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AIの仕組みとは?歴史や特徴・機械学習方法を知ってビジネスに生かそう
目次
近年では、様々なサービスやビジネスにおいて機械に人工知能(AI)を活用した業務効率化の取り組みが行われています。これまでスマートフォン、Google検索などAIの技術は生活、ビジネスのシーンなどで数多く活用されていますが、実際に業務での関わりがなければ、AIの活用方法や仕組みについてピンとこない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、AIのビジネス活用方法、仕組みや導入の仕方を分かりやすく解説して行きます。ビジネスや仕事にAIを導入、利用したいと考えている方はぜひ参考にしてください。
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ノーコードAIツールUMWELT紹介ページ(活用事例あり)
AIとはどのような仕組みなのか?
AIは私たちの日常の身近な商品、サービスに数多く組み込まれています。たとえばインターネットの検索エンジン、Googleの音声検索や音声入力機能などに利活用されています。近年では、人工知能(AI)を搭載した人型ロボット「Pepper(ペッパー)」などの実用例も挙げられます。では、さまざまな分野で利用されているAIとは、どのような仕組みなのでしょうか?AIの仕組みについて、以下で解説します。
人工的な知能システム
AIの正式名称は「Artificial Intelligence」であり、AIはこの言葉の略をあらわしています。AIとは、「考える」という目に見えない活動を対象とする研究分野をあらわしています。研究分野においてAIの正確な定義は異なっているため、ロボットのような形態、もしくは人工的にコンピュータなどで人間のような知能をもって作業や判断などのシステムを行うものなど、特定の定義はありません。
AIの専門家や研究者の間においても、AIの定義は統一されていないのです。AIの研究領域においては、機械学習、ディープラーニングなどの基礎分野と、画像認識や音声認識、自然言語処理といった応用分野があり、それぞれ独立したフィールドを構成しています。
AIで可能になったこと
AIは、計算や分析などコンピューター上の作業などルーティン作業を最も得意としています。AIの導入により、これまで人の手で行っていた作業をロボットやAIに代替することができるようになりました。さらに、AIは画像や動画から言葉や人、物を認識する画像認証を可能としています。
AIによる画像認証、画像処理技術技術は、スマホの顔認証、Googleの検索システムなどに使用されています。他には人間の声の認識、テキストへの書き出し、話す内容に反応する音声処理、人が日常的に使う言語を理解と処理を行う言語処理なども行うことができます。
AIブームの歴史と仕組みの特性
AIの研究は1950年代から続いているものの、その技術が構築されるまでの過程においてはいくつかのAIブームと冬の時代が交互に訪れてきたとされています。なお、現在は第三次のブームとして再び脚光を浴びています。これまでのAIの歴史を振り返るために、仕組みや技術が構築されるまでの過程について解説していきます。
現在までのAIブーム
AIのブームは、これまで第一次AIブームから第三次AIブームまで、過去3回訪れています。それぞれのブームにおける特徴は、以下の通りとなります。
- 「推論」と「探索」の第一次AIブーム
- コンピューターが認識できる知識を与えるエキスパートシステムの第ニ次AIブーム
- 大量のデータから知識を獲得する「機械学習」と、特徴量を自動で見つける「ディープラーニング」の第三次AIブーム
第一次AIブームは、1950年代後半~1960年代に起きました。コンピューターによる推論、探索が可能となり、特定の問題に対して解を提示できるようになりました。とくに、冷戦下の米国では自然言語処理による機械翻訳に注目が集まりました。しかし、この頃のAIでは単純な仮説の問題を扱うことはできても、様々な要因が絡み合っているような複雑な課題には対応できないことが明確となり、一転して冬の時代を迎えることになります。
第二次AIブームは1980年代に訪れ、コンピューターが認識できる知識を与えることで多数のエキスパートシステムが生み出されるようになりました。ただし、世にある情報をコンピューターが理解できるように記述して用意することはまだ困難であったため、実際に活用可能な知識量には特定の領域の情報などに限定するなどの限界があり、1995年頃から再び冬の時代を迎えることとなります。
第三次AIブームは、2000年代から現在までもなお続いています。現在の AIでは、大量のデータを用いることでAI自身が知識を獲得する「機械学習」が実用化されるようになり、さらにAIが自ら習得するディープラーニングが登場し、ブームに火がつくようになりました。
AIはこれまで医療・交通・物流・災害対策など様々な分野において利活用され、私たちの生活を支えています。さらにパソコンやスマートフォン、インターネットの普及もあり、社会の至る所にAIが浸透してきてきたことが、これまでのブームと大きく異なる点と言えるでしょう。
自律性と適応性
一般的に、AIには「自律性」と「適応性」という2つの特徴が備わっています。それぞれの特徴は、以下の通りとなります。
- 自律性=人間による指示がなくても作業タスクを自動で実行する。
- 適応性=経験からAIが学習することで能力(パフォーマンス)を向上させる。
自律性は既に現在のロボットなどにも備わっていますが、2つめの「適応性」はまだ実現に至っていません。
タイプの違い
AIには使用目的、機能によって特定の作業を行う特化型AIと、様々な作業を行える汎用型AIの2タイプに分類されます。特化型AIは「弱いAI」、汎用型AIは「強いAI」と呼ばれることもあります。個別の領域に特化して能力を発揮するAIを「特化型AI」と呼び、自動運転システム、画像認識、将棋やチェス・囲碁、音声や文章の言葉を認識する際に活用されます。現在存在している一般的なAIは、どれも特化型となります。
また、異なる領域で多様な問題を解決するAIを「汎用型AI」と呼びます。汎用型AIでは、1つのシステムで自律的にさまざまな知的作業をこなすことができるようになると言われています。しかし、まだまだ可能にするには数多くの課題が残されたままであるため、実現には至っていません。
いずれも自律性については備わっていますが、適応性については強いAIに軍配が上がります。弱いAIは自意識を持たないため、あくまで人間の持つ力を模倣するのみとなりますが、人間よりも正確に作業をする能力に長けています。
ディープラーニングとは?機械学習との違い
AIに学習させる仕組みには、機械学習(マシンラーニング) 、深層学習(ディープラーニング) の2つの種類から構成されています。AIが学習させるため、または判断するための仕組みについて紹介していきます。
AIが判断するための仕組み
ディープラーニングとは、入力層、出力層、隠れ層から構成される多層ニューラルネットワークを用いた学習方法のことをあらわします。ニューラルネットワークとは、人間の脳内にあるニューロンの仕組みをベースにコンピュータ上で表現するために作られた数式的なモデルです。
ニューラルネットワークでは入力層、隠れ層、出力層で情報の表現を行いますが、単純な情報しか処理できないため、情報の複雑さに対応するように「層」の数を増やしたものがディープランニングとなります。ディープラーニングは、ニューラルネットワーク特有の課題を「多層(ディープ)化」するといった工夫で解決するため、ディープラーニングと呼ばれています。
ディープランニングでは、大量のデータから特徴を自動的に取り出し、音声や画像の特徴を判定する技術である音声認識や画像認証、または、GoogleやYahooのブラウザー検索・自動翻訳などの自然言語処理、空港・鉄道・製造現場などに活用されているロボットによる異常検知などを行うことができます。
AIに学習させる3つの仕組み
機械学習とは、人の代わりに物事の特徴をAIによって発見する手法であり、AIに学習させる仕組みとなります。機械学習には、教師あり学習、教師なし学習、強化学習の3つに分類され、それぞれ得意分野があるため使用用途が異なります。
教師あり学習は、あらかじめ問題(データ)とその答えを与え、学習させていく方法となります。多層ニューラルネットワークを用いた学習方法であるディープラーニングは、教師あり学習に分類されます。教師なし学習は、問題(データ)のみを与え、その答えは与えずに学習させます。主に、データに潜む傾向、構造を抽出するために用いられます。
強化学習は、確実な正解がない時に、どの行動が「最適」か選択するように学習させる手法で、活用事例としては囲碁AIがあります。手のパターンが膨大なため、手を読み切ることのが難しい囲碁AIに強化学習が用いられています。
AIにディープラーニングを取り入れる4つの仕組み
ディープランニングには、ニューラルネットワーク内の層が多層(ディープ)化されている仕組みになっています。AIにディープラーニングの仕組みを取り入れるには、さまざまなネットワーク手法を用いて行います。ディープランニングをAIに取り入れる4つの仕組みについて、それぞれ解説していきます。
CNN(折り畳み)
CNN(折り畳み)は、畳み込み層とプーリング層で構成されており、画像認識に適した手法です。「畳み込み(Convolution)」という言葉の由来は、二項演算という計算の一方法の名前からきています。なお、CNNでは「画像から “特徴”を抽出する操作」を「畳み込み」と呼びます。
畳み込み層には画像の局所的な特徴を抽出して際立たせ、プーリング層は局所的な特徴をまとめてフィルタリングした上で分析します。CNNでは動画、音声の認識ができないというデメリットはあるものの、画像認識と識別の速さを得意としており、主に画像認識、物体検出、領域推定などの画像分野などで応用されています。
RNN(再帰型)
RNN(再帰型)は、リカレントニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network)の略で、主に時系列の情報に適した手法となります。RNNでは音声データのような可変長の時系列データをニューラルネットワークで扱うため、隠れ層の値をもう一度隠れ層に入力を行うネットワーク構造を持ちます。
CNNや他のニューラルネットワークでは時系列の情報の喪失が起きたものの、RNNによって時系列データをそのまま利用できるようになりました。主に時系列データの学習、自然言語処理分野(機械翻訳、文章生成、音声認識など)で活用されています。
GAN(敵対的生成)
GANとは、教師なし機械学習に分類される「敵対的生成ネットワーク」と呼ばれるニューラルネットワークのモデルの一つとなります。GANは大量のデータから特徴を学習し、世の中に実在しない画像を生成することができ、さらに生成した画像を実在する画像に寄せることも可能としています。
GANの技術は画像生成のみならず、ゲームやアニメのキャラクターを学習させることにより、新キャラクターの作成にも活用されています。
LSTM
LSTMとは、RNNの発展形となります。これまでRNNには長い系列データを学習させると勾配消失が発生し上手く学習できず、短時間のデータしか処理できないなどの欠点がありましたが、LSTMはRNNの欠点を解消した手法となり、自然言語分野での処理などに活用されています。
LSTMの登場により、画像からのキャプション生成、または自然なテキストの読み上げや、動画をリアルタイムで解析して字幕を追加するなど、今までは人が行っていた分野の自動化も可能となりました。
AIの仕組みを導入する手順と課題
AIの大まかな仕組みをイメージ出来るようになったら、次はビジネスへの導入手順(プロセス)を見ていきましょう。AIの仕組みを導入する手順、課題についてそれぞれ解説していきます。
手順
ビジネスで効果的にAIを導入するには、順序よくステップを踏むことが大切です。AI導入の手順は、以下の通りとなります。
- 課題の整理
- AIの業務範囲を決める
- データ収集
- 利用するAIの決定
- 機械学習
- プログラミング
- 開発したAIを評価
- 導入
自社で抱えている問題、課題を整理し、どこにAIを利用するのか決定します。
人が行う作業と、AIが行う作業を整理して、AIを活用する範囲を決めていきます。
AIの能力をより発揮させるには、十分なデータ収集が必要です。データが多いほど、AIはより性能の高い提案を行います。
ビジネスの目的、自社の現状、費用に合わせて利用するAI製品を決定します。
AIに分析や判断ができるようにするために、データを機械学習させます。ただし、この過程では専門的な知識、または知識をもつ人材が必要となります。
機械学習が完了したら、サービスに組み込むため、プログラミングを行います。この過程においても、プログラミングの知識を持つ人材が必要となります。
試験運用を踏まえた上で、AIが課題解決へと導いてくれるのかなどを評価していきます。
評価後は、AIを現場に本格導入して稼働させます。
課題
AIの仕組みを学習させるには、プログラミングの基礎知識が求められます。そのため、AIの仕組みを理解できるG検定やE資格を持った人材が必要となり、コストがかかるなどの課題があります。また、仮にAIに何らかのトラブルが起こった時に誰が責任を負うべきなのか、判断が難しいなどの課題もあります。
AIを利用していて何らかのミスで情報漏えいや事故などのトラブルが発生した時には、AI開発側に問題があるのか、システムを運用している側に問題があるのかなど、判断がつきにくいところも問題です。さらにAIでは膨大なデータの取り扱い、インターネットを用いることからセキュリティ管理が必要となります。万が一、悪意のあるサイバー攻撃に遭った場合、システムの停止をしなければなりません。
このようにAIでは、大量のデータ利用によるセキュリティ問題、AIに何らかの不具合が発生した場合の対処など、システムを管理し続ける必要があります。そこで、AIの導入には、AIの豊富な知識とリテラシーを持った人財が必要となります。
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現代ではAI導入の需要が高まり、AIを扱える人財が不足しているのが現状です。そこで、なかなかAIへの知識を持つ人財を確保できないなどの課題を抱えています。既存の従業員に対して研修を実施し、AIを扱える人財にする方法もありますが、そのためには研修費などのコストがかかります。
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まとめ
AIは大量のデータや資料を学習することを得意とし、大量のデータ処理やルールに沿った作業に適しています。しかし、AIが自ら提案、または閃くことは不可能なため、人の手によってAIへ機械学習を行う必要があります。機械学習の仕組みには機械学習(マシンラーニング) 、深層学習(ディープラーニング)がありビジネスのプロジェクトや目的に合わせて選ぶ必要があります。
ビジネスにはどのようなAI知識が必要かを把握していくことにより、今不足している技術、システムなどが理解できるようになり、より最適な機械学習を行うことができるようになるはずです。また、この記事をとおしてAIの仕組みについての理解において少しでもお手伝いできれば幸いです。しかし、機械学習を行うにはプログラミングや数学など専門的な知識が求められます。
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