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機械学習向けのデータセットの作り方とは?手順や注意点を解説

機械学習向けのデータセットの作り方とは?手順や注意点を解説

コンピューターが人間と同じような学習能力を持つためには、データを読み込んで学ばせる「機械学習」を行う必要があります。この際、用いられるデータのまとまりを「データセット」と言いますが、製作手順や注意点をあらかじめ理解しておくことが重要です。今回の記事でデータセットの作り方を詳しく解説しますので、データの活用に役立ててください。

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機械学習に必要なデータセットとは


あらゆる機械学習において、企業独自のデータを築き上げるためには、データセットの活用が必要不可欠となっています。データセットの質や量によって、学習結果が変わってくるため、データの内容は大変重要です。最初に、データセットの仕組みについて確認しましょう。

データセットは「データの集合体」

データセットとは、プログラムを処理するために必要なデータの集合体をさします。機械学習に必要なデータを、ビッグデータなどから無作為に選び、データセットとして集めると、プログラムによって処理できるようになります。

機械学習のためのデータは、 自動的に入力されるわけではなく、多くの場合、手作業で入力を行っていることが現状です。このため、データ量によっては、人手や時間が多くかかることもあります。

機械学習におけるデータセットの重要性

機械学習を行う際、コンピューターが幅広く学習する必要があり、目的に応じた幅広いデータが求められます。さらに、データの質や量によって、学習結果の精密度も変わってきます。 このため、データセットの質を重視しなくてはなりません。

また、データセットの中で「ネガティブサンプル」も活用する必要があります。 ネガティブサンプルとは、対象物と対象物以外を明確に検出できるようにするサンプルをさします。 例をあげると、次のような機能を取得させるために用いられます。

  • 顔認証に向けたデータセットで、人物と人物以外の画像を区別する
  • 自動車の走行画面の中で、歩行者と歩行者以外の建築物(郵便ポスト・横断歩道・看板・ガードレールなど)を区別する

データセットの種類


先ほど紹介したように、データセットの質を上げるためには、目的に応じたデータを集めなくてはいけません。たとえば、画像データは画像解析、音声データは音声解析に使うといった目的です。機械学習では、主に次の3つのデータセットが活用されます。

trainデータセット

機械学習で使われる最初のデータセットです。全体の半数以上の規模を占めており、モデル学習(重みの更新)は、このtrainデータセットのみを基にして行います。trainデータセットを活用し、分類器を訓練します。そして、次の工程となるvalidationデータセットで、さらに分類器をチューニングしていくのです。

validationデータセット

validationデータセットでは、モデル学習は行いません。 trainデータセットで訓練したデータの中から、パフォーマンスが優れているものを選びあげます。さらに、分類器のハイパーパラメータのチューニングや、Early Stoppingの性能を用いて学習を打ち切る判断を行います。

testデータセット

上記2つのデータセットと異なり、学習は一切行いません。データの精度を検証する場面でのみ用いる仕組みです。validationデータセットを使ってテストを行うと、本来の数値と異なる数値が出てしまいます。testデータセットを用意することで、正当な精度検証ができるようになるのです。testデータセットを使用した後には、分類器をチューニングしないように気をつけましょう。

機械学習用画像データセットの作り方と流れ


機械学習で用いられる画像データセットは、的確な画像判別をする上で重要な要素です。スムーズな機械学習を行うために、データセットの作り方や流れを、順を追って詳しく説明します。

1.モデルの課題を明確化する

最初に、機械学習の導入により何を目的としたいのか・解決すべき問題は何かなど、モデルの課題を明確化させましょう。たとえば、特定の業務を自動化し業務の効率化を図る・商品仕入れを円滑にするため製品需要を予測する、などが考えられます。大まかな課題だけでは、的確なデータセットの作成は困難です。課題を明確にすることで、プロジェクトの方向性が定めやすくなります。

2.画像データの収集

課題が明確となった後、課題を達成させるための画像データを収集します。機械学習の質と量を向上させるためには、画像データの質も大変重要です。 この時、データの量が足りないと、「オーバーフィッティング」と呼ばれる現象が起きる場合があります。新たなデータを予測できないモデルができてしまうため、少しずつデータ量を増やして行かなくてはなりません。

3.アノテーションを付与

データの収集後には、学習すべき教師データとなるアノテーションを付与していきます。アノテーションとは、たとえばデータの中に含まれる人物の顔を見て、誰かを識別するために必要な機能です。

画像データの利用には、著作権が気になるところですが、AI開発の目的で利用する場合は、一定条件のもとで著作物の利用が可能とされています。データのルールやパターンを精密に覚えるための手法として、アノテーションを行います。

高品質なデータセットを活用するメリット


データセットの活用において、高品質なデータセットを利用すると、さまざまなメリットが得られます。機械学習そのものの質をあげるためにも、メリットを詳しく見ていきましょう。

データセットは量と質のどちらも大切

正解データのパターンやルールを学習する「教師あり学習」は、AI学習データの量と質どちらも十分に満たされてこそ、初めて予測および分析の精度が向上できるようになります。AI学習データの性能は、データセットの量と質に直結するため、高精度の予測や分析の実現には欠かせない条件です。

アノテーションのノウハウを得られる

近年ではアノテーションの需要が高まっている傾向が見られ、データセットの活用によりアノテーションのノウハウが得られるようになります。ビッグデータ関連のサービスや AI関連の市場でアノテーションの活用が進むことで、質の向上も見込めるのです。そのため、アノテーションのノウハウを得られると、データセットを活用する幅も広げられます。

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データセットを作る際の注意点


機械学習に向けたデータセットを作るには、いくつか注意点があります。データ作成をできるだけ効率的に進めるため、次に解説する注意点に気をつけて行いましょう。

csvファイルで作成する

データセットの作成には、Excelを使うことが少なくありません。エクセルのファイルを保存するときのファイル形式はxlsx形式ですが、その後データ解析や機械学習を行う際に、xlsx形式では扱いにくくなってしまいます。確認や修正などの作業をスムーズに行うために、csvファイルで作成するようにしましょう。ファイル内容の確認や文字の置き換えが、簡単にできます。

ファイル名のルールを決める

データ作成が進むにつれ、ファイルの数も徐々に増えていくものです。ファイル名に一定のルールがなく、やみくもにファイル名を付けてしまうと、データの抽出が複雑になってしまいます。データを管理しやすくするために、ファイル名のルールをあらかじめ決めておきましょう。こうすると、データ抽出にかかる時間を短縮できます。

変数の名前のルールを決める

変数の名前の付け方にもルールが定められており、ルールに従わない場合、計算エラーが起こるおそれがあります。できるだけ、変数の名前とデータセット名のどちらとも、ルールに従って名前を決めましょう。ルールはいくつかありますが、できるだけ内容が分かる名前にすることがポイントです。

セルの統合機能に注意

エクセルの機能の一つにセルの統合機能があり、使っている方も多いかと思います。ただし、データセットをまとめるときにこの統合機能を使ってしまうと、データの読み込みができなくなってしまいます。このため、どのセルにおいても統合せず、そのまま入力するようにしましょう。

空のセルの意味を統一する

データセットを入力していくと、何も入力していない空白のセルが発生するかと思います。このこと自体は問題ありませんが、空白となっているセルの項目が、測定を行っていないのか、それとも測定した結果がゼロだったのか、どちらを意味するのかを統一しなくてはいけません。空白のセルには、意味をひとつだけ含めるようにしましょう。

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まとめ

機械学習に利用するためのデータセットの作り方を解説してきました。質や量を重視したデータを使い、流れに沿って作成していくと、貴社独自のデータセットができあがり、機械学習の活用につながります。貴社の経営課題を明確にし、解決するためのデータセットを作り上げるために、弊社がご提供する「UMWELT」の導入をぜひご検討ください。

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