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ロイヤリティプログラムの効果とは?導入のメリットや成功事例を紹介
目次
LTVを上げるための施策として、ロイヤリティプログラムに注目が集まっています。ロイヤリティプログラムの効果とはどのようなものでしょうか。ここでは、ロイヤリティプログラムを導入するメリットや成功事例を紹介します。
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ロイヤリティプログラムの基礎知識
ロイヤリティプログラムと聞いて、どのようなことが思い浮かぶでしょうか。まずはロイヤリティプログラムとはなにかを解説していきます。
ロイヤリティプログラムとは
ロイヤリティプログラムとは、企業が顧客に対して自社の商品やサービスに愛着を感じてもらうことで、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を上げるためのマーケティングプログラムのことです。ポイントを貯めて商品やサービスの値引きをすることができ、貯めたポイントによってランクやステージが上がることが例として挙げられます。
ロイヤリティプログラムを提供する目的
ロイヤリティプログラムを提供する目的は2つあります。優良顧客を増やすことと優良顧客を囲い込むことです。優良顧客は一般顧客と比較して、自社の利益に対する貢献度が高いとされています。優良顧客を増やすことは利益増に直結することから、ロイヤリティプログラムの高い成果が期待できます。
優良顧客を囲い込むことは既存の優良顧客との関係を維持し、さらに強化していくことをいいます。ロイヤリティプログラムを提供して、新しい優良顧客が増えたとしても、既存の優良顧客が離れてしまっては意味がありません。既存の優良顧客に魅力的なプログラムを提供することが重要なのです。
ロイヤリティプログラムの分類
ロイヤリティプログラムは、大まかに「会員プログラム」「ポイントプログラム」「ロイヤルカスタマー向けプログラム」の3つに分けることができます。また、ロイヤリティプログラムによる提供価値は4つに分類されます。その4つについて解説します。
情報発信
会員に対して情報を発信することです。「会員プログラム」で提供されています。
経済的メリット
1ポイント=1円など、企業が定めたレートで買い物の際にポイントが利用できることです。「ポイントプログラム」で提供されています。
特典サービス
優先的に案内をしたり、商品を交換するなどの特典サービスのことをいいます。「ロイヤルカスタマー向けプログラム」で提供されています。
特別体験
一定額以上購入した優良顧客や有料会員に限定して、特別な特典を提供することです。「ロイヤルカスタマー向けプログラム」で提供されています。
ロイヤリティプログラムの形態の変遷
ロイヤリティプログラムの形態の変遷について、小売事業者、航空、ホテル事業者、クレジットカード事業者の3つの観点から解説します。
小売事業者
1960年代以前にトレーディングスタンプ(スタンプを何枚か集めると商品と交換できる仕組み)事業が開始されました。1990年代には磁気式のポイントカードが普及し、2000年以降にはTポイントなどの企業間共通ポイントの利用ができるようになりました。
航空、ホテル事業者
1980年代には、航空会社のマイレージサービスが始まりました。また、ワシントンホテルがカード式のポイントシステムを導入したのも同時期とされています。2000年以降の現在でもマイレージサービスやポイントシステムは広く利用されています。
クレジットカード事業者
1980年代以前から、百貨店系クレジットカードは存在していました。1980年代にはJCBがカード決済額に応じたポイント付与プログラムを実施しました。そして1990年代には大半のクレジット会社が商品と交換可能なポイントプログラムを開始しています。
企業がロイヤリティプログラムを導入するメリット
企業がロイヤリティプログラムを導入するメリットは何なのでしょうか。ここでは、4つのメリットを紹介します。
顧客のリピート率が上がる
顧客に対して、ロイヤリティプログラムを通して感謝の気持ちを伝えることができます。また、自社ブランドに愛着を持っているため、競合他社を選ぶ必要性を感じなくなる上に、商品などへの満足感も高まります。
企業姿勢のアピールによって顧客の信頼を得られる
自社に貢献する顧客を優遇するという姿勢を見せることで、顧客の信頼感が向上します。ロイヤリティプログラムは顧客に企業姿勢をアピールすることができるため、利用することは大きなメリットを生み出してくれます。
顧客単価が向上する
商品やサービスへの愛着や信頼が高まることで、その好影響は企業自体にも及びます。特定の商品やサービスのみを利用していた顧客が、ほかの商品やサービスも利用してくれるようになるかもしれません。
低コストで売り上げが拡大する
新規顧客を獲得するコストよりに比べて、既存顧客を維持するコストのほうが安く済みます。また、ロイヤリティプログラムを活用し、既存顧客を維持することで、口コミによる新規顧客獲得につながります。よって、低コストで売上拡大を実現することができるのです。
ロイヤリティプログラム導入の際に意識すべきポイント
ロイヤリティプログラムは、導入すれば必ず成功するとは限りません。ロイヤリティプログラム導入の際には、下記5つのポイントを意識します。
特別感と感動を感じさせる見返りを用意する
ロイヤリティプログラムは単なる割引ではなく、質の良い顧客体験の提供です。他の顧客に比べて優遇されているという特別感や、感動を得られる報酬を用意することが重要です。
合理性と羨望の両方を刺激する
どのようなことに感動を覚えるかは人それぞれです。そのため、理屈優先の人が喜ぶ合理的な特典と、感情優先の人の気持ちを潤すような特典を2種類作るのがおすすめです。そうすることで、理屈優先の人も感情優先の人も特典によって感動することができます。実用性と憧れを刺激するのが、ロイヤリティプログラム導入の際に意識するべきポイントなのです。
広報活動を徹底する
素晴らしいロイヤリティプログラムを提供しても、顧客に伝わらなければ意味がありません。ロイヤリティプログラムの存在を知り、特典の価値を理解してもらうためには、広報活動を徹底することが重要です。
参加しやすく平等感のあるシステムにする
ロイヤリティプログラムを成功させるには、顧客にとって導入の敷居をできるだけ低くすることや、不公平感を感じさせないことが重要です。利用のための手続きや特典の内容が複雑だと、ロイヤリティプログラムに参加しにくくなってしまいます。参加しやすくなるロイヤリティプログラムを設計することが重要です。
継続的にアンケート調査を行う
ロイヤリティプログラムを導入したら、必ず効果検証を行います。検証結果に応じて、プログラムを随時改善していくことが重要です。効果検証には、顧客ロイヤリティを測る指標であるNPS(ネットプロモータースコア)がおすすめです。NPSは企業に対する愛着や信頼感を明確に示すことができる、顧客ロイヤリティの把握に最適なアンケート方法です。ロイヤリティプログラムの課題点の洗い出しに有効な方法としても知られています。
ロイヤリティプログラムの成功事例を紹介
では実際に、ロイヤリティプログラムの成功事例を見ていきましょう。4つの事例を紹介します。成功事例を参考に、ロイヤリティプログラムの効果を知っていただけたら幸いです。
スターバックス
スターバックスは、アメリカに本社を置き、世界規模で展開をしているコーヒーチェーンです。スターバックスでは、購入するたびに「スター」が貰える「スターバックスリワード」と呼ばれるポイントシステムを導入しています。54円あたり1つ貰えるスターを150個獲得することで、Reward eTicketが発行され、700円までのドリンクやフード、コーヒー豆などの商品との交換ができるシステムです。このシステムは、スターバックスの成長に大きく貢献しました。
無印良品
無印良品は、衣服や生活雑貨、食品などの幅広い品揃えからなる、品質の良い商品を提供している会社です。東京に本社を置き、アジアを中心に世界進出を果たしています。無印良品では「MUJI passport」と呼ばれる専用アプリを導入しています。1円につき1マイル、20000マイルで200円分のポイントが付与される仕組みとなっています。今では無印良品を利用する顧客の3割近くがMUJI passportをダウンロードしていることから、無印良品のロイヤリティプログラムは成功といえるでしょう。
サッポロライオン
サッポロライオンはサッポロホールディングス傘下の外食事業者で、「銀座ライオン」や「エビスバー」を運営しています。サッポロライオンは「YEBISU BARアプリ」を導入してました。ビールやビアカクテルを注文するたびにスタンプが加算され、スタンプの数に応じて特典を受けることができます。YEBISU BARアプリは売り上げに大きく貢献しました。
Lululemon
Lululemon(ルルレモン)は、ヨガやランニング、トレーニングの際に着るウエアなどを販売するアメリカのスポーツアパレル専門店です。Lululemonは、2018年に、128ドルの会員費を払うと、パンツかショーツのプレゼント、フィットネスクラスへの参加権、さらに、送料無料のサービスが受けられるロイヤリティプログラムを導入しました。一見すると高額に思える年会費ですが、パンツの単価は100ドル以上であるため、すぐ元が取れる仕組みとなっています。ロイヤリティプログラムの内容に魅力を感じる顧客が多く、売り上げアップにつながりました。
これからのロイヤリティプログラムの在り方とは
現代はデジタル社会と呼ばれています。ロイヤリティプログラムの在り方は今後どうなるのでしょうか。デジタル社会の中で、ロイヤリティプログラムを導入して成功を収めるためにするべきことを解説します。
デジタル社会を迎えてロイヤリティプログラムは変革が求められている
今までの企業と顧客の接点は、購入段階以外はDMやe-mail程度でした。スマートフォンアプリやSNSの普及によって、顧客接点の手段が多様化したことにより、企業は購入段階以外での顧客に対してアプローチができるようになり、顧客の行動と紐づけた、タイムリーなアクションを起こしやすい環境が整うようになりました。デジタル社会となった今、ロイヤリティプログラムは変革が求められています。
デジタルのつながりで顧客とのコミュニケーションが深化した
アメリカのスポーツ企業であるナイキは、自社サイト等複数の顧客接点からデータを収集し、一人ひとりの個客行動を識別の上データクレンジング・分析し、それを活かしたスマートレコメンドのサービスを提供しています。また、フランスの食品メーカーであるダノンはソーシャルメディアなどで顧客に合わせたプロモーションを行っていて、その後の顧客データを分析することで、さらにより良いサービスの提供を目指しています。2社ともデジタルのつながりで顧客のコミュニケーションが深化したといえます。
デジタル時代でのロイヤリティプログラムのポイント
デジタル時代でのロイヤリティプログラムのポイントは3つあります。「顧客を『特別扱い』するサービス(他人とは異なる体験)の提供」、「能動的参加・成長の可視化」、「既存資産の活用(有償化できていないサービスの発掘)」です。それぞれ解説します。
顧客を「特別扱い」するサービス(他人とは異なる体験)の提供
近年、他者と同じではなく「自分だけ」の商品やサービスを求めるようになっています。企業はその消費者ニーズに合わせて、個人の好みに合わせた商品やサービスを提供することが重要です。
能動的参加・成長の可視化
企業側の一方通行だった従来のロイヤリティプログラムから脱して、能動的に参加できる要素を取り入れることや、企業の成長を可視化することが重要です。企業と顧客の継続性のある関係性を構築することが、ロイヤリティプログラムの成功につながります。
既存資産の活用(有償化できていないサービスの発掘)
ロイヤリティプログラムを開発する上では、企業の既存資産やサービスを見直すことが重要です。有償化できていないサービスを発掘することはロイヤリティプログラムの成功へとつなげられます。
デジタル社会に備えて業務DX化するなら「UMWELT」がおすすめ
ロイヤリティプログラムの設計には、既存サービスのデジタル化に加え、顧客データの分析や正確な需要予測が必要不可欠です。業務DX化の推進におすすめなツールが、TRYETINGが提供するノーコードAIクラウド「UMWELT」です。UMWELTには、DXに役立つAIアルゴリズムが多数搭載されています。これらをレゴブロックのように自由に組み合わせることで、誰でもかんたんにAI搭載型のシステムを構築可能です。
まとめ
ロイヤリティプログラムの効果について解説しました。また、ロイヤリティプログラムを導入するメリットや成功事例も紹介しました。ロイヤリティプログラムについて知ることができれば幸いです。デジタル社会に備え、業務DX化をすることは、ロイヤリティプログラムの成功につながります。TRYETINGが提供するノーコードAIクラウド「UMWELT」であれば、誰でもかんたんにAIアルゴリズムを使用したDX推進が可能です。UMWELTにご興味のある方は、下記サービスページよりお問い合わせください。
参照文献
デジタル化時代におけるロイヤリティプログラム|デロイトトーマツ
https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/jp/Documents/consumer-business/cp/jp-cp-digitization-royalty-program.pdf会員数750万人の「スターバックス リワード」に学ぶ、ロイヤルティプログラムを通じたCX向上|MarkeZine(2021)
https://markezine.jp/article/detail/36795「相手が喜ぶ成果示せ」、仕掛け人が明かすMUJI passport成功の裏側|日経XTECH(2016)
https://xtech.nikkei.com/it/atcl/column/14/346926/102400669/顧客ロイヤリティ向上サービス「YEBISU BARアプリ」米国にて権威あるアワードでプラチナ賞 受賞!|サッポロホールディングス(2019)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001347.000012361.html「 Amazonプライム が大変革をもたらした」:ロイヤルティプログラムを見直す小売業者|DIGIDAY(2019)
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