TECHNOLOGY
AI技術を活用した自然言語処理とは?身近にある活用事例を紹介
目次
AIを活用したシステムにより、私たちの生活は日々便利になっています。AIに関連する分野で注目されている技術のひとつが、自然言語処理(NLP)です。SiriやAlexaを代表としたAIアシスタントやリアルタイムでの翻訳機能などに応用されており、ビジネス分野での活用も期待されています。今回は、AIや自然言語処理について、基礎知識と活用事例を紹介します。
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自然言語処理の基礎知識
ここでは、自然言語処理の基礎知識を解説します。
自然言語処理とは
『自然言語処理入門:1. 現状と歴史を概観しよう』(岡田・中村.会誌「情報処理」.自然言語処理入門:1.現状と歴史を外概観しよう.1993,11,p1385-1386)によると、「自然言語処理(Natural Language Processing)とは、プログラミング言語のような人工の言語に対し、日本語とか英語、ロシア語といった、人が日常話したり書いたりする言語を計算機で処理すること」とあります。
自然言語処理とAI・機械学習の関係性
自然言語処理のプロセスで得られたデータは、AIの要素技術である機械学習を活用することで、AIアシスタントや機械翻訳に応用することができます。
自然言語処理が注目される背景
自然言語処理が注目される背景には、主に以下3つの理由があります。
- テキストデータの増加
- 労働人口の減少
- 技術革新の推進
テキストデータの増加
1つ目は、私たちの身の回りにテキストデータが増加しているためです。最近では、さまざまなコミュニケーションツールが登場し、テキストベースでのやりとりが増えてきました。たとえば、企業では「Chatwork」や「Teams」などのコミュニケーションツールを導入することで、Webミーティングやチャットでのやりとりが促進されています。さらに、Web会議を録画して文字起こしするなど、会議データの電子化も進んでいます。こうしたテキストデータを、ビジネスだけではなく、日常生活でも活用していく必要があります。
労働人口の減少
2つ目は、労働人口が減少しているためです。自然言語処理で得たデータを応用するAIアシスタントや機械翻訳は、人間の仕事を代替するため、その注目が集まっています。
技術革新の推進
3つ目は、世界的に自然言語処理の技術革新が推進されているためです。例えばGoogleは、2018年に「BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)」と呼ばれる自然言語処理モデルを発表しました。Googleは、BERTによりこれまでの自然言語処理モデルでは難しかった「文脈を読むこと」を可能とし得ると発表しています。
自然言語処理の活用事例
- チャットボット
- テキストマイニング
- メールフィルター
- 文字変換予測
- スマートアシスタント
- 機械翻訳
チャットボット
チャットボットは、入力した情報に対する回答を返してくれるシステムです。主に、SiriやAlexaなどの音声データを自然言語処理で分析し、AIが適切な返答をします。チャットボットを活用しているサービスとしては、「SmartRobot」が挙げられます。SmartRobotは台湾発の対話型AIチャットボットサービスです。顧客対応の自動化や社内業務の効率化ができるサービスとして知られています。さらに、機械学習によって会話の精度が向上し、自然なコミュニケーションを図ることで、顧客対応も効率的に実施することができます。
テキストマイニング
テキストマイニングは、大量のテキストデータの中から重要な情報を抽出することです。自然言語処理は、「形態素解析・構文解析・意味解析・文脈解析」のステップに従って、文書を分割していき、その中から重要と判断した情報を抜き出します。テキストマイニングはビッグデータにおいても活用されている技術であり、顧客とのやりとりや問い合わせ対応のテキストデータを分析することができるため、マーケティングにも応用されています。
メールフィルター
メールフィルターは送られてくるメールの文章を解析し、スパムメールや迷惑メールを認識すると、自動で振り分けてくれるシステムです。メールフィルターは、初期の頃からオンラインで自然言語処理が適用されている基本的な例の一つです。メールフィルターを活用しているサービスの一つにGoogleが提供している「Gmail」があります。Gmailでは、メールを「メイン・ソーシャル・プロモーション」のいずれかのカテゴリーに分類しています。分類する際には、メール本文を解析し、適切なカテゴリーで受信しています。
文字変換予測
自然言語処理は、パソコンやスマートフォンの文字変換予測にも使われています。ひらがなの文字を入力すると、漢字や顔文字、または絵文字に変換する機能として、自然言語処理機能が活用されています。「ATOK Lab」も、文字変換予測を活用したサービスです。ATOK Labは、文字の変換だけではなく、言語そのものを認識する仕組みです。たとえば、文章の校正支援機能が挙げられます。その結果、文字の間違いだけではなく、文章の精度の向上につながります。
スマートアシスタント
スマートアシスタントとは、iPhoneで実装されている「Siri」やAmazonが提供している「Alexa」などの音声認識を活用したサービスです。スマートアシスタントは、人間が発した言葉を自然言語処理によって解析し、最も近い意味の回答を返答します。たとえば、iPhoneユーザーであれば「Hey Siri」と呼びかけて、「明日の天気は?」と問いかけると、明日の天気を回答してくれます。
機械翻訳
自然言語処理は、Google翻訳などの機械翻訳にも活用されています。自然言語処理の進化に伴い、一般的な表現に近い翻訳が可能となりました。自然言語処理を導入する以前は、日本語から英語に翻訳する際に、文法を意識しない形で翻訳されていました。最近は、「DeepL」と呼ばれる高精度な翻訳機能が登場しました。DeepLは文書ファイルをそのまま翻訳できるため、わざわざ翻訳用に作り直す必要がなく、効率的に翻訳機能を活用することができます。
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自然言語処理をはじめとするAIシステムは、今後のビジネスシーンでは必要不可欠な存在です。初めてAIシステムを導入する企業様におすすめのツールが、TRYETINGのノーコードAIクラウドUMWELTです。UMWELTには、業務効率化に役立つAIアルゴリズムが多数搭載されており、それらをダッシュボード上でレゴブロックのように自由に組み合わせることで、誰でもかんたんにAIシステムを構築可能です。
まとめ
AIによる自然言語処理のプロセスは、AIアシスタントや機械翻訳を支える重要な技術となっています。自然言語処理をはじめ、AIの利用には専門人材採用や開発のコストが必要です。UMWELTは、ノーコードで誰でも簡単にAIによるデータ分析が可能です。AIシステムの導入をお考えの方は、UMWELTをぜひご検討ください。
参照文献
Understanding searches better than ever before|Google(2019)
https://www.blog.google/products/search/search-language-understanding-bert/
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