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人工知能の種類とは?業務に導入するメリットや具体的な活用事例を紹介
目次
人工知能はここ数年で目覚ましい発展を遂げています。人工知能は「AI」と呼ばれることが多く、新しいサービスとして、少しずつ私たちの暮らしの中に入ってきています。ただAIという言葉はよく聞くことはあっても、AIにどんな種類があって、どんな特徴があるのかまでは知らない方も多いのではないでしょうか。今回は、人工知能(AI)の種類や、業務に導入するメリットについて具体的に紹介していきたいと思います。
▼更にAIについて詳しく知るには?
AI(人工知能)とは?導入するメリットと活用例やおすすめのツールを紹介
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人工知能とは
人工知能(AI)という言葉をニュースなどで目や耳にする機会が多くなってきました。野村総合研究所が英国オックスフォード大学と共同で行った研究では、2025年~2035年頃には、日本の労働人口の約49%がAIやロボットに置き換え可能になるとされています。そんな未来予測がされている中、みなさんはAIについてどのくらい知っているでしょうか。まずはAIの基礎知識から解説します。
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AI(人工知能)とは?導入するメリットと活用例やおすすめのツールを紹介
1.人工知能の概要
人工知能(AI)とは、「まるで人間のような知能があるように見える」プログラムのことです。ある種のソフトウェア技術ですが、生物の知能にヒントを得るというところに特徴があります。人工知能が使われている有名なツールで言うと、掃除ロボットや感情認識ロボット、囲碁・将棋AIなどが挙げられます。
人工知能の定義は研究者によって分かれるところはありますが、大まかな判断基準は、「機械が自分で物事を学び、認識し、判断する能力があるか」というところにあります。最近のAIは会話もできますし、巧みにゲームができるようにもなっており、人間と対峙しているように感じられるものも多くなっています。
2.人工知能の歴史
人工知能(AI)という言葉が始めて使われたのは、1956年、アメリカのダートマスで開催されたワークショップでのことです。学者のアレン・ニューウェル、ハーバード・サイモンが「ロジック・セオリスト」という人工知能プログラムのデモを行った中で登場しました。その後、1950年代後半~60年代までを第1次ブームが起こります。この頃は、人工知能と言ってもまだ、迷路やパズルなどの難しい問題を機械が解いている程度でした。
その後、1980年代に第2次ブームが起きます。「エキスパートシステム」といって、コンピューター自身が専門化のような知識を取り入れ、エキスパートのように振舞うシステムが登場します。華々しく登場したシステムでしたが、その後、知識を書き切ることの難しさにぶつかり、開発は難航。AIブームは冬の時代を迎えます。
第3次ブームは、2000年代から現在まで続いています。ここでビッグデータを用いて人AIが自ら知識を獲得していく「機械学習」という技術が誕生しました。さらに知識を定義する要素をAIが自ら学習する「ディープラーニング」というものも現れ、注目度が高まりました。今AIが話題となっているのは、第3次ブームによりAIが飛躍的に進化を遂げているからです。
3.人工知能ができること
人工知能(AI)ができることは、AI研究第一人者の松尾豊教授によってレベル1からレベル4に分けられています。レベル1は言われたことを忠実に行う単純な制御プログラムです。例えば、気温の変化に応じて機能するエアコンや冷蔵庫などがそれにあたります。レベル2は人間の持つ知識をできるだけ多くプログラムに組み込まれたもの。質問に答えたり、診断をしたりするエキスパートシステムなどが当てはまります。レベル3はビッグデータを用いた機械学習を取り入れたもので、対応パターンを自動的に学習してくれるものです。
ですが、レベル3の段階では、データのどの部分を参考にしてパターンを見つけ出せば良いかの指標となる「特微量」を決めるのは人間です。レベル4は「特微量」自体も機械が自力で学習してくれる、いわゆるディープラーニングを取り入れた人工知能を指します。
人工知能の種類
AI(人工知能)を分類する時、一般的に「特化型人工知能」と「汎用型人工知能」に分けられます。また、「強いAI」と「弱いAI」というといった分け方もあります。それぞれ処理できる領域で分けられた概念ですが、この章ではAIを知るために必要な分類方法についてご紹介します。
1.特化型人工知能
特化型人工知能とは、特定の決められた分野の課題に対して自動的に学習するシステムのことをいいます。具体的には、囲碁将棋、チェスなどのゲーム、画像処理、自動運転、株価などの予測などが挙げられます。現在、ビジネスで活用されることが多いのがこの特化型人工知能です。特定の分野では人間の能力をはるかに超えた機能を持っていますが、それ以外の機能は持っていないというのが特徴です。2016年に囲碁で世界トップの柯潔(カ・ケツ)氏に勝利を収めたことで有名になった知られた「アルファ碁」は囲碁の特化型人工知能といえます。2.汎用型人工知能
それに対して汎用型人工知能は、人間と同じように様々な分野の課題解決を可能にしたシステムです。人間であればこれまでの経験に基づいて様々なシチュエーションの問題を総合的に判断できますが、それと同様の能力を持つのが汎用型人工知能です。例えば、SF映画に登場するようなアンドロイドなどは汎用型人工知能と言えるでしょう。現状、汎用型人工知能はまだ実現に至っていません。
しかしながら、汎用性を研究する上でヒントとなる人間の脳の研究も進んでいますし、汎用型人工知能の実現を試みる企業や研究機関も増えてきました。アメリカの未来学者レイ・カーツワイルは書著で「2029年には汎用性人工知能が誕生するだろう」と語っています。
3.強いAIと弱いAI
AIを分類する時、もう一つ使われる概念としてあるのが、「強いAI」と「弱いAI」です。強いAIは、人間があらかじめプログラムしなくてもAIが自ら考えて人間のように振舞えるというのが特徴です。鉄腕アトム、ターミネーターのように人間のような感情を持ち、自分で考えて行動します。対して弱いAIとは、自律的な意思を持ちません。与えられた仕事に関しては能力を発揮できますが、プログラムされていないことへの対応はできません。特化型人工知能とほぼ同じ意味を指しており、現在世の中にあるのは弱いAIです。
機械学習と深層学習(ディープラーニング)の違い
AIのための技術は大きく2種類あり、それぞれ「機械学習」と「深層学習(ディープラーニング)」と呼ばれています。これらにはどのような違いがあるのか、次に紹介したいと思います。
1.機械学習とは
機械学習とは、その言葉の通り、機械自身が大量のデータを学習、解析をして、法則やルールを見つけ出すことをいいます。トレーニングを重ねることにより、特定のタスクをより高い精度でこなせるようになります。例えば、「リンゴ」と「なし」の画像を自動的に識別するAIでは、1枚1枚の写真に「リンゴ」「なし」とというタグを付けて読み込ませ、「色に注目して識別しなさい」という指示を与えておきます。
続けて学習させることで、まだ解析していない画像が出てきた時にもAIは色に着目して画像識別ができるようになります。機械学習では、「色」という識別基準を人間が定義する必要があるというのが大きな特徴になります。
2.深層学習(ディープラーニング)とは
深層学習(ディープラーニング)は機械学習をさらに発展させたものです。深層学習では、機械自身が自動的に定義を抽出してくれるという点が大きく異なります。人間が機械に教える必要がなく、人間の神経を真似て作った「ニューラルネットワーク」が、機械自身のデータ分析を強力なものに作り上げていきます。さきほどの「リンゴ」と「なし」の画像識別でいうと、機械学習では「色」という識別定義付けを人間がしなければなりませんでしたが、深層学習(ディープラーニング)ではそういった特微量の設定や組み合わせなどを機械自らが考えて決定してくれます。
人工知能(AI)の発展による働き方の変化
人工知能(AI)の技術が発展するにつれ、「世の中のほとんどの仕事がなくなる」などといった言葉が踊り、不安に駆られるビジネスパーソンも多いのではないかと思います。現にドイツでは、AI搭載の完全自動運転の車が高速道路でのテスト走行を繰り返している段階で、実用化は目前です。そうなれば、いずれドライバーという職業はなくなるかもしれません。
AIに奪われるといわれている職業については、キャリアチェンジや新たな対策も必要になってきます。どんな分野の仕事が奪われ、またAIが発展しても消えない仕事は何なのかを今から把握しておくことは大切です。それぞれどのような仕事が該当するのか確認してみましょう。
1.AIに奪われる仕事
『図解これだけは知っておきたい AI(人工知能)ビジネス入門』(成美堂出版/2017)の著者、三津村直貴氏は、事務・収集・整理・監視・点検・清掃などの分野サポートや維持管理の職種を、AIを搭載したロボットが徐々に担うようになると述べています。
上記のような分野において、AIの方が人間よりオペレーション上のミスもなく迅速にこなせるのであれば、業務の効率化が優先され、いずれ人間の仕事はAIに代替されるのではないかと考えられます。
2.AIに奪われない仕事
AIに奪われる仕事がある一方で、人間が依然としてAIより優位に立てる仕事について、『人工知能と経済の未来』(文春新書)の著者、井上智洋氏は、クリエイティブ系、マネージメント系、ホスピタリティ系の三つの領域があると述べています。これらの職業は不測の事態が起きた時に、人間のように臨機応変に適応できる感覚が必要だからです。
美容師がその一つで、美容師はお客様に信頼感や安心感を与える人でなければなりません。髪に対する悩みや要望を聞き、適切にアドバイスしたり、時には会話を楽しんだりと、高いコミュニケーション能力が必要とされます。クリエイティビティやホスピタリティの領域で秀でている美容師はAIに奪われにくい職業だといえます。
人工知能を活用するメリット
人工知能(AI)を導入するメリットは、人間を決まりきったルーティンワークから解放して、よりクリエイティブな仕事に専念できるようにすることです。実際に現場ではAIがどのような使われ方をしているのか、この章ではAI導入のメリットを一つひとつ解説していきたいと思います。
1.業務効率化と正確性向上
AIを活用するメリットとしてまず挙げられるのが、業務効率化と正確性の向上です。効率化できる業務との一例として挙げられるのが、医療のCT・MRI画像診断です。AIを用いることで診断までにかかる時間を80%も短縮することができます。2017年、アメリカ医師会に掲載された論文によると、乳がんの転移を調べる画像診断において、11人の医師とAIの診断を比べた結果、AIの方が正確性が高かったとのこと。さらに人間だと判断に時間がかかるのに対し、AIは瞬時に判断できるので作業効率も格段に上がります。
2.人材不足の解決
2つ目のメリットは、人材不足の解消です。少子高齢化が進む日本では、今後労働人口の減少が予測されています。ここにAIが導入された場合、これまで人が担ってきた仕事の一部をAIに任せることができ、一人あたりの作業量を減らすことができます。小売り業界では、AIによるレジ業務代行は既に始まっています。カメラなどを使って会計業務を代行するAIを大手衣料品メーカーで見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。コンビニやアパレルショップなどレジの無人化は今後増えていくと予想されています。
3.マーケティングに応用
3つ目のメリットはマーケットにおけるデータの分析や予測に役立てることができるという点です。AIに過去から現在までの販売情報や顧客情報、さらには市場シェア率やトレンド情報などあらゆる情報を読み込ませ、市場で何がどれくらい売れるのかを予測するようなプログラムを組めば、それに応じたサービスや製品を提供することができます。昨今は大量のデータを比較的容易に集めやすくなったため分析はしやすくなったものの、その量が膨大過ぎて、もはや人間では時間的にも手に負えない状況になりつつあります。そんな時にAIの活用が重要になると思われます。
人工知能を導入する時の注意点
人工知能(AI)を導入するとメリットがある一方で、注意しておかなければならない点もあります。注意点をしっかり把握しておくことがメリットを最大限に生かすことに繋がるので、ここからは留意するべき点について詳しく解説していきたいと思います。
1.責任の所在が不明
AI導入の注意点の一つとして、責任の所在が不明ということがあります。例えばAIを搭載した車が事故を起こしてしまった場合、その責任は車に乗っていた人にあるのでしょうか、それともAIを搭載した車を作った会社にあるのでしょうか。AIによる自律的な予測は、人間の予測範囲を超えることもあり得ます。しかし現時点ではAIのようなロボットにその責任を負ってもらうことはできません。損害賠償は全て人に帰責されるというのが現状なので、十分にリスクを考えてから導入をした方がいいでしょう。
2.情報漏洩のリスク
AIを利用する場合、ネットワークを通じたサイバー攻撃をされたり、犯罪に悪用されたり、情報漏洩のリスクもあります。AIを活用するにあたって、専門知識を持った担当者を常駐させたり、開発時と活用時の段階の両面において、セキュリティの確保が重要になります。病歴、遺伝情報、行動履歴、営業秘密など、AIを実装させるにあたり機密性が高いデータを扱う場面も少なくありません。そのようなデータを扱う際にも慎重な取り扱いが求められています。
3.リスクマネジメントが困難
AIが誤作動を起こしたり故障したりすると、それに付随するすべての業務がストップしてしまうことも考えられます。そのため設計段階から、故障時の想定や、非常時も制御できるようにしておくシステムを設計しておくことが必要です。AIだけに任せるのではなく、人の介入や、AIがAIを監視する仕組み作り、万が一の事態に備えたバックアップを取っておくなどのリスクマネジメントが重要になってきます。
人工知能を活用している事例
人工知能(AI)の導入を検討する上で、実際にどのように活用されているかの事例を把握しておくことは重要です。この章では、分野別にAI活用事例を3件ご紹介していきます。
1.農作物の収穫を自動化
まずは、野菜の収穫に必要な農作業をAIがサポートしてくれる事例です。自動収穫ロボットにはカメラや距離センサーが搭載されており、ディープラーニングによる画像識別技術によって、トマトの収穫作業を自動化してくれます。トマトの実と枝の部分を正確に認識させるため、実ったトマトの写真を撮り、あらかじめ「実」「枝」「幹」「へた」などのタグを付けてAIに学習させます。
正確にトマトの部位を識別できるようになったら、実から何センチ上を切り取るというタスクを付け加えることで、ロボットによる収穫を可能にさせます。この技術は収穫作業だけでなく、実の熟し具合の判断や葉かき作業などにも応用でき、人手不足の問題が取りざたされている農業において希望の光となっています。
2.音声アシスタント「Siri」
私たちが身近に接しているAIでいうと、iPhoneやMacに搭載されている「Siri」が挙げられます。Siriの起源は1964年に開発された「イライザ」というAIです。「イライザ」は高精度なコミュニケーションができるわけではなく、機械と人がまるで話しているように見せかけたシステムでした。その後、人間と自然な対話が可能なレベルまで昇華させるべく、アメリカ政府機関やスタンフォード大学などが連携して研究し、2010年にWebサービスと連携できるアプリとしてリリースされました。
Siriの代表的な性能は、音声認識、自然言語理解、命令の実行、返答の4つです。人間の音声言語は複雑で認識させるハードルは高いといわれていますが、性能はアップデートを繰り返すたびに向上しています。
3.行政組織の窓口業務
行政組織の窓口業務の効率化のために開発されたAI搭載型のチャットボットもあります。AIチャットボットでは想定される質問と回答を紐づけたデータを機械学習させることにより、回答の精度を高めています。例えばNECが開発を手掛ける「みんなで育てるチャットボット」には、これまで50以上の自治体が参加し、実証を進めています。
各自治体が登録したFAQデータベースを基にAIチャットボットが学習し、すべての参加団体のAIチャットボットの精度が上がっていく仕組みになっています。行政で用いられるAIチャットボットは、今後、問合せ対応だけでなく、蓄積された問合せデータを分析することで住民の潜在的な不安や不満を抽出し、必要なサービスを先回りして用意するなどといったこともできるようになると期待されています。
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まとめ
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