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拡大が見込まれるAIの世界シェアの現在と未来~国内市場の広がりにも期待

拡大が見込まれるAIの世界シェアの現在と未来~国内市場の広がりにも期待

日常生活から世界的な企業にいたるまで、幅広い分野でAI技術が浸透し、アメリカを筆頭に世界シェアは年々拡大し続けており、日本においても市場規模は確実に拡大しています。今回の記事で、現在のAIの世界シェアおよび今後の推移、国内市場における現状と今後の見通しについて、詳しく解説します。

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AIの世界シェアは依然としてアメリカがトップ、中国による猛追も目立つ

※ここで紹介する内容は、Thundermark Capitalにおいてマネージングパートナーを務めるGleb Chuvpilo氏のブログ記事『AI Research Rankings 2020: Can the United States Stay Ahead of China?』に基づいています。この研究結果は氏の見解が示されていることを理解したうえでご一読ください。

企業・研究機関ともにAIの世界シェアを席巻するアメリカ

同記事によると、AIの研究分野において、企業および大学などの研究機関ともに、アメリカが世界のトップシェアを誇っており、世界のAI研究をリードし続けています。また、アメリカに次いで世界ランク2位となっているのは中国です。

2017年の時点で、アメリカは中国に対して、11倍もの差をつけていました。2019年では7倍・2020年には6倍と、差は縮まっているものの、アルゴリズムとハードウェアの観点から、あと数年はアメリカがトップの座を保持できる可能性があると考えられています。

2020年版AI企業別ランキング

企業別でランキングを見てみると、次のような結果が出ています。

1位 Google
2位 Microsoft
3位 Facebook
4位 IBM
5位 華為(Huawei)

1位から4位はアメリカの企業ですが、5位に中国のHuaweiがランクインしています。2019年のランキングでは、1位から4位は2020年と同じであるものの、5位にAmazonがランクインしていました。この点からも、 中国企業の飛躍具合が分かります。

2020年版AI研究機関別ランキング

次に、研究機関別でランキングを見てみましょう。研究機関には大学と企業が含まれますが、大学のみに焦点を当てたランキングでは、次の結果となっています。

1位 スタンフォード大学
2位 MIT
3位 UCバークレー
4位 カーネギーメロン大学
5位 オックスフォード大学

また、企業も含めたランキングは、次のように変化します。

1位 Google
2位 スタンフォード大学
3位 MIT
4位 UCバークレー校
5位 カーネギーメロン大学

大学のみのランキングで5位に入っているオックスフォード大学以外は、全てアメリカの大学・企業が名を連ねています。

AI研究において台頭し始めた中国

上述したランキングに、中国が名を連ねるようになった要因は、2016年に起こったふたつの出来事が大きなきっかけでした。ひとつは、当時のオバマ大統領が発表した「人工知能の未来のための準備」という戦略でした。もうひとつが、Googleが開発したAI「Alpha Go」が、プロの囲碁棋士にハンディキャップなしで勝利を収めたことです。そして2017年、中国共産党により「新世代人工知能開発計画」と呼ばれるAI推進政策が進められ、国をあげた大規模なAI開発に踏み切ったことで、AI推進に拍車がかかったのです。

「公益」の名の下にアメリカに肉薄する中国のAI研究

先述したように、 アメリカはAIのアルゴリズムとハードウェアの分野では、今後数年はトップの座を維持すると予想されています。しかし、「訓練データの進化の相互作用」に関しては、中国が優位であると言われています。これは、データへアクセスする際に重視する点が、アメリカではプライバシー・中国では公益と、それぞれ異なるためです。

14億人の人口を有する中国は、公益という名のもとに、国民が持つ膨大なデータ(顔認証・WeChatの内容・健康記録など)を収集・分析したうえでの活用が可能です。この実情が、戦略的な優位性につながり、結果としてアメリカに肉薄しているのです。

米中のAI競争の行方は?

Gleb Chuvpilo氏の見解では、中国の目覚ましい飛躍により、アメリカが現在有している優位性を陥れかねないおそれがあると考えています。アメリカが、今以上に多額の資金を投じ、AI 分野の研究発展に力を入れるべきとの見解も示しています。

2021年以降のAIの世界シェアはどうなる?

ここからは、アメリカの市場調査会社であるIDCの調査・予測をもとにし、今後のAI分野における世界シェアの見込みを紹介します。

2021年以降5年間におけるAI市場の拡大予想

2021年8月4日に、IDCが発表した内容によると、2021年の世界AI市場は3,418億ドル(前年比15.2%増)でした。2022年は18.8%増、2024年には5,000億ドルを突破する勢いだと見込まれています。

3つの分野別で検証すると、 2020年はAIソフトウェア分野が市場全体の88%を占め、そのなかで最大シェアとなっているのはAIアプリケーションです。AIサービス分野とAIハードウェア分野は、市場に占める割合は小さいながらも、サービス分野の成長率は他の2分野よりも高い数値を記録しました。ハードウェア分野は、市場に占める割合が5%と少ないものの、今後5年間の成長率は年平均19.4%と予測され、大きな成長が見込まれています。

世界市場における「AIソフトウェア」と「AIサービス」分野の成長見込み

前述したように、「AIソフトウェア」分野は市場シェア率が最大となっています。そのなかでも、AIプラットフォームは、今後5年間の成長率が33.2%に達すると予測され、最も高い数値となります。反対に、最も低い成長率と見込まれているのは、「AIシステム・インフラストラクチャ・ソフトウェア」分野であり、5年間で14.4%とされています。

「AIサービス」分野では、2021年に、対前年比で19.3%増加すると見込まれています。今後5年間の成長率の推移では、年平均21%と予測されており、市場規模に換算すると500億ドルになると予想されます。

国内市場におけるAI導入率の現状と、今後の見通し

AI の世界シェアについて見てきましたが、 次は日本国内の市場におけるAI導入について、現状と今後の見通しを検証していきましょう。

国内のAI関連主要8市場の規模と成長予測

IT調査・コンサルティング会社である株式会社ITRは、AI関連主要市場を、次の8つに区分しています。

  • 機械学習プラットフォーム
  • 時系列データ分析
  • 検索・探索
  • 翻訳
  • テキスト・マイニング/ナレッジ活用
  • 音声合成
  • 音声認識
  • 画像認識

ITRの調査によると、市場全体の売上は、2020年度では513億3,000万円に達しています。これは、前年度に比べ19.9%の増加です。増加率が最も高かったのは、44.0%増の機械学習プラットフォーム分野ですが、全体的に高い成長率を記録しました。2025年度には、市場全体の売上が1200億円・年平均推移が18.7%に達する見込みです。

日本国内におけるAI導入率の現状

PwC Japanグループが発表した「2021年度AI予測(日本)」によると、日本国内で、広範囲もしくは一部の業務において、AIを導入している企業が増加しています。具体的な数値は次の通りです。

全社的に広範囲の業務にAIを導入 5%(2020)→16%(2021)
一部の業務でAIを導入 22%(2020)→27%(2021)

これとは別に、導入していない企業のうち、導入検討中としているのは36%から33%と、若干減少しています。

また、アデコが行った「AI(人工知能)導入に関する意識調査」 によると、 既に導入している企業が25.6%であるのに対し、導入しておらず3年以内に導入予定もないと回答した企業が28.1%との結果でした。コロナ禍で、AI導入の必要性自体は以前よりも浸透していますが、実際には導入できる企業とそうでない企業の差が浮き彫りになり、二極化が進んでいるのが、日本国内での現状です。

海外と比較して日本におけるAI導入率が低い理由

PwCが実施したアメリカの企業に対するAI導入動向の調査では、次の結果が出ています。

全社的に広範囲の業務にAIを導入 25%
一部の業務でAIを導入 33%
導入検討中 7%

この数値と比較すると、日本のAI導入率はいまだ低いと言えます。その理由として最も多く挙げられているのが、 AIスキルを持った人材の不足です。ただし、仮にスキルを持った人材がいても、スキルを活かせる環境が社内で構築されていない場合、他社に流出してしまう可能性もあります。そのため、 AIを導入した上で有効活用するための環境を、企業全体で整備する必要があります。

AI導入の需要そのものは決して低くはない

AI導入率は低いものの、日本における AI導入の需要は決して低くありません。上述したアデコの調査結果から分かる傾向として、日本が国際競争力を維持する目的や、利便性の向上を目指すために、AIの導入が必要と考えている企業が7割以上となっています。また諸外国に比べ、日本のAI導入が遅れていると考える企業が、68.0%を占めています。現場の実情は別として、AIの必要性を感じている企業は少なくないのです。

2020年版日本国内の企業・研究機関ランキングについて

先述した「2020年のAI研究ランキング」において、日本は第9位にランクインしています。このランキングとは別に、産業界と学会を併せたランキング・企業のみのランキングも発表されています。

前者のランキングでランクインしたのは、48位の理化学研究所と63位の東京大学のみです。後者では、NEC、NTT、三菱、Preferred Networks、日立、富士通、サイバーエージェント、ソニー、東芝の9社がランクインしています。

ただし、パブリケーションインデックスを比較すると、理化学研究所と東京大学を合わせた数値が、9社を合わせた数字を上回っているため、日本国内では学会での研究が優勢となっているのです。

国内におけるAI導入の事例を紹介

導入が遅れていると言われるAIですが、日本国内においてもニーズは確実に高まっており、身近な場面で実際に広く活用されています。自動車の自動運転は、国内の大手メーカーが導入を進め、一定条件下での自動運転が実現しています。

また、AIレジは、AIカメラが商品を認識する機能を持ち、金額が自動入力されるシステムです。海外出張が多いビジネスパーソンに欠かせない音声翻訳も、今後AIが音声データから機械学習を繰り返すことで、さらなる発展が期待されています。

その他にも、物流業界における検品・仕分け・倉庫管理・配送計画、金融業界の不正検知、不動産業界のAI査定など、AIの活用場面は広がり続けているのです。

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検討から導入、保守運用まで安心サポート!AIを事業活用するならTRYETING

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AIの専門知識がなくともすぐに活用できる「UMWELT」

UMWELTは、AIのアルゴリズムやシステムを動かす基盤です。ノーコードAIであるため、AIのスキルを持った人材がいなくとも、データがあれば必要なアルゴリズムを誰でも組み立てることができます。 クラウドを活用するためサーバーレスで、既存システムをそのまま活用可能です。

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ITインフラ構築にかかる工数を1/3以下に削減

サーバーレスであるうえ、アルゴリズムが備わっているため、ITのインフラ構築にかかる工数が、これまでの1/3以下に削減できます。マンパワーや設備投資も少なく、費用を1/6程度まで抑えられます。これにより、スピーディーな構築が可能となるのです。

まとめ

今回の記事で紹介したように、AI の世界シェアはアメリカと中国を筆頭に拡大し続けています。日本でも、今後拡大すると見込まれますが、企業の事情によってはAI導入に消極的になってしまうでしょう。

TRYETINGのサービスをご利用いただくと、マンパワーや予算などが限られていても、AI 導入が簡単に行えます。サービスの利用開始後も、保守・運用までサポートする体制を整えておりますので、安心してご利用いただけます。AIの導入を検討されている企業様は、まずはお気軽にお問い合わせください。

参照文献

AI Research Rankings 2020: Can the United States Stay Ahead of China?|Gleb Chuvpilo(2020)
https://chuvpilo.medium.com/ai-research-rankings-2020-can-the-united-states-stay-ahead-of-china-61cf14b1216

IDC Forecasts Companies to Spend Almost $342 Billion on AI Solutions in 2021|IDC(2021)
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS48127321

AI関連主要8市場規模推移|ITR(2021)

ITRがAI主要8市場規模推移および予測を発表

PwC Japanグループ2021年AI予測 日本|PwC Japan(2021)
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/2021-ai-predictions.html

管理職を対象にした、AI(人工知能)に関する意識調査|ADECO(2021)
https://www.adeccogroup.jp/pressroom/2021/0204

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