義を振り返りながら、DX推進のプロセスを担う6つの職種を紹介します。

DX人材の定義をおさらい

DX人材は、習得した知識・スキルを活用し、DX実現へのプロセスを担う役割があります。経済産業省の「デジタルスキル標準」から考察すると、変化する社会環境やビジネス環境に対応するため、DXリテラシーやDX推進スキルを身に付け、変革に向けて行動ができる人であることが分かります。

DXリテラシーとは、各職種に必要な基本知識やスキル、新たな価値を生み出すために必要なマインドやスタンスのことです。DX推進スキルとは、DX実現のために必要なスキルを示します。

DXプロデューサーと協同する6種のDX人材

IPA（独立行政法人 情報処理推進機構）では、DXプロデューサーと協同するDX人材を以下の6職種に分類しています。

混同されがちな「IT人材」との違いとは

DX人材とIT人材は近しいものがありますが、根本的な役割が異なります。

IT人材の主な役割は、システムの請負開発、運用、保守です。システムエンジニアやプログラマー、サーバーエンジニアなどが該当します。

一方のDX人材は、デジタル技術を用いてビジネス環境の根本から改革を行うことが役割です。DXプロデューサーやビジネスデザイナーといった、技術職でない人たちも含まれます。

DXプロデューサーに求められる3つのスキル

DXプロデューサーは、デジタル技術の基礎知識やビジネスに関する豊富な経験値などが求められます。専門的なスキルよりもビジネス視点で広範囲の業務を把握できる能力が必要です。

ここでは、DX プロデューサーに求められる主なスキルを3つ紹介します。

1.ビジネス・マネジメントスキル

DXプロデューサーは、ビジネスに関する基礎知識と経験、自社のビジネスを成功させるための戦略やプロセスの構築力が必要です。

また、事業全体の俯瞰的な把握や、経営資源・数値に対して的確に意思決定できるスキルも求められます。

さらに、社会環境によって変化する課題を常に把握・検討し、チームの業務をマネジメントする能力も必要です。

2.デジタル領域への理解・把握

AIやIoTなどのデジタル領域に関する基礎知識も必要です。基本的な要素を理解しておくことで「デジタル技術が何に使えるのか」「自社ビジネスにどのように取り込むのか」を考察できます。

元来、DXはデータやデジタル技術を駆使し、ビジネスに変革をもたらすための取り組みです。デジタル技術の活用法やコスト構造の理解、デジタル要素の課題を把握しておくことも大切です。

3.組織をけん引する力

DXプロデューサーは、DXを推進するプロセスの他に、組織自体をけん引するリーダーシップも必要です。

社内だけではなく、社外の顧客やパートナー企業と連携しながら人脈を拡大し、体制の構築や予算の確保、問題の解決ができる能力も求められます。

また、プロセスを成功させるために、組織のメンバーをうまく動かせるような言語力、統率力なども必要なスキルです。

スキルだけではない！DXプロデューサーに必要なマインドセット

DX人材には、専門的なスキルや知識だけではなくマインドセットも必要です。マインドセットとは、社会の中で新たな価値を生み出すために必要な意識・姿勢・行動を指します。

ここでは、DX プロデューサーに必要とされるマインドセットを4つ紹介します。

1.周囲との関係性

DXを実現させるためには、社内ビジネス全体での取り組みが重要です。ビジネスデザイナーやアーキテクト、エンジニア、プログラマーなど、各部門のDX人材とスムーズに連携できる能力が求められます。

周囲との関係性を深めておくことで、部門や社員間の認識の違いを防ぎ、熱量の差をなくすことも可能です。現場の士気を上げることにもつながります。

2.課題を設定する力

DXプロデューサーとして欠かせないマインドのひとつが、課題の設定力です。ビジネスを成功させるためには、自社ビジネスの課題点を見極め、収集したデータを基に解決すべき課題かどうかを特定し、最終的に仮説を立てて検証する必要があります。

また、仮説検証を基に施策を絞ることも大切です。プロデューサーの課題設定力によって、自社ビジネスの価値が決まります。

3.好奇心や主体性

デジタル技術に関する好奇心や、課題を解決したいと思える主体性も大切なマインドです。

社会環境やビジネス環境はすぐに変化します。そのため、デジタル技術のトレンドに興味がないと自社ビジネスの発展につながりません。

さらには、キャッチアップしたデジタル技術で「自社ビジネスの課題を解決したい」「活用したい」と思える主体性も重要です。

4.柔軟な対応力

ひとつのプロジェクトを完遂させるまでには、予想外の出来事や問題が発生する場合もあります。その際に、柔軟な思考力で臨機応変に対応できる力が必要です。

また、判断が難しい状況になった場合でも、価値の創造に必要かどうかを判断し、大幅な変更ができる意思決定力も求められます。

状況の変化に合わせて軌道修正を行い、最適なプロセスや価値を作り上げる力は、主導する立場の人材として欠かせないマインドです。

DXプロデューサーを育成するポイント

プロセスを主導するDXプロデューサーには、多くのスキルや経験、マインドが必要です。そのため、管理職クラスや事業のエースといった自社ビジネスに詳しく、経験を積んだ人材が任命される傾向にあります。

では、彼らをDXプロデューサーとして育成するためにはどのような方法があるのでしょうか。ここでは、育成のポイントを紹介します。

最適な人材は？

必要スキルやマインドセットから推測すると、DXプロデューサーに向いているのは以下のような人たちです。

・自社のビジネスやデジタル領域を把握し、興味を持てる人
・遂行中のプロセスを俯瞰的に把握できる人
・社内外の人材と連携を取れる人
・課題解決のための提唱ができ、行動に移せる人

また、全てのスキルやマインドを持ち合わせていなくとも、育成で最適な人材の確保が可能です。ある程度の知識や経験を持ち、プロセスを主導できる統率力のある人材であれば、DX プロデューサーになる素質を持っています。

長期的な実践で経験を積む

DXプロデューサーに最適な人材であっても、まずはDXに必要な知識を習得し、実践で経験を積む必要があります。

OJTの機会を創出し、長期的な計画を立てることで効果的な人材育成ができるでしょう。また候補者を何人か選出し、ともに経験を積ませれば切磋琢磨しながら成長できるため、コミュニケーション力も身に付きます。

OJTで育成をする際には、外部のベンダーを通すのもおすすめです。システム開発に関する実務的な経験ができます。

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まとめ

DXプロデューサーは、自社ビジネスのスムーズなDX化に欠かせない人材です。デジタル技術やデジタルビジネスに関する基礎知識を持ち、事業全体を俯瞰的に把握し、プロセスを主導する重要な役割を担います。

DXプロデューサーを育成するなら、TRYETINGの『UMWELT』がおすすめです。導入後の基礎講座をはじめ、堅実な運用が可能な伴走プランもあるため、実践で経験を積みながらの人材育成が可能です。

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