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物流の人手不足の現状や原因は?具体的な対策と企業の成功事例も紹介

物流の人手不足の現状や原因は?具体的な対策と企業の成功事例も紹介

物流業界は、インターネットショッピングの普及や新型コロナウイルス感染症の拡大により需要が高まっています。その一方で、深刻な問題になっているのが人手不足です。「なぜ物流業界は人手が足りないのか」「人手不足を解消するにはどのような対策を取ればよいのか」と考える方は多いのではないでしょうか。

この記事では、物流業界が人手不足に陥る原因と課題、解消するための対策、成功事例を紹介します。最後まで読めば、自社でできる対策が見つかるでしょう。

物流の人手不足の現状や原因


物流業界では、物流量の増加やECサイトの利用者の増加など、さまざまな要因により人手不足が深刻化しています。特に最近ではドライバー不足が注目を集めていますが、人手不足はドライバーだけでなく他の分野でも起きています。

人手不足の解消に向けて、物流業界が直面している人手不足の現状とその原因を把握することが重要です。どのような要因が人手不足を引き起こしているのか、しっかりと理解しましょう。

物流量の減少による影響

国土交通省は、2020年7月に「物流を取り巻く動向について」の調査結果を発表しました。調査結果によると、交通機関や輸送機関が運んだ人数を指標化した「貨物輸送量」が減少傾向であることが分かりました。しかし、インターネットショッピングの普及により宅配便の取扱個数が年々増加し、物流業界の人材に対する負担が大きくなっています。

ECサイトの利用者増加による影響

近年、情報の主流がインターネットになったことで、多くの企業がECサイトを運営しています。ECサイトはインターネットショッピングとしての役割も持たせているため、インターネット経由での購入が増え、宅配便取引個数の増加につながっています。

倉庫内作業の負担による影響

インターネット経由の注文が増えたことで、宅配便取引個数が増大しています。宅配便の増加は、積み荷や荷物の仕分けといった倉庫内作業の負担増加につながり、従業員が辞めてしまうことがあります。また、倉庫内作業は翌日の配送に向けて深夜時間帯の作業が多くなるため、体力的に厳しいことも人手不足の要因です。

企業の倒産による影響

株式会社帝国データバンクでは、2019年に人手不足で倒産した企業を調査した「『人手不足倒産』の動向調査」を発表しました。調査結果では、道路貨物運送が最も多い28件でした。この結果から、物流業界では人手不足によって多くの企業が倒産に追い込まれている現状が分かります。

有効求人倍率の高さによる影響

国土交通省が発表した「トラック運送業の現状等について」によると、2018年の全業種の有効求人倍率が1.35倍であるのに対して、貨物自動車運転手は2.68倍という結果でした。有効求人倍率は、求職者1人当たり何件の求人があるのかを表した指標です。物流業界は求人数が多いため、人手不足であることが分かります。

物流における人手不足の課題


需要の増加に対応するには、人手不足の問題を解消しなくてはなりません。しかし、物流業界は多くの課題を抱えています。

人手不足を解消するためにも、ここで紹介する4つの課題を把握し、適切に対応しましょう。

仕事量の増加問題

1つ目の課題は、仕事量の増加です。近年のシステム発展に伴い、多くの企業がECサイトを運営しています。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で外出自粛になり、自宅から注文ができるインターネットショッピングの需要が高まりました。需要が高まった結果、仕事量が増えるため、人材を新規採用する必要が出てきました。

ドライバーの高齢化問題

2つ目の課題は、ドライバーの年齢層が高いことです。国土交通省が発表した「トラック運送業の現状等について」では、トラック業界で働く人の約45.2%が40歳〜54歳で、29歳以下の若年層は全体の10%以下です。数十年後、現在活躍しているドライバーが引退したとき、若年層が不足していることでより人手不足が加速するでしょう。

労働環境イメージの改善

3つ目の課題は、労働環境のイメージが悪いことです。世間では、物流業界に「長時間労働でブラック」「休みが取りにくい」「深夜帯の作業が多い」などのイメージを持っている人が多く見られます。このようなイメージから、求人数が増えても採用まで至らない傾向があります。

物流の2024年問題

4つ目の課題は、2024年問題です。働き方改革関連法により、2024年4月1日からドライバーの時間外労働時間に年間960時間の上限が設けられます。2024年問題とは、労働時間の上限規制により生じる問題の総称です。

全日本トラック協会の「第4回働き方改革モニタリング調査結果(2022年1~2月調査)」によると、2021年度に「時間外労働時間が年間960時間を超えるドライバーがいる」と答えた企業は27.1%、長距離ドライバーに限ると、48.1%でした。

時間外労働時間に制限があることで長距離輸送が減ると、売り上げが減少します。残業代が減った分、給与が下がることもドライバーにとっては大きな問題です。離職するドライバーが増え、人手不足がより深刻になる恐れがあります。

「ホワイト物流」推進運動とは?

「ホワイト物流」推進運動は、国土交通省・経済産業省・農林水産省が連携して行う取り組みです。トラックドライバーの人手不足に対応するため、以下の2点を目的とします。

・トラック輸送の生産性の向上、物流の効率化
・女性や60代のドライバーなども働きやすい、より「ホワイト」な労働環境の実現

「ホワイト物流」推進運動は、物流企業だけでなく荷主企業、納品先企業も参加できます。参加手順は以下の通りです。

1.運動の趣旨と「自己行動宣言」の必須項目への合意・賛同表明をする
2.自社で取り組む項目を選定する
3.自主行動宣言を作成し、事務局へ提出する

自己行動宣言の提出に関する資料は、「ホワイト物流」推進運動ポータルサイトからダウンロードできます。

(参考: 『「ホワイト物流」推進運動ポータルサイト』

物流の人手不足を解消するためにできる対策


業務の効率化や労働環境の改善は、離職者を抑えるだけでなく、新しい人材の獲得につながります。人手不足を解消するために、自社で対策できることはないか見直しましょう。

ここでは、人手不足への対策として「共同配送」「モーダルシフト」「受け取りサービスの拡大」「ロボットの活用」「労働時間の改善」の5つを紹介します。

共同配送を実施する

1つ目は、共同配送によりトラックの積載量を上げて業務を効率化することです。現在ドライバーが不足しているため、トラック1台当たりの積載量を上げるのは有効な手段です。配送するときには、同じ地域に向かうトラックにまとめて荷物を載せるなどの対応がよいでしょう。

モーダルシフトを導入する

2つ目は、モーダルシフトの導入です。モーダルシフトとは、輸送手段をトラックなどの自動車から鉄道や船舶に転換することをいいます。

鉄道や船舶は自動車に比べて環境負荷が低く、少ない人員で多くの荷物を一度に輸送できるのがメリットです。モーダルシフトの導入により、ドライバーの負荷軽減が期待できます。

受け取りサービスの範囲を広げる

3つ目は、置き配や宅配ロッカーなどの受け取りサービス範囲を広げることです。ドライバーの負担になる理由のひとつに、再配達依頼の対応があります。特に、日中家を空ける人は昼間の受け取りが難しく、再配達を依頼せざるを得ません。

日中でも受け取れるようなサービスを広げることで、ドライバーの負担軽減につながります。

ロボットを活用する

4つ目は、倉庫内ロボットの活用で作業を効率化することです。ロボットは、単純な作業の自動化ができるため、人手不足解消につながります。しかし、ロボットの導入には多額のコストがかかるため、導入によるメリットを理解した上での検討が必要です。

労働時間やシフトを改善する

5つ目は、労働時間やシフトを見直すことです。適切な人員配置が実現すれば、人手不足でも効率良く業務ができます。特に、繁忙期や閑散期に応じて必要な人数を把握し、従業員のスキルに合ったシフトを考えることが重要です。

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物流の人手不足の解消に成功した事例


物流における人手不足解消には、業務の自動化・デジタル化が効果的です。ここでは、物流業務にデジタル技術を導入し、業務改善に成功した事例を3つ紹介します。ドライバーだけでなく、倉庫内の人手不足対策としても参考になるでしょう。

株式会社ニトリホールディングス

株式会社ニトリホールディングスと、ニトリグループの物流を担う株式会社ホームロジスティクスは、大阪府茨木市にある西日本通販配送センターに無人搬送ロボットを導入しています。

ロボットが担うのは、センター内の入出庫作業とピッキング作業です。従来は作業者が保管棚まで足を運び、ピッキングしなくてはなりませんでした。棚ごと作業者の元に運ぶ無人搬送ロボットを導入したことで、作業効率が以前より4.2倍上がっています。

株式会社ファーストリテイリング

ユニクロをはじめとしたファッションブランドを展開する株式会社ファーストリテイリングは、物流システム・マテハン機器メーカーの株式会社ダイフクとパートナーシップを組み、RFID(Radio Frequency Identification)を導入しました。

RFIDとは、ICタグやRFタグに書き込まれた情報を無線で管理・認識するシステムです。RFIDを用いることで、倉庫内の検品を完全自動化しています。

自動倉庫の実現により、入庫生産性80倍、出庫生産性19倍、省人化率90%といった成果を挙げています。

大和ハウス工業株式会社

大和ハウス工業株式会社は、物流向けアプリケーションの開発・販売を行う株式会社Hacobuが提供するトラック入場予約システムとオンラインチェックシステムを全拠点に導入しています。

トラック入場予約システムとは、ドライバーや運送企業がインターネット上で入場時間を予約できるシステムです。物流施設内の作業や荷物の移動計画が立てやすくなり、施設の運営効率が高まるだけでなく、ドライバーの平均待ち時間を70%削減できます。

オンラインチェックシステムは、トラックが物流施設の一定半径内に入った際に、ドライバーが携帯電話を使用して入退場受け付けができるシステムです。トラックの長時間待機の原因となる渋滞が緩和し、ドライバーの作業時間を10%削減できます。

物流の人手不足はUMWELTで解消しよう!


業務を効率化する方法はいくつかありますが、効果的なのはデジタルツールの活用です。効率化に役立つツールは数多くあるため、自社に合ったツールを選びましょう。

TRYETINGのUMWELTは、さまざまなアルゴリズムを搭載したノーコードAIツールです。ここでは、UMWELTの特徴と導入事例を紹介します。

AIが業務の効率化をサポート

UMWELTは、在庫管理や需要予測、自動シフト作成をはじめとした約100種類のアルゴリズムを装備しています。RPA機能により、データの自動取得や変換、結合が可能です。実行した結果は、API連携で自社システムと連携できます。

在庫や配送を適正化できるため、人手不足の解消と業務効率化が実現します。

ノーコードAIのUMWELTは、専門知識を必要としません。導入時にはAIの基礎知識とUMWELTの使用方法を学べる講習会があるため、安心して使用できます。

物流業界の導入事例

トラック物流改善システム「AirDia(エアダイア)」を手掛ける3Gサポート株式会社様は、AirDiaへのAI実装のためにUMWELTを導入しています。

UMWELTを導入した目的は、荷物量や作業時間を予測する機能の実装、最適な物流ダイヤの生成です。これにより、トラックダイヤの最適化や作成工数削減、ドライバーの待機負担軽減を目指せます。

すでにデータ取りから解析まで進めていましたが、より高い精度を出すためにUMWELTを活用しています。コンサルタントとの綿密な情報連携により、プロジェクト期間内のAI実装を実現しました。

(参考: 『【3Gサポート様】UMWELT活用事例|補助金活用でトラック物流改善システムに荷物量や作業時間を予測する機能を実装|TRYETING』

まとめ

物流業界は、現在深刻な人手不足問題を抱えています。解決するには、ドライバーの高齢化や作業量の増加、2024年問題といったさまざまな課題に対応しなければなりません。

人手不足をはじめとした課題の解決には、デジタルツールを活用した業務効率化が効果的です。ノーコードAIのUMWELTは、専門知識がなくても利用でき、カスタマーサクセスによるサポートもあります。課題解決に役立つツールをお探しの企業様は、ぜひご相談ください。

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AI予測ツールUMWELT紹介ページ(活用事例あり)

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