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海外でのSDGsの達成状況や取り組みは?日本の順位も紹介
目次
SDGsに深い関心を持って調べる中、海外の達成状況や日本の順位が気になっている方もいるのではないでしょうか。『Sustainable Development Report 』を見ると、さまざまな国の取り組み状況が見えてきます。達成状況が高い国で実施される施策や、日本の方針も併せてチェックしましょう。
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DXとはどのようなもの?導入が求められる理由やメリット・デメリットを解説
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海外でのSDGsの達成状況
SDGs(エスディージーズ)は世界的に行われている取り組みですが、海外の達成状況について詳しく知らない方もいるかもしれません。各国の進捗状況や評価は、『Sustainable Development Report 』として、誰もが確認できる形で公表されています。海外での達成状況や日本の順位を見ていきましょう。
2022年に発表されたSDGs達成ランキング
『Sustainable Development Report 2022』をもとに、1位~20位までの国を紹介します。
1位…フィンランド
2位…デンマーク
3位…スウェーデン
4位…ノルウェー
5位…オーストリア
6位…ドイツ
7位…フランス
8位…スイス
9位…アイルランド
10位…エストニア
11位…イギリス
12位…ポーランド
13位…チェコ共和国
14位…ラトビア
15位…スロベニア
16位…スペイン
17位…オランダ
18位…ベルギー
19位…日本
20位…ポルトガル
ランキング上位を北欧諸国が占める結果となっています。北欧諸国はSDGsが採択される以前から、持続可能な社会への取り組みを行っているのが特徴です。
持続可能性や環境問題を学ぶための土台が整備され、子どものうちから当事者意識を持って取り組んでいることが、高い達成度を維持している理由だと考えられます。
(参考:『Sustainable Development Report 2022』)
日本は193か国中19位
日本の順位は国連加盟国193か国中19位で、スコアは79.58です。SDGsが掲げる17のゴールのうち、以下はまだ大きな課題が残る状態となっています。
5.ジェンダー平等を実現しよう
12.つくる責任 つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
17.パートナーシップで目標を達成しよう
日本はアジア諸国の中で見たときの達成度はトップレベルでも、北欧諸国やヨーロッパ諸国に比べれば、まだまだ努力の余地が残される状況といえるでしょう。
(参考:『Sustainable Development Report 2022 Japan』)
達成度ランキング上位の国の取り組み事例
日本でもSDGsに関するさまざまな取り組みが行われていますが、海外へも目を向けると視野が広がります。達成度ランキングが上位の国々の取り組みを知ると、日本の企業でも活用できる事例が見つかるでしょう。
ここではスコアが高いフィンランド、スウェーデン、ノルウェー、ドイツの取り組み事例を紹介します。
高いレベルの持続可能性を実現「フィンランド」
フィンランドはSDGsが採択されて以来、ほかの北欧諸国と高いレベルで達成度を争い続けている国です。『Sustainable Development Report 2022』のスコアは86.51で、ランキング上位の国々と1ポイント近い差を付けています。
首都ヘルシンキ市は、2030年までに温室効果ガスの排出量を60パーセント削減、2035年までにカーボンニュートラルを実現する目標を設定しています。
観光都市でもある同市は、持続可能性に焦点を当てた情報発信をしているのが特徴です。持続可能性に関する明確な基準を設け、優秀な取り組みをしているレストランを公表するなど、観光客を巻き込んだ食品ロスへの取り組みも積極的に行っています。
(参考:『Think Sustainably | My Helsinki』)
多くの企業がSDGsに積極的「スウェーデン」
スウェーデンはフィンランドと同様に、早くから持続可能性への取り組みが行われてきた国です。SDGs達成度はフィンランド、ノルウェーに次ぐ第3位で、スコアは85.19です。
SDGsへの取り組みが活発な企業が多く、スウェーデン発祥のある家具メーカーでは再生可能素材やリサイクル素材を多く使用した商品作りや、充電式電池でゴミを減らす取り組みなどを行っています。
スウェーデンのレストランチェーンの中には、温室効果ガスの削減やアフリカでの植林などに積極的に取り組む企業もあります。
環境に配慮した取り組みが盛ん「ノルウェー」
ノルウェーのランキングは第4位で、スコアは82.35です。2030年までに、温室効果ガスを50パーセント~55パーセント削減する目標を立てています。
首都オスロ市はヨーロッパの都市の中でも、環境改善に積極的な取り組みを行う都市です。電気自動車の優遇政策や、中心部への車の進入を制限する「カーフリー政策」が進められています。
ほかにも毎年11月に「リサイクル週間」が設けられるなど、持続可能で消費を抑えた取り組みが盛んに行われています。
(参考:『Norway steps up 2030 climate goal to at least 50 % towards 55 % – regjeringen.no』)
鉄道にクリーンエネルギーを使用「ドイツ」
ドイツのランキングは第6位で、スコアは82.18です。日本と同じく目標12と13で大きな課題を残すものの多くの目標で順調に進んでいるか、やや改善の傾向です。
ドイツでは一部の通勤列車や地方列車に、従来型のディーゼル列車に比べて最大25パーセントの二酸化炭素排出量を削減できる電車車両が使用されています。
またドイツで著名なスポーツ用品メーカーで実施される、動物性素材や合成皮革を使用しない「次世代素材」を使用した商品作りも代表的な取り組みのひとつです。消費者に身近な日用品にも持続可能な製品の導入が進められています。
(参考:『多様な分野で持続可能な製品・サービスの投入進む(ドイツ) | 欧州で先行するSDGs達成に寄与する政策と経営 – 特集 – 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ』)
日本のSDGsへの取り組み
日本でも海外に負けないように、SDGsへの取り組みが進められています。2017年から毎年アクションプランを発表し、SDGs達成に向けた具体的な取り組みを実施してきました。
『SDGsアクションプラン2023』の概要や、日本企業に深く関わる重要事項の中身について見ていきましょう。
『SDGsアクションプラン2023』の概要
『SDGsアクションプラン2023』は、日本が具体的にどのような取り組みを行うのかを可視化したものです。日本はSDGsを達成するために、以下の8つの優先課題を提示しています。
あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現
健康・長寿の達成
成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
持続可能で強靱な国土と質の高いインフラの整備
省・再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会
生物多様性、森林、海洋等の環境の保全
平和と安全・安心社会の実現
SDGs 実施推進の体制と手段
2023年5月にはG7広島サミット、同年9月には国連でSDGサミットが開催される予定です。日本は今後も、SDGsの達成に向けた取り組みを加速する方向へ向かっています。
(参考:『SDGsアクションプラン2023~SDGs達成に向け、未来を切り拓く~|外務省 SDGs推進本部』)
(参考:『持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて日本が果たす役割|外務省 国際協力局 地球規模課題総括課』)
カーボンニュートラルの実現
日本は『SDGsアクションプラン2023』の5番目『再生可能エネルギー、気候変動対策、循環型社会』への取り組みのひとつとして、カーボンニュートラルの実現を提示しています。カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることです。
具体的には、2030年度までに最低でも100か所の脱炭素先行地域を作り出そうとしています。環境面だけでなく地域の活性化のため「地域循環共生圏」を創造し、持続可能な地域作りを推進している点もポイントです。
環境省による脱炭素事業を支援するための機関設立が検討され、脱炭素事業への新たな出資制度や企業による脱炭素経営の取り組みも促進されています。
(参考:『国の取組 – 脱炭素ポータル|環境省』)
食品ロス量の低減
『SDGsアクションプラン2023』では、2030年までに食品ロスを489万トンまで低減することを目標にしています。農林水産省が発表している2020年度推計値によると、食品ロス量522万トンのうち事業系食品ロスは275万トンでした。
食品リサイクル法に基づき、食品関連事業者に対する「発生抑制の目標値」が決められている点にも注意が必要です。業種区分によって定められた目標値以下を目指す努力が、企業に求められています。
(参考:『持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けて日本が果たす役割|外務省 国際協力局 地球規模課題総括課』)
(参考:『食品ロスとは:農林水産省』)
(参考:『食品廃棄物等の発生抑制の取組:農林水産省』)
SDGs達成を助ける優秀な企業・団体の表彰
SDGs達成の助けとなる優秀な取り組みを行っている企業や団体に与えられる賞が、『ジャパンSDGsアワード』です。この賞は普遍性・統合性・変革性などの観点から、多角的に評価されます。
2023年3月の第6回ジャパンSDGsアワードで、SDGs推進副本部長(内閣官房長官)賞を受賞した『TABETEレスキュー直売所プロジェクト共同体』の例を見てみましょう。
TABETEレスキュー直売所プロジェクト共同体は鉄道会社・農業組合・教育機関などと連携し、埼玉県東松山市周辺5か所の直売所で売れ残った商品を当日中に電車で都心へ運び、再販売する取り組みを実施しました。農産部の一部は子ども食堂に寄付しています。
食品ロスと二酸化炭素排出量の削減の両方を満たしているだけでなく、貧困・農業・教育など各分野と関連付けて課題解決に当たっている点が高く評価されました。
(参考:『ジャパンSDGsアワード | JAPAN SDGs Action Platform | 外務省』)
(参考:『【TABETEレスキュー直売所】がジャパンSDGsアワードでSDGs推進副本部長表彰を受けました/東松山市ホームページ』)
SDGs推進に向け日本の企業ができること
SDGs推進のために行動を起こしたくても、具体的に何から始めればよいのか分からない方もいるでしょう。日本の順位を上げるには、全ての企業において脱炭素や食品ロスの削減に対する取り組みが必要です。
SDGs達成を目指すことで企業が得られるメリットから、取り組み方のポイントを紹介します。
中小企業でできる脱炭素への取り組み
カーボンニュートラルを実現するには、廃棄物の削減や再生可能エネルギーの使用が求められます。廃棄物を出さないようにするには、不必要な在庫を抱えないように在庫管理システムを導入する方法が効果的です。
生産活動に温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーを取り入れたり、リサイクル可能な材料を使ったりする方法もあります。
企業が脱炭素に取り組むと、事業者が受けられる支援や補助金の制度を活用できたり、省エネ・再生エネルギーの使用によるコスト削減が見込めたりする点がメリットです。
食品ロスの削減
企業が食品ロスの削減を行うには、需要予測の強化や賞味期限が迫った食品を値引き提供す
るといった方法があります。外食産業の場合、食べ残しを持ち帰れるサービスの提供も効果的な対策です。
食品ロスを減らせば廃棄物の量が減り、二酸化炭素排出量を減らすことにもつながる上、廃棄物を処理するためのコストも削減できます。
また、まだ食べられる状態の食品を捨てることに抵抗感を持つ消費者は少なくありません。食品ロスへの取り組みを大々的に進めることで効果的なアピールになり、企業のイメージアップを目指せるメリットもあります。
DXはSDGs推進にどう貢献するのか
DXは日本がSDGsを推進するために、重要な取り組みといえます。DXとSDGsを切り離して考えるのではなく、企業が社会問題を解決するためにできることと、ITツールやデジタルを活用して企業が変革した先にあるものを結び付けて考えることが大事です。
DXとSDGsの関係性や、企業と社会の両方にメリットをもたらしてくれる方法を見ていきましょう。
DXはSDGsを推進するための手段
DXは経済発展と社会的課題の解決を実現する手段として、国が推進しています。SDGs推進のためには、デジタル技術を上手に使いこなすことが重要です。これまで以上に効果的にAIやビッグデータを活用できるようになれば、社会課題を解決へと導ける可能性があります。
日本政府や経団連はDXによって社会を変革し、豊かな生活をする理想的な未来を目指すために『Society 5.0』を提唱しています。
(参考:『Society 5.0 – 科学技術政策 – 内閣府』)
データ活用で無駄な在庫を減らせる
在庫管理にはヒューマンエラーが付き物です。ネット通販と店舗で在庫を共有していたり大量の製品を扱っていたりするケースでは、在庫管理が複雑化してミスが起こりやすくなります。
人力による管理だけに頼らず在庫管理システムを導入すれば、欠品や過剰在庫の予防に効果的です。無駄な在庫を減らすことは、食品ロスや二酸化炭素排出量の削減につながります。
データの分析が得意なAIを活用すれば、扱うデータの量が膨大でも正確に在庫計算ができます。在庫管理の効率化や省人化を目指せるでしょう。
精度の高い需要予測で食品ロスを削減できる
需要予測は小売業界の売上予測や、飲食業界の来客予測など幅広い業界において欠かせません。高い精度で需要予測ができれば、受発注の最適化に役立ちます。
食品業界でAIによる機械学習で精度の高い需要予測が実現すると、食品ロスの削減が可能です。あらかじめ何がどれだけ売れるのかを予測し、無駄を削減しながら売上アップを目指しましょう。
ベテランの勘や経験だけに頼った仕入れをしなくてよくなり、属人化を解消できる点も魅力です。
TRYETINGの『UMWELT』でSDGs推進の一歩を
AIの導入がSDGs達成に効果的だといわれても、いざAIを導入しようとするとITや専門知識を持つ人員を確保しなければならず、ハードルが高いと考えがちです。関心があってもコストの問題が気になり、実際の導入に二の足を踏んでしまうケースもあるでしょう。
TRYETINGの『UMWELT』はプログラミングを必要としないノーコードツールなので、運用する人を選びません。社内で一からAIを扱うための人材を育成する必要がなく、スムーズに運用を開始できます。
使用人数や利用量に料金が左右されない定額制で、コストを抑えやすい点も好評をいただいているポイントです。
(参考:『UMWELT|ノーコードAIクラウド|TRYETING Inc. (トライエッティング)』)
まとめ
海外のSDGs達成状況を見ると北欧諸国が上位を独占しており、日本はまだまだ十分とはいえないレベルにあると分かります。今後もSDGs達成への取り組みはますます加速し、企業にも高いレベルでの貢献が求められるようになるでしょう。
DXにより効率よく在庫管理をして無駄な在庫を持たないようにしたり、再生可能エネルギーに転換したりといった施策はSDGs達成に効果的な取り組みです。
廃棄物や食品ロス、エネルギーコストの削減は、企業にとってもコストを抑えられるメリットがあります。生産性を高めるための方法を実践し、SDGsの達成を助ける優良な企業を目指しましょう。
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