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2023年デジタルトランスフォーメーション銘柄企業一覧!選定基準とは?
目次
国は、さまざまな施策で企業のデジタルトランスフォーメーションをサポートしており、デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)が注目を集めています。DX銘柄とは何か知りたい、選定企業一覧を見たいという要望も多いのではないでしょうか。
この記事では、デジタルトランスフォーメーション銘柄の選定基準や応募方法を紹介します。最後までお読みいただくことで、DX銘柄の基本と2023年度の選定企業を理解できるでしょう。
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デジタルトランスフォーメーションの取り組みで選ぶ企業一覧
デジタルトランスフォーメーション銘柄に注目が集まっています。国が認定する制度で、対象の企業には企業価値向上といった大きなメリットがあるためです。ここでは、デジタルトランスフォーメーション銘柄の概要と2023年度の選定企業一覧を紹介します。
デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)とは?
2015年から、経済産業省と東京証券取引所が共同で、積極的なIT利活用に取り組む企業を「攻めのIT経営銘柄」に選定してきました。
2020年からは「デジタルトランスフォーメーション銘柄」に名称を変え、デジタル技術を用いたビジネスモデルの変革を通して、成長・競争力強化に取り組む企業を認定しています。
2023年度のDX銘柄企業一覧
経済産業省は2023年5月に「DX銘柄2023」を発表しました。計32銘柄の企業名を業種別に紹介します。
業種 | 企業名 |
精密機器 | 株式会社トプコン |
海運業 | 日本郵船株式会社 |
建設業 | 株式会社大林組 |
清水建設株式会社 | |
食料品 | 味の素株式会社 |
化学 | 旭化成株式会社 |
医薬品 | 第一三共株式会社 |
ゴム製品 | 株式会社ブリヂストン |
ガラス・土石製品 | AGC株式会社 |
金属製品 | 株式会社LIXIL |
機械 | ダイキン工業株式会社 |
株式会社IHI | |
電気機器 | 株式会社日立製作所 |
その他製品 | 凸版印刷株式会社 |
大日本印刷株式会社 | |
陸運業 | ヤマトホールディングス株式会社 |
空運業 | 日本航空株式会社 |
情報・通信業 | ソフトバンク株式会社 |
卸売業 | 双日株式会社 |
三井物産株式会社 | |
小売業 | アスクル株式会社 |
株式会社丸井グループ | |
銀行業 | 株式会社りそなホールディングス |
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ | |
証券、商品先物取引業 | 東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社 |
保険業 | MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社 |
東京海上ホールディングス株式会社 | |
その他金融業 | 株式会社クレディセゾン |
東京センチュリー株式会社 | |
不動産業 | 東急不動産ホールディングス株式会社 |
プロパティエージェント株式会社 | |
サービス業 | H.U.グループホールディングス株式会社 |
DX銘柄2022との違い
DX銘柄2023では、2022年の選定プロセスから一部が変更になりました。2023年度の選考は、上場企業約3,800社へのアンケート配布から始まります。企業からの回答を選考委員会で評価し、銘柄評価委員会の最終選考を経て決定しました。
また、投資家目線の調査項目を新たに追加しています。具体的には、企業のDX取り組みに関する情報開示の設問が加わりました。自社の取り組み事例を紹介するだけでは不十分で、DXを通じてどのように企業価値向上を実現したかを重視します。
過去の選考では業種ごとに1社〜2社が選ばれていましたが、2023年からは同じ業種で選定できる数の制限がなくなりました。
デジタルトランスフォーメーション銘柄の5つの企業選定基準
2023年度は上場企業3,800社のうち、最終的に32社を選定しました。選考が厳しいため、選定基準の把握と理解は今後のDX推進に役立つでしょう。ここでは、2023年度の選考における主要な5つの基準を紹介します。
経営ビジョンやビジネスモデル
企業は、ビジネスとITシステムを一体的に捉え、経営ビジョンの策定と実現に向けたビジネスモデルの設計が必要です。また、その内容のステークホルダーへの共有も重要といえるでしょう。
調査の着眼点は、既存ビジネスモデルの強みと弱みを明確にし、強化・改善にデジタル戦略が大きく寄与しているかです。DXに関する投資の意思決定の際に、コストだけでなくビジネスに与えるインパクトを考慮し、必要な挑戦を促していることも重視しています。
組織の戦略
企業は、社会と競争環境の変化を踏まえて目標とするビジネスモデルの実現を目指します。そのためには、デジタル技術を用いた戦略を策定し、関係者へ共有するのが効果的です。
組織の戦略策定の観点で設定した設問項目は、「ビジネスモデルを実現する戦略策定」「既存ビジネスを変革する取り組み」「取り組み内容の開示」「新規ビジネスの創出」などです。
企業のビジョンやビジネスモデルを実現するための戦略を掲げているか、デジタル技術を活用して既存ビジネスの変革を実現しているか、戦略や変革の実現をステークホルダーに開示しているかといった質問があります。
デジタル技術活用と整備
企業は、デジタル技術を組み込んだ戦略の推進に必要なものを明確化して、ステークホルダーに開示しなければなりません。例えば、デジタル技術活用には環境の整備が不可欠で、具体的なプロジェクトやマネジメント方法、利用する技術や投資計画を明確にする必要があります。
調査では、レガシーシステム(技術的負債)の最適化を実現している、先進技術の導入と独自の検証を行う仕組みを確立しているといったポイントが評価対象です。
成果と成果指標の共有
デジタル技術を組み込んだ戦略の達成度を測る指標の策定も重要です。調査では、デジタル戦略・施策の達成度を測るKPIの目標値の有無を評価します。
ビジネスの成果を明確にするため、KPIが最終的に財務成果(KGI)につながるストーリーができていることも重要です。また、実際に財務成果を上げていることも評価します。ステークホルダーに対して、指標に基づく成果を企業の自己評価として示すことも重要です。
管理体制(ガバナンス)
企業がデジタル技術を組み込んだ戦略を実行するには、経営者のリーダーシップが欠かせません。業務を担う事業部門やITシステム部門と協力して、現状の課題を把握・分析し、戦略に反映します。DX推進で重要となるサイバーセキュリティーリスクへの対応も必要です。
調査では、経営者が自身の言葉で社内外のステークホルダーに発信してコミットしているか、経営者が最新のデジタル技術や活用事例を理解し自社の取り組みに生かしているかなどを評価します。
デジタルトランスフォーメーション銘柄企業になるメリット
DX銘柄企業に選ばれると、日本政府から「DXを積極的に推進する企業」というお墨付きを得ます。
経済産業省や東京証券取引所が設定した評価項目を満たしているため、認定企業の社会的な信用は向上するでしょう。認定企業だけが使用可能なロゴをマーケティング資料に掲載すれば、企業価値の向上にもつながります。
DXは、人手不足などの日本が抱える社会的課題の解決に有効な手段です。DXの実現には、ITの活用だけでなく、生産性向上に向けた抜本的な組織改革も欠かせません。
企業が積極的にDXに取り組む姿勢を顧客や投資家といったステークホルダーに見せることで、信頼やブランド力が向上します。
デジタルトランスフォーメーション銘柄企業になるには?
デジタルトランスフォーメーション銘柄企業になるには、厳しい選考への応募が必要です。今年の選定企業は、これまでに社内でDXを効果的に推進し、生産性向上といった成果を上げています。ここでは、企業が今年度の銘柄に選ばれた流れを紹介します。
DX認定の取得が必要
DX銘柄の認定を受けるには、東京証券取引所に上場した企業でなくてはなりません。また、「DX認定」の取得も必要です。
DX認定とは、経済産業省がDX推進を目指す経営者に必要な事柄をまとめた「デジタルガバナンス・コード」に対応して、DX推進の準備が整った企業を認定する制度です。
DX認定の標準処理期間(申請受理後、認定結果の通知までの期間)は、土日祝日、年末年始を除いて60日かかります。認定の有効期間は2年間です。
DX認定を受けたら、次はデジタルトランスフォーメーション調査(DX調査)に協力します。DX調査は上場企業が対象で、DXの取り組みや成果について回答すると、自社DXについて助言が受けられます。
DX銘柄への応募と選考の流れ
DX銘柄への応募は、DX認定を受け、専用サイト「DX推進ポータル」にあるDX調査に回答すれば完了します。回答するには、GビズIDの登録が必要です。企業からの回答を基に一次評価、二次評価を経て銘柄を決定します。
一次評価では、調査の選択式項目の回答とROE(自己資本利益率)を用いてスコアリングします。ROEは、自己資本を用いて企業がどれだけの利益を得たかを示す指標です。スコアリング結果が基準を上回ると二次評価に進みます。
二次評価では、調査の記述式項目から「企業価値貢献」「DX実現能力」を評価し、銘柄評価委員会による最終選考でDX銘柄が決まります。
応募準備から選考完了、フィードバック送付までの期間は約9か月です。
デジタルトランスフォーメーション銘柄以外の評価と一覧
2023年は、デジタルトランスフォーメーション銘柄以外にも「DXグランプリ2023」「DX注目企業2023」「DXプラチナ企業2023-2025」の3つのカテゴリを新設しました。いずれもDXへの取り組みが優れている企業ですが、選定基準が異なります。ここでは、各カテゴリの特徴と選定企業を紹介します。
DXグランプリ2023
DXグランプリ2023では、DX銘柄に選ばれた企業の中から「デジタル時代を先導する企業」を2社選びます。企業の競争力強化につながるDXの取り組みを強く後押しするためです。2023年度は、DX銘柄2023選定企業32社の中から以下の2社が選ばれました。
業種 | 企業名 |
精密機器 | 株式会社トプコン |
海運業 | 日本郵船株式会社 |
DX注目企業2023
DX注目企業とは、DX銘柄に選ばれなかった企業の中でも、総合的評価が高かった企業や注目すべき取り組みを実施している企業です。今年は以下の19社が選ばれています。
業種 | 企業名 |
食料品 | アサヒグループホールディングス株式会社 |
繊維製品 | 株式会社ワコールホールディングス |
化学 | 株式会社資生堂 |
ユニ・チャーム株式会社 | |
医薬品 | 塩野義製薬株式会社 |
ガラス・土石製品 | 日本ガイシ株式会社 |
鉄鋼 | JFEホールディングス株式会社 |
非鉄金属 | 三菱マテリアル株式会社 |
機械 | 三菱重工業株式会社 |
電気機器 | オムロン株式会社 |
輸送用機器 | 川崎重工業株式会社 |
その他製品 | 株式会社アシックス |
電気・ガス業 | 東京瓦斯株式会社 |
空運業 | ANAホールディングス株式会社 |
倉庫・運輸関連業 | 三菱倉庫株式会社 |
小売業 | 株式会社セブン&アイ・ホールディングス |
証券、商品先物取引業 | 株式会社大和証券グループ本社 |
その他金融業 | プレミアグループ株式会社 |
不動産業 | 三菱地所株式会社 |
DXプラチナ企業2023-2025
2023年度から新たに「DXプラチナ企業2023-2025」の認定が始まりました。特に傑出した取り組みを制度開始当初から継続している企業を選定します。
3年連続でDX銘柄に選ばれると同時に、過去にDXグランプリに選出されていることが選定要件です。DXプラチナ企業認定は、2023年から2025年までの3年間有効です。2023年度は以下の3社が選ばれました。
業種 | 企業名 |
医薬品 | 中外製薬株式会社 |
機械 | 株式会社小松製作所 |
卸売業 | トラスコ中山株式会社 |
企業のデジタルトランスフォーメーション導入はUMWELTから!
デジタルトランスフォーメーションの推進は、人手不足のような課題の克服に必須の取り組みです。しかし、ITの専門知識がない企業にとって、DXの導入には高い障壁があります。
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まとめ
デジタルトランスフォーメーション銘柄に選定されると、企業価値やブランド力の向上に役立ちます。DX銘柄は上場企業が対象ですが、DXへの積極的な取り組みは上場企業以外でも有効です。生産性向上は人手不足に悩む企業にメリットがあり、利益向上にもつながります。
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