DX人材のスキルマップとは？職種別に必要なスキルや資格を紹介

企業のDXやデジタルビジネスの推進には、一定のスキルやマインドセットを取得した人材が欠かせません。DX人材の採用や効率的な育成には、スキルマップが役立ちます。

しかし、スキルマップの作成にあたって、必要なスキルや資格が分からない方は多いのではないでしょうか。

この記事では、DX人材の必要スキルやスキルマップ例、育成方法などを紹介します。ぜひ参考にしてください。

▼更にDXについて詳しく知るには？
DXとはどのようなもの？導入が求められる理由やメリット・デメリットを解説

▼社内のデータをAI化するには？
ノーコードAIツールUMWELT紹介ページ（活用事例あり）

DX人材とは？

DX人材は、企業のDXやデジタルビジネス推進のために、システムの構築、提案、設計、実装などを担います。知識やスキルだけではなく、業務内容を把握し、多職種との折衝力や課題設定力などのマインドセットを身に付けた人材です。ここでは、DX人材の定義や役割、DX人材が必要な背景を詳しく紹介します。

役割と定義

DX人材には、企業のDX推進のためにデジタルスキルや知識を活用し、デジタルシステムを作り上げる役割があります。知識や能力だけではなく変革のためのマインドセットを理解し、企業に合うシステムの構築、設計、デザイン、実装が可能な人材です。

経済産業省では、DXとは『企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること』と定義されています。

（引用：『デジタルガバナンス・コード2.0』経済産業省）

なぜDX人材が必要なのか

DX人材は、ビジネスの持続性を確保し、競争上の優位性を確立するために重要な役割を担う存在です。多くのビジネスパーソンが専門的なデジタルスキルや知識を習得し、DX人材として活躍すれば、企業のDXやデジタルビジネスを効率的に進められるでしょう。

デジタル化で時代が変化していく中、多くの企業がビジネスモデルを抜本的に変革し、新規ビジネスの創出を実現し始めています。

DXの推進は、生産年齢人口の減少や長時間労働などによって低下した労働生産性を高め、労働の質の向上を可能にするといえるでしょう。

【職種別】必要なスキルの把握とスキルマップの作成

DX推進には、専門的なスキルを身に付けた人材が欠かせません。そのため「どのような職種がDX人材として活躍できるのか」「どのようなスキルが必要なのか」を明確化しておくことが大切です。

IPA（独立行政法人 情報処理推進機構）では、DXに対応する人材と職種は7つに分類されます。ここでは、7職種の定義と必要なスキル、スキルマップ例を紹介します。

1.プロデューサー（プロダクトマネージャー）

プロデューサーやプロダクトマネージャーは、DXの推進やデジタルビジネスの実現を主導する役割があります。DX人材の中でも特に重要な職種といえるでしょう。

必要なスキルは、ニーズの理解力、課題の設定力、DX人材のサポート、多職種との折衝力、マネジメント力です。

自社ビジネスへの理解があり、ビジネス視点での主導ができる、社内の管理職クラスや事業のエースが任命される傾向にあります。

2.ビジネスデザイナー

ビジネスデザイナーは、企画や立案でDXやデジタルビジネスの推進を支える役割があります。プロデューサーと一緒に新しいビジネスモデルを構築する職種です。

ビジネスモデルの企画には、発想力、構築力、提案力などのスキルが必要です。また、技術面では、CSVやJSONなどのデータ形式の把握、統計学やBIツールを使った分析も求められます。

データサイエンティストやエンジニアの基礎知識を理解しておくと、よりスムーズな企画・構築ができるでしょう。

3.テックリード（エンジニアリングマネージャー・アーキテクト）

テックリードは、ビジネスデザイナーが構築したシステムを設計し、実装につなげる役割があります。エンジニアやプログラマーを主導し、サポートする職種です。

テックリードには、アーキテクチャ設計力が必要です。アーキテクチャ設計力は、システムの全体構造を担います。デジタルビジネスの安全性や柔軟性を確保する役割もあります。また、ITに関する基礎知識はもちろん、システム実装のためのマネジメント力も必要です。

4.データサイエンティスト

データサイエンティストは、DXに関するデジタル技術に詳しく、データの分析や解析ができる人材です。

必要となるスキルは、分析力、解析力、統計学などが当てはまります。また、データ解析に使うAIやloTの基礎知識、プログラミングスキルも重要です。この他にも、集めたデータから課題を理解する力、解決するための企画力も求められます。

5.先端技術エンジニア

先端技術エンジニアは、先進的なデジタル技術を担います。AIやブロックチェーンの研究開発と、AIやブロックチェーンを用いたシステム開発が主な役割といえます。

必要なスキルは、AIに関する知識とブロックチェーンの技術の他、技術トレンドを迅速に取り入れ実装できる力です。

DX推進には、特にディープラーニングを用いた機械学習の知識が役立ちます。ディープラーニングは精度が高い学習プロセスのため、特に注目を集めている先端技術です。

6.UI・UXデザイナー

UI・UXデザイナーは、デジタルビジネスやDXに関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材です。ユーザーに寄り添って使い勝手の良いUI（ユーザーインターフェース）を作る役割があります。

必要なスキルは、トレンドを把握したデザインの作成力、インパクトのあるデザインを実装するための言語力、ユーザー行動の分析力です。ヒートマップやA/Bテストなどの分析ツールを使えるスキルも役立ちます。

7.エンジニア・プログラマー

エンジニアやプログラマーは、テックリードやデザイナーが構築・設計したデジタルシステムを実装し、インフラ構築を担う人材です。

設計に基づいてプログラミングし、テストやコーディングでシステムを実装します。

プログラミングスキルはもちろん、AIや統計学で使う言語の理解が必要です。特にAIや機械学習に強みのある「Python」、統計解析に使う「R言語」は押さえておくと役立ちます。

DX人材のスキルマップ例

DX人材のスキルマップは、全人材共通、職業別、個人など、さまざまな種類があります。社内で共有しやすい構成で作るのがおすすめです。

例として、IPA（独立行政法人 情報処理推進機構）の共通スキルリストを活用し、UX・UIデザイナーのスキルマップを作成したものが下記表です。ビジネス変革のカテゴリーを4段階の重要度（a,b,c,d）で構成しています。候補者の欄には、各スキルの習得状況を4段階程度で評価します。

DX人材のスキルマップを作成するメリット

DX推進に取り組む企業にとって、スキルマップは重要です。スキルマップは、プロジェクトを進めるために必要な人材、必要な技術を把握するために欠かせません。

ここでは、スキルマップを作成するメリットを詳しく紹介します。

企業に必要なスキルの明確化ができる

スキルマップの作成は「どのようなスキルが必要か」「どのような人材が必要か」を明確化できる手段です。

事業のDX推進プロジェクトに合わせたスキルマップの作成は、必要なスキルを持つDX人材の採用や育成に役立ちます。

独自のスキルマップを作成し、足りないスキルを補えるOJTの機会を創出すれば、効率的なDX推進にもつながるでしょう。

必要なスキルを可視化して共有できる

スキルマップの作成は、DX人材の育成に必要なスキルを可視化できるため、効率的な人材育成につながります。

社内全体でスキルマップを共有すると、DX人材候補者のスキルを把握できるだけではなく、他部署からのサポートも可能です。

また、プロジェクトの進捗状況に合わせてスキルマップを更新すれば、育成の改善点や成功体験などを共有できます。

DX人材の育成方法は？

DX人材の育成には、学習と実践が必要です。まずは、座学でデジタル技術やITに関する基礎知識、マインドセットを学習してもらいましょう。

特にシステムの設計や開発、実装に関わるテックリードやデータサイエンティスト、エンジニアやプログラマーは専門的な知識の習得が必要です。

ある程度の知識を習得したら、次は実践です。社内でのOJTを実施したり、外部のベンダーによるスキルトランスファーの支援を受けたりするなどの方法があります。

また、専門性を評価する仕組みやリカレント学習の仕組みの導入で、学び続けるマインドセットを持てるような工夫もおすすめです。

TRYETINGの「UMWELT」でDX・AIの基礎を学べる

DXやデジタルビジネスの推進には、DX人材の育成が欠かせません。しかし、育成には時間や費用がかかるため、DXの取り組みが思うように進められない場合もあります。

そこでおすすめなのが、TRYETINGの「UMWELT」です。UMWELTは、手間のかかるデータ収集や処理を自動化し、需要予測や機械学習などの計算・解析、システムの実装や結合ができるAIプラットフォームです。

導入時にはUMWELTの使い方講習やAIの基礎講座も実施しており、AIやDXに強い人材がいなくても安心して導入できるでしょう。また、プロジェクトが自走するまでコンサルタントが伴走するプランもご用意しています。

まとめ

DX人材のスキルマップは、企業に必要なスキルを明確化・可視化し、足りない人材やスキルを補うために重要な役割を果たします。

企業のDX推進プロジェクトに適したスキルマップの作成は、効率的な人材の採用・育成に役立つでしょう。

TRYETINGのUMWELTは、専門的な知識がなくても導入できるAIプラットフォームです。導入時には、実際のデータを活用した需要予測や機械学習の講習やAIの基礎講座もあるため、お気軽にお問い合わせください。

UMWELTのサービスページをチェックする

AI予測ツールUMWELT紹介ページ（活用事例あり）