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【2021年末版】AIの最新情報をお届け!日本・世界のAI事情をチェック
目次
2021年、国内外のテック企業からはAIに関する報告やリリースが頻発し、AI市場の飛躍の年になりました。本記事では、2021年末時点での日本および世界のAI最新ニュースを解説しています。最新のAI情報をいち早く知るための参考になれば幸いです。
▼更にAIについて詳しく知るには?
AI(人工知能)とは?導入するメリットと活用例やおすすめのツールを紹介
▼社内のデータをAI化するには?
ノーコードAIツールUMWELT紹介ページ(活用事例あり)
近年のAI動向
近年、日本のビジネスシーンにおいて、人材不足を背景にAI需要が急速に高まっています。AIを導入することで業務の効率化を図り、人材不足を解消しようという狙いがあります。一方で、AIの本質を理解してDXを進められる人材はまだ少ないのが現状です。ここでは、こうした日本のAI動向の背景を探りながら、AI導入に関する今後の課題を考えていきます。
人手不足によりAI需要が増加
株式会社帝国データバンクが2021年10月に実施した調査によると、正社員が不足している企業は43.8%にも上ります。29.1%であった2020年5月時点と比較して、およそ10ポイントも増加した計算です。こうした深刻な人材不足を解消するために、導入が進んでいるのがAI技術によるDXです。
業務の効率化が求められている
AIを導入することで、データ入力や問い合わせ対応といった定型業務や製造業における生産管理システムの自動化が実現します。その結果、従業員が行う業務量が減って、業務の効率化が果たされるのです。人材不足が進む企業においては、こうしたAI活用を業務効率化につなげたいという狙いがあります。
AI/IT人材の育成が急務
総務省が公表した「令和3年度情報通信白書」によると、日本企業においてDXを進めるうえでの課題の第1位は53.1%で「人材不足」です。AI需要が増加している一方で、AI・ITに精通した人材が不足している問題が顕著になっています。今後のビジネスシーンにおいては、AI活用によって人材不足を解消すべく、AIを深く理解した人材の育成に力を入れることが重要となります。
AIに関する日本の最新ニュース
AI需要が高まるにつれて、AIを活用したビジネスモデルを実施する企業は年々増加しています。AIを導入している企業にはどのような狙いがあるのか、また具体的な実施内容はどのようなものなのでしょうか。まずは、AIに関する日本企業の最新ニュースやAI導入事例をみていきます。
西武鉄道:踏切内の人を検知するシステムを導入
西武鉄道株式会社は、AI監視システムの導入試験を2021年11月18日に一部の踏切で開始しました。リアルタイムで撮影した映像をAIが解析し、車両や人物の踏切内への滞留が認められると走行中の電車に通知されるシステムです。このシステム導入の狙いには、複数のAIアルゴリズムによって検知機能を向上させて、踏切の安全性を高める点があります。
キリンビール:醸造計画立案にAIを導入
キリンビール株式会社は、ビール類の醸造計画の立案にAIを活用する取り組みを、2021年10月時点で全9工場において行っています。醸造計画の立案は、非常に多くの条件を考慮しつつ熟練者の知識に頼る作業であるため、技術の引継ぎが困難とされてきました。
こうした技術を伝承するために、同社はNTTデータと「制約プログラミング技術」を開発し、熟練者の知識を顕在化させることに成功しました。この技術をAIに活用することで、同社では年間合計4000時間以上の時間の創出を見込んでいます。
ニトリHD:DX推進で業務時間を年間4万6,000時間削減へ
株式会社ニトリHDは、株式会社コンカーが提供する経費精算・管理クラウド「Concur Expense」を2021年11月から導入しました。この導入の狙いは、経費の申請・承認作業のロケーションフリー化や規程チェックの自動化による業務負担の軽減です。
2022年2月にはグループ会社の株式会社島忠へ、その後は海外のグループ会社への同システムの導入を予定していて、最終的に年間4万6,000時間もの労働時間を削減できる見込みです。
Datumix株式会社:AIによるDX物流で人には困難な自動倉庫を最適化
物流DXを手がけるDatumix株式会社は、トーヨカネツ株式会社との共同開発の下、2021年11月9日に「AIアルゴリズム」技術の権利を取得しました。この技術は、AIによる時間予測を基に出庫作業の効率化を図るものです。
通販ビジネスが拡大するにつれて物流倉庫の規模は大きくなり、人の手だけでは出庫作業の最適化が実現困難となっています。しかし、この技術を出庫作業に活用すれば、従来と比較して約20%もの時間を削減できます。
株式会社IBJ:AIが好みに近い顔の相手を推薦する
「日本結婚相談所連盟」を運営する株式会社IBJは、AIマッチング機能を2021年11月16日にリニューアルしました。同社が提供しているAI機能は、活動履歴に基づいて相性が良さそうな相手を提案する「AI history」と、好きな顔のタイプを学習する「AI looks」の2種類です。今回のリニューアルでは、「AI looks」における顔タイプを数値化する技術が導入されました。
この技術では、7万人を超える会員の顔データについて、輪郭やパーツの位置・大きさといったさまざまな要素に基づき数値化を行います。プロフィールの閲覧履歴を基に、好みの顔タイプを持つ会員をおすすめするため、提案パターンの多様化やマッチング率の向上が期待されます。
沖電気工業株式会社:オンラインでAIコンテストイベントを開催
沖電気工業株式会社は、「AIエッジ・カンファレンス&ソリューションコンテスト2021」を2021年12月15日に開催しました。このコンテストでは、同社開発のAIコンピュータを活用したソリューションが披露されます。
また、このコンテストの第一位から第三位の受賞者へ、合計で賞金350万円が贈呈されました。2021年のコンテストでは、人の視線を可視化する『視線シミュレーションAI』を開発した株式会社ウサギィが第一位に輝きました。
パナソニック:エッジAI搭載の小型ネットワークカメラを発表
パナソニックi-PROセンシングソリューションズ株式会社は、AIプロセッサを搭載した小型ネットワークカメラを2021年12月1日に公表しました。同製品は無線LANモデルと有線LANモデルの2種類があり、2022年2月に発売予定です。同製品は名刺よりも一回りひと小さいサイズ感で、業界でも最小の大きさです。また、セキュリティアプリや混雑検知機能といった多彩なアプリケーションを搭載しています。
AIに関する世界の最新ニュース
ここまで、日本企業における2021年のAI最新ニュースを見てきましたが、ここからは世界のAI最新事情を紹介していきます。
人気プログラム言語「Python」が2か月連続で1位に
TIOBE Softwareは、2021年の10月と11月の2か月連続で「Python」が人気プログラミング言語の第一位になった旨を公表しました。従来では、第1位はC言語かJavaとなっていましたが、今回はこれらのプログラミング言語を押しのけて「Python」がトップに輝きました。
「Python」が第一位となった理由について、TIOBEは「学習のしやすさや膨大な量のライブラリ、あらゆる領域での普及」を挙げています。Pythonにおけるビックデータ分析のしやすさが重視されていることは、AIを活用したサービスの開発が盛んになっている証拠と言えそうです。
Meta:Facebookの顔認識機能の廃止を発表
SNSサービスのFacebookを提供するMeta社は、AIによる顔認識を活用した本人認証の機能を廃止すると2021年11月2日に公表しました。
この機能を巡っては、イリノイ州の生体情報プライバシー法に違反しているとして2018年に集団訴訟が起こされています。2018年2月に和解に至ったものの、Facebookは6億5000万ドルの和解金支払いを命じられました。今後のAI活用による顔認証システムにおいては、利便性と同様に個人のプライバシーへの配慮が求められると言えます。
IBM:環境インテリジェンスアプリケーションスイートを発表
IBMは気候変動に関するアプリケーションスイート「Environmental Intelligence Suite」を2021年10月に発表しました。同アプリでは、AIを活用して地球環境の変動に関する予測を行います。AI技術自体は目新しいものではありませんが、AIを環境予測に応用することで、企業が天候や気候変動によるリスクを算定するのに役立つと期待が寄せられています。
NVIDIA:車やロボット搭載用の新型コンピュータを発表
NVIDIAは、車やロボットへの搭載を想定した新型AIコンピューターの「Jetson AGX Orin」を発表しました。
同社の従来品と比較して処理性能が6倍に向上し、新たに自然言語処理や3D認識、マルチセンサーヒュージョンといった多彩な機能を搭載しています。また、車載用AIコンピュータとしては、車内の乗客体験や安全性の向上、自動運転の実現が期待されます。
最新のAI情報をいち早く知るには?
AIに関する知識や技術は日々進化していて、AIの最新の動向を把握するのは簡単ではありません。最新のAI事情をいち早く知るためには、受身の姿勢でいるのではなく、イベントへの参加やメディアのチェックといった行動を能動的に起こすことが重要です。それでは、最新のAI情報を把握する方法の具体例を紹介します。
AI関連のイベントに参加する
AI関連の製品やサービスを提供する企業は、「AI・人工知能EXPO」や「AI・業務自動化展」といったイベントに出展しています。こういったイベントには、全国各地から何百ものAI関連企業が集い、自社のAI製品を展示・説明しています。最新のAI技術や製品について開発元の説明を聞くことができて、最新のAI事情を把握する絶好の機会となります。
AIを扱うメディアをチェックする
AIに関する最新ニュースや他社の事例を紹介するメディアをチェックすることも、AIの最新事情を把握するのにおすすめです。例えば、「Ledge.ai」や「AINOW」では、AIに携わる人へのインタビュー記事やAI技術の解説記事が掲載されています。こうしたメディアを仕事や通勤の合間にチェックするだけで、最新のAI事情に触れることができます。
UMWELTならAIを手軽に業務に導入できる
ここまでの流れで、AI導入がいかにビジネスシーンにおいて重要視されているかはご理解頂けたと思います。
TRYETINGのUMWELTは、プログラミング不要でAIシステムを導入できるノーコードDXクラウドです。AI人材が社内にいなくとも、レゴブロックを組み合わせるようにダッシュボード上でAIアルゴリズムを構築できます。
需要予測や在庫管理、データ分析といった多彩な機能を有し、小売業から製造業、物流業まで幅広い業界でお使いいただけます。また、AIシステムの平均導入コストの10分の1の価格、平均導入スピードの4分の1の速さ(当社調べ)で、低価格かつ高速に導入できるメリットがあり、既存のお客様からもご評価頂いています。
まとめ
人材不足によりAIの導入が進む昨今のビジネスシーンにおいては、他社の事例や国内・国外ニュースといった最新のAI事情の理解が重要です。そのためには、AI関連のイベントに参加する、あるいはAIを扱うメディアをチェックするといった方法がおすすめですが、AIシステムを提供する企業に相談してみるのも一つの手です。
TRYETINGでは、御社の事業内容や業務課題に応じたAIソリューションを提供可能です。まずは、導入期間やコストについて一度弊社にお気軽にお問い合わせください。
参考文献
人手不足に対する企業の動向調査|帝国データバンク(2021)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p211105.html令和3年版情報通信白書|総務省(2021)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/summary/summary01.pdfAI や3D画像解析を用いた検知システムを開発|西武鉄道(2021)
https://www.seiburailway.jp/news/news-release/2021/20211118_fumikiri_system.pdfAIを活用した仕込・酵母計画システムをキリンビール全9工場で試験運用開始|キリンホールディングス(2021)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000255.000073077.htmlニトリホールディングス、DXによる利便性向上とガバナンス強化のため、コンカーの経費精算・管理クラウド「Concur Expense」を採用|Concur Expense(2021)
https://www.concur.co.jp/newsroom/article/pr-nitoriデジタルツイン×AI で物流DXを推進するスタートアップが、出庫時間を20%短縮する「AIアルゴリズム」の特許を取得|Datumix(2021)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000041816.html婚活のIBJ、AI(人工知能)が『顔がタイプ』のお相手を提案。条件検索だけでは分からない、好みの容姿を学習する『AI looks』をリニューアル!|IBJ(2021)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000521.000007950.htmlAIエッジ・カンファレンス&ソリューションコンテスト|沖電気工業(2021)
https://oki-contest2021-ledge.com/AIプロセッサー搭載、業界最小クラスのネットワークカメラ「i-PRO mini」を発表|パナソニックi-PROセンシングソリューションズ(2021)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000075890.htmlPython Programming Language of the Year 2021|TOIBE
https://www.tiobe.com/tiobe-index/An Update On Our Use of Face Recognition|Meta(2021)
IBM、AIを活用した環境インテリジェンスのためのソフトウェア・スイートを発表|IBM(2021)
https://jp.newsroom.ibm.com/2021-10-15-IBM-announces-software-suite-for-AI-powered-environmental-intelligenceNVIDIA、新しい Jetson AGX Orin ロボティクス コンピューターでエッジ AI と自律動作マシンの未来を切り拓く|NVIDIA(2021)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000244.000012662.html
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