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Autoencoderを使った異常検知を解説!実際の活用事例も紹介

Autoencoderを使った異常検知を解説!実際の活用事例も紹介

企業などの生産活動において異常検知が必要な場面は多々あります。今回は異常検知の導入を検討している方に向けて、Autoencoderを活用した異常検知について実際の活用事例などを交え解説します。

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Autoencoderとは異常検知に使われる手法の1つ


Autoencoderとは異常検知に利用される手法の一つです。とは言うもののピンと来ない方も多いのではないでしょうか。まずは「Autoencoder」と「異常検知」をそれぞれ解説します。

1.異常検知とは

異常検知とは、過去の故障や異常に関するデータを活用し、入力されたデータが正常か異常か識別する技術のことです。結果をAIで学習させることで、故障検知・エラーが出る可能性のあるものを予測することが可能です。例えば、製造業で不良品を検知する際に、AIで異常検知を行うことができます。異常検知の精度を実用的になるまで高めることで、サービスへの影響を最小限にすることができます。

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2.Autoencoderとは

Autoencoder(オートエンコーダー)とは、ニューラルネットワークという数理的モデルの1つです。入力されたデータを一度圧縮、そして重要度の高い情報を洗い出し、それ以外の部分を削ぎ落します。このように、その意味を維持したまま、より少ない次元に落とし込むことを、次元削減や特徴抽出と呼びます。Autoencoderは、2006年にトロント大学のコンピュータ科学および認知心理学の研究者であるジェフリー・ヒントン氏らによって提唱されました。

3. Autoencoderを使った異常検知とは

Autocoderを利用して、入力されたデータが正常か異常か判断する異常検知を行うことができます。Autoencoderは異常検知を行う際の準備コストが低いため、比較的容易に異常検知を行うことが可能となります。

Autoencoderが必要な理由


それではここからは、異常検知において、Autoencoderが必要とされる理由について解説します。

1.勾配消失を防止できる

ニューラルネットワークは、入力値と出力値の間に「隠れ層」と呼ばれる圧縮状態を挟むのが特徴です。隠れ層を挟むことで、従来では不可能だった複雑な処理も可能になりました。そこで、さらに多くの隠れ層を挟むことで、より高度な処理能力が実現するのではないかと考えられるようになりましたが、この方法では学習速度が低下してしまいます。この問題を勾配消失と言います。ニューラルネットワークの初期値に、Autoencoderで学習させたものを用い、事前学習を行うことで、勾配消失による学習速度低下を防止することができます。

2.過学習の予防

特定のデータへの対応にのみ長けてしまうことを過学習と言います。特定のデータを完全に記憶してしまうと、未知のデータにはまったく対処できない状態になります。そこでAutoencoderを活用し、データを敢えて粗な状態にすることで、過学習を防止することができます。

Autoencoderの種類


Autoencoderはネットワークの構成により様々な種類があります。そこで以下では、3種類のAutoencoderについて解説します。

1.積層Autoencoder

積層Autoencoderは、Autoencoderを何層にも重ねたシンプルな構造をしています。1層ずつ学習していくのがポイントで、初期値を最適解に近づけることですぐに利用できるメリットがあります。現在は技術の発展により、積層Autoencoderのメリットをカバーできるようになったため、あまり使われていません。

2.変分Autoencoder

Autoencoderは、ただデータの圧縮と復元をするだけでしたが、変分Autoencoderはデータを元の形式に戻す際に変数を混ぜることで、入力とは少し違う出力をします。そのため、変分Autocoderはデータ内容を吟味できる生成モデルとして有名です。

3.畳み込みAutoencoder

畳み込みAutocoderは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いたAutoencoderです。CNNとは、入力層と出力層の間に、入力データの特徴量を捉える畳み込み層と、その特徴への偏りを減らすプーリング層を加えたニューラルネットワークのモデルです。畳み込み層により特徴を抽出できるため、特徴を検知することを目的とした画像の処理に利用されることが多いです。

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Autoencoderを用いた異常検知の仕組み


Autoencoderを用いた異常検知は、それを行う際にどのような手順で行われるのでしょうか。ここでは、Autoencoderを用いた異常検知の仕組みを4段階に分けて解説します。

1.層を分割する

ネットワークを構築する多層構造を、複数の単層に分割します。入力層、隠れ層1、隠れ層2……出力層と分割し、それぞれに事前学習を行います。

2.入力層から学習させる

入力層から順に学習を行います。隠れ層1と同じサイズの訓練用隠れ層を1つだけ用意し、圧縮・出力させます。

3.全ての隠れ層で訓練を繰り返す

先ほど得た訓練用隠れ層の値を入力値として、隠れ層1から順に訓練を行います。この作業をすべての層で繰り返します。

4.元のネットワークに戻す

学習させた層を利用し元のネットワークを構築します。この状態で新しい層を追加して学習させると、勾配消失を防止できます。

Autoencoderの活用事例


Autoencoderは異常検知など、いくつかの活用方法があります。そこで以下では、Autoencoderの活用事例について解説していきます。

1.異常検知

Autoencoderはデータの準備コストを抑えた上で異常検知できることが特徴です。異常検知技術は教師あり、半教師あり、教師なしの3つの形態に分類されますが、Autoencoderは教師なしで異常検知することができます。教師ありで異常検知する場合は、正常データと異常データの2つをデータセットとして学習させなければいけません。しかし教師なしでは、正常データのみで学習できます。正常データを集めるのは容易なので、異常検知はAutoencoderの得意分野と捉えて良いでしょう。

2.ノイズ除去

入力データ中の不必要な部分を除去することをノイズ除去と言います。Autoencoderにノイズのあるデータを入力し、ノイズのないデータを正解データとして、教師あり学習をさせます。学習後にデータを入力すると、ノイズのない綺麗なデータを出力することができます。

3.データ生成

存在しないデータを新たに出力することができます。例として、画像データを入力した場合、入力された画像の特徴を捉えた別の新しい画像を生成することができます。

4.クラスタリング

データの特徴ごとに分類することをクラスタリングと言います。Autoencoderではデータの特徴を抽出できるので、その特徴ごとにクラスタリングできます。

異常検知を導入するメリット


異常検知を導入することでいくつかのメリットを享受することができます。そこで、異常検知を導入するメリットを3つご紹介します。

1.人件費削減

目視検査を行う場合、検査員の人件費がコストとして発生します。異常検知の自動化を行うことで、人件費を節約して検査コストを削減することが可能です。異常検知システムの導入にコストは発生しますが、定期的に発生する人件費のコストと比べると低コストになる可能性は高いでしょう。

2.ヒューマンエラー予防

人が作業していることにより生じる生産現場でのミスは完全に無くすことはできません。熟練の作業員であっても、その日のコンディションによってミスを起こすこともあります。一方、AIを用いた異常検知の場合は、人よりも高い精度で異常を検知できます。ヒューマンエラーが無くなることで品質を担保することができるため、顧客満足度を維持することにも繋がります。

3.属人化防止

製造業の現場では、熟練の作業員による属人的な作業も少なくありません。長年の経験から来る勘やコツなどが蓄積しており、新人作業員では見逃してしまうような異常がたくさん存在します。熟練者の不在時や退職後、作業員として未熟な人材だけ残ってしまった場合、品質管理がままならなくなります。作業員の教育にもコストがかかるため、成長するまでに時間がかかります。そこで異常検知をシステムとして導入することで、熟練作業員への依存を無くすことができ効果的な対策となります。

異常検知技術を導入したいのであればTRYETINGの「UMWELT」がおすすめ

異常検知技術の導入を検討している場合、AIツールで異常検知を自動化することで導入コストを抑えることができます。異常検知をAIで自動化する場合におすすめのツールがTRYETINGの「UMWELT」です。UMWELTはプログラミング不要で、簡単で直感的な操作で社内でAI分析や自動化を行う事ができます。そのため、AIエンジニアの採用や教育をすることなく、AIを用いた分析などを行うことができます。また、社内でAIを利用するための特別な環境を準備する必要なく、準備コストを最小限に抑えた上でAIを活用する事ができます。

まとめ

異常検知は一つのミスが重大な損害に繋がるリスクがあり、どの分野でも重要な業務です。正確性が問われる業務では人よりもAIの方が良いパフォーマンスを発揮することが期待できます。異常検知をAIで簡易的に行うことを導入するのであれば、UMWELTを検討してみていかがでしょうか。

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