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データ分析はExcelでもできる?具体的な手順やデメリットを解説
目次
Excelには、統計分析に必要な機能が標準で備わっていることから、ビジネスに必要なデータ分析を試してみたいという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、Excelのツールを使ってできるデータ分析の種類から、やり方、デメリットまでを徹底解説します。データ分析におすすめのツールもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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データ分析はExcelでもできる
Excelは主に数値の入力や表を作成する際に使用しますが、実はデータ分析もできる便利なツールです。まずは、Excelの分析ツールの概要や、分析できる手法を解説します。実際にデータ分析を行う前に、基本情報を確認しておきましょう。
Excelの分析ツールとは
分析ツールは、Excelのアドイン機能のひとつです。特別な関数やコードは使用せず、クリックしたり簡単な入力をしたりするだけで、データ分析が簡単にできます。
データ分析には、高度な知識が必要と思われがちですが、Excelの分析ツールは高度な専門知識がなくても気軽に使用できる便利な機能です。
Excelでできる分析の種類
Excelのツールでは、以下のようなデータ分析ができます。
・分散分析
・相関
・共分散
・基本統計量
・指数平滑
・F検定
・フーリエ解析
・ヒストグラム
・移動平均
・乱数発生
・順位と百分位数
・回帰分析
・サンプリング
・t検定
・z検定
分析できる種類が豊富なので、ビジネスで活用したい基本の分析手法は、ある程度カバーできるといえるでしょう。
表やグラフでの出力も可能
Excelでは、分析結果を表やグラフで出力することも可能です。例えば、売り上げデータを分析した結果を棒グラフや折れ線グラフで可視化すれば、一目で傾向を把握できます。
また、ピボットテーブルを活用すれば、データをさまざまな角度から集計・分析が可能です。分析結果を基に、一から表やグラフを作成するのは手間がかかりますが、Excelを使用することで、負担を軽減できるでしょう。
データ分析をExcelで行う前に|初期設定の手順
Excelでデータ分析を行うには、まずデータ分析機能を有効化する必要があります。WindowsとMacでは手順が異なりますが、どちらもアドインの設定から分析ツールを選択することで利用可能です。それぞれの初期設定の手順を解説します。
Windowsの場合
Windowsでデータ分析機能を使うには、まず「ファイル」タブから「オプション」を選択します。次に、「アドイン」カテゴリーを選び、「分析ツール」にチェックを入れ、「OK」をクリックしましょう。これで、「データ」タブに「データ分析」が表示されます。
ただし、データ分析を行う前に、データが表形式で整理されていることを確認しましょう。列ごとにデータの種類が統一され、見出しがある状態が理想的です。
Macの場合
Macの場合は、「ツール」メニューから「Excelアドイン」を選択します。リストにある「分析ツール」にチェックを入れ、「OK」をクリックしましょう。これで、「データ」タブに「データ分析」が表示されます。
表示されない場合は、「参照」をクリックしてみましょう。Excelを一旦終了して、再起動する方法も有効です。
データ分析をExcelで行う方法
Excelを使ったデータ分析の具体的な手順を、基本統計量、移動平均、分散分析、ヒストグラム、相関、回帰分析の6つの分析方法に分けて解説します。各分析の目的や、分析結果の見方、ビジネスでの活用方法についても触れるので、参考にしてみてください。
基本統計量
基本統計量は、「最大値」「平均値」「最小値」といったデータの特徴を把握するために必要な値です。分析の手順は以下の通りです。
1.データを開いて「データ」タブの「データ分析」を選ぶ
2.「基本統計量」を選択し「OK」をクリックする
3.「入力範囲」に該当する範囲を入力する
4. 出力先を選ぶ
5. 「統計情報」を選択する
6. その他必要な項目を入力する
7.「OK」をクリックする
基本統計量では、データの全体像を把握できます。さまざまなデータ分析をする場合の、基本となるデータです。
移動平均
移動平均は、期間を一定区間ずらしながら平均を求める分析です。分析の手順は以下の通りです。
1.データを開いて「データ」タブの「データ分析」を選ぶ
2.「移動平均」を選択し「OK」をクリックする
3.「入力範囲」に該当する範囲を入力する
4.「区間」に移動平均の区間を入力する
5.出力先を選択する
6.グラフを作成する場合は「グラフ作成」をチェックする
7.「OK」をクリックする
移動平均を求めることで、値の推移の傾向が把握できます。季節変動の把握や直近の売り上げ傾向を知りたいときなどに役立つデータです。
移動平均では、期間が短すぎるとノイズの影響を受けやすくなり、長すぎると重要な変化を見逃す可能性があるため期間を適切に設定することが重要といえます。
分散分析
分散分析は、複数のグループ間の平均値に差があるかどうかを検定する手法です。Excelでできる分散分析は3種類ありますが、ここでは一元位置の求め方を紹介します。
1.データを開いて「データ」タブの「データ分析」を選ぶ
2.「分散分析:一元配置」を選択し「OK」をクリックする
3.「入力範囲」に該当する範囲を入力する
4. 出力先を選択する
5. その他必要な項目を入力する
6.「OK」をクリックする
分散分析では、複数の平均を比較することで、有意差の有無を把握できます。例えば、複数の店舗の売り上げデータがあるとき、分散分析を使うことで店舗間の売り上げに有意な差があるかを調べられるのです。
分散分析の結果、p値が0.05以下なら、店舗間の売り上げに統計的な差があるといえるでしょう。
ヒストグラム
ヒストグラムは、データの分布を視覚的に表現するグラフです。作成手順は以下の通りです。
1.データを開いて「データ」タブの「データ分析」を選ぶ
2.「ヒストグラム」を選択し「OK」をクリックする
3.「入力範囲」に該当する範囲を入力する
4.「データ区間」にあらかじめ設定しておいた区間を入力する
5.出力先を選択する
6.「グラフ作成」をチェックする
7.「OK」をクリックする
ヒストグラムでは、値が密集している層を把握できます。価格帯ごとの販売数を把握したい場合や、顧客年齢の属性などの分析などに有効です。Excelのデータ分析機能を使ってヒストグラムを作成する場合は、事前にデータ区間の最大値を決め、空いているセルに列記しておきましょう。
相関
相関分析は、対象となる2つの要素がどの程度同じような振る舞いをするのか、という観点で分析する手法です。例えば、気候と来客数の関係性や、気温と商品の売り上げなどを調べるときに利用できます。分析手順は以下の通りです。
1.データを開いて「データ」タブの「データ分析」を選ぶ
2.「相関」を選択し「OK」をクリックする
3.「入力範囲」に該当する範囲を入力する
4. 出力先を選択する
5. その他必要な項目を入力する
6.「OK」をクリックする
相関係数は-1から1の間の値をとり、1に近いほど正の相関、-1に近いほど負の相関があることを示します。
回帰分析
回帰分析は、変数間の関係性を数式で表現する手法です。目的となる変数に対して予測される変数がどの程度影響を与えるのかを明らかにできます。分析手順は以下の通りです。
1.データを開いて「データ」タブの「データ分析」を選ぶ
2.「回帰分析」を選択し「OK」をクリックする
3.「入力Y範囲」に目的となる変数の範囲を入力する
4.「入力X範囲」に予測される変数の範囲を入力する
5. 出力先を選択する
6. その他必要な項目を入力する
7.「OK」をクリックする
目的となる変数は導き出したい結果のことで、予測される変数は結果に伴う原因を表します。勉強時間と試験の合格率の関係性や、売り上げに影響を与える要因などを調べる際に有効です。
Excelでのデータ分析にはデメリットもある
Excelを使ったデータ分析は手軽で便利ですが、注意点もあります。より効率よくデータ分析を行えるよう、事前に把握しておきましょう。ここでは、Excelでのデータ分析における主なデメリットについて解説します。
大量のデータ処理に適していない
Excelでの大量データ処理は、パフォーマンスの面で限界があります。数万行を超えるようなデータを扱う場合、処理速度が大幅に低下し、フリーズしてしまうこともあるでしょう。また、Excelのデータ容量には制限があり、それ以上のデータは扱えません。
データ集約・統合に手間がかかる
データの集約や統合にも、Excelには課題があります。例えば、複数の部署から集めた売り上げデータをひとつのファイルにまとめる際、フォーマットが統一されていないと、手作業での修正が必要です。手作業は時間や手間がかかるだけでなく、ミスが発生しやすいデメリットもあります。
データの改変が容易にできる
データの改変が容易にできてしまうのも、Excelでのデータ分析における大きな問題点です。誤って数値を上書きしてしまったり、意図的に不正な操作を行ったりと、データの信頼性を損なうリスクが常につきまといます。
特に、重要な意思決定に使用するデータであれば、その影響は甚大といえるでしょう。
他ツールとの連携が難しい
他ツールとの連携が難しいのも、Excelでのデータ分析における課題のひとつです。さまざまな分析を行う上で、Excel以外のツールに保存しているデータを使用する場面もあるでしょう。しかし、他ツールの分析を行うためには、必要なデータを取り出して貼り付けるなどの手間がかかります。
データ分析は専用ツールの活用がおすすめ
Excelでのデータ分析は手軽にできる反面、さまざまな課題もあります。データ分析を効率的に実施したいなら、専用ツールの活用がおすすめです。ここでは、専用ツールを使う主なメリットを3つ紹介します。
散らばっているデータを集約できる
専用ツールでは他システムのデータも集約できるため、データの一元化が可能です。Excelでは、他システムのデータをCSVなどで出力し、再度取り込む作業が必要でした。
しかし、専用ツールではAPI連携などで他システム連携が可能なため、データを専用ツールに集約できます。データが一元化されるため、集約する手間が減るだけではなく、管理も楽になるでしょう。
データ分析にかかる時間を短縮できる
専用ツールは、標準でさまざまな分析手法に対応しているため、データ分析にかかる時間を短縮できます。関数の組み合わせや分析ツールを活用しなくても、既にさまざまな分析手法が提供されているため、作成にかける時間を大幅に短縮可能です。
AIを活用できる
専用ツールは、AIを活用した分析も可能です。AIを活用することにより、人間が行っていた作業が不要になるため、他の業務に時間を割けます。さらに、データに基づいた分析手法であるため、人間が実施するよりも高精度な分析が実現可能です。
データ分析を効率化できるTRYETINGの「UMWELT」
Excelを使ったデータ分析は手軽に始められる一方で、大量のデータ処理や他ツールとの連携などに課題があります。そこで、データ分析をより効率的に行うためのツールとして、TRYETINGの「UMWELT」をご紹介します。
UMWELTは、AIアルゴリズムの提供やRPAによるExcelとの連携など、データ分析を強力にサポートします。
データ分析用のAIアルゴリズムを提供
UMWELTでは、データ分析に活用できるAIアルゴリズムを多数提供しています。さらに、これらのアルゴリズムはノーコードでスムーズに実装できるため、プログラミング知識が不要でAIを実装できるのです。
RPAを標準搭載していてExcelとスムーズに連携可能
UMWELTは、RPAを標準搭載しています。RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略で、人間が行う定型的な作業を自動化するソフトウェアのことです。UMWELTは、このRPAを使ってExcelとスムーズに連携できます。
例えば、Excelに蓄積されたデータをUMWELTに自動で取り込んだり、UMWELTでの分析結果をExcelに出力したりといった作業が可能です。これにより、データ分析の効率化とスピードアップが図れるでしょう。
既存のBIツールに接続してAIを実装可能
既存のBIツールとの連携も、UMWELTの魅力のひとつです。既にBIツールを導入している場合でも、API経由で連携してAIを実装できます。従って、UMWELTを導入しても他システムの変更が不要なため、手間やコストを大幅に削減できるでしょう。
まとめ
データ分析は、Excelのアドイン機能を活用することで実現できます。しかし、Excel運用によるデメリットが大きいため、本格的なデータ分析には専用のツールがおすすめです。
UMWELTは、ノーコードでAIによるデータ分析を可能としており、データ分析に役立つアルゴリズムを多数提供しています。AIを活用したデータ分析を実施したい企業様は、UMWELTの導入をぜひご検討ください。
参照文献
統計学の基礎から学ぶ Excelデータ分析の全知識|三好大悟、インプレス(2021)
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