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物流の自動化とは?システム導入のメリットとテクノロジーを紹介
目次
近年、物流業では産業用ロボットやITテクノロジーの導入による倉庫内の自動化が進められています。
業務の自動化は、eコマース(電子商取引)市場の拡大に伴う需要増加に対し、物流が抱える課題を解決するための施策です。では、実際にどのようなシステムを導入しているのでしょうか。
この記事では、物流を自動化する意味と背景、導入されているテクノロジー、自動化によって得られるメリットを詳しく紹介します。
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物流の自動化とは?
物流倉庫では、商品の出入庫、保管、検品、仕分けなどのさまざまな業務が行われています。物流の自動化とは、これらの業務をロボットや機械などのシステムに置き換えることです。
システムは作業内容によって多種多様で、物流倉庫における多くの業務が自動化できます。物流業では、業務の効率化や生産性の向上を図る手段として、システムの導入を進める企業が増加しています。
物流倉庫の自動化が進む背景
物流業では、輸送手段や積み下ろし作業の機械化、管理業務のIT化など、段階的に仕組みが進歩しています。特に近年は物流需要の増加に伴い、物流倉庫に産業用ロボットやシステムを導入する企業が増加しました。
物流倉庫の自動化は、物流業の課題となっている労働力の低下や物流需要増加への対応に必要な取り組みです。これらの背景を詳しく見ていきましょう。
物流需要の増加
インターネットの普及や新型コロナウイルス感染症の影響により、通信販売を利用する方が年々急増しています。
国土交通省の発表では、eコマース(電子商取引)市場の拡大に伴い、宅配便の取り扱い数は過去5年間で23.1%増加しました。2022年8月に発表された「宅配便取扱実績」で見てみると、2022年度は49億5,323万個で、2021年度より約2.4%増となっています。
こうした需要の増加に対応するためには、物流の自動化は欠かせない取り組みです。
人手不足
近年、物流業では少子高齢化による人手不足と、それに伴う労働力の低下や高齢ドライバーの増加が課題となっています。
人手不足や高齢ドライバーの増加は、輸送手段の確保に影響します。長距離の輸送は、企業によるリードタイムの延長や中継地点でのスイッチ輸送への切り替えなどで人手不足を補っているのが現状です。
今後のeコマース(電子商取引)市場の拡大を考えると、人手不足問題の解決と業務効率化のために自動化が必須です。
物流を自動化するテクノロジー
物流の自動化に役立つテクノロジーは、作業内容によってさまざまなものがあります。企業の課題を考慮し、どのようなシステムを導入するかを考えれば、スムーズな導入ができるでしょう。
物流を自動化させるテクノロジーは、4つに分類できます。それぞれのテクノロジーやシステムを確認し、自社に適切なシステムを見つけましょう。
搬送用ロボット
商品の搬送を代行するのが自動搬送用ロボットです。走行形態によって「無人搬送ロボット(AGV)」「自律走行搬送ロボット(AMR)」「棚輸送ロボット(GTP)」の3つに分けられます。
「無人搬送ロボット(AGV)」は、倉庫床に設置した誘導体に沿って移動するロボットです。誘導体の設置に手間がかかりますが、スピーディーで効率の良い作業ができます。
「自律走行搬送ロボット(AMR)」は、自動でルートを算出、自律走行をするロボットです。走行ルートが決まっていないため、障害物の回避行動ができます。
「棚輸送ロボット(GTP)」は、ピッキング商品を棚ごと移動するロボットです。棚を下から持ち上げて倉庫内を自由に動きます。
それぞれのロボットに特徴があるため、倉庫内の広さや用途に合わせて導入しましょう。
検品システム
物流倉庫における検品業務は、製品の品質安定や作業ミスの削減に重要な役割を果たします。
導入されている主なシステムは「デジタルピッキングシステム(DPS)」「デジタルアソートシステム(DAS)」「ハンディ検品システム」の3種類です。
DPSは、全ての保管棚とコンテナにデジタル表示器を取り付け、ハンディターミナルを使ってピッキング商品や数量を確認します。
DASもDPSと同じく表示器を使用しますが、取り付けるのは納品先への搬入ユニットです。納品先の仕分けができるシステムとなっています。
ハンディ検品システムは、ハンディターミナルとバーコードを使う仕組みです。出入庫や在庫管理の際に使われることが多く、タブレット端末と連動して利用する場合もあります。
倉庫内管理システム
物流倉庫内の運営を一元で管理するのが「倉庫管理システム(WMS)」です。バーコードやラベルによって商品の出入庫や在庫が常に把握できるため、物流プロセスの効率化を図れます。
システム側での正確な商品管理により、受注バランスの調整や機会損失の防止にも役立つでしょう。
また、WMSはラベルの発行や帳票の作成も可能です。事務作業の効率化で人件費も削減できます。
その他の自動化システム
物流倉庫内だけではなく、輸送においても自動化システムの導入が検討されています。無人で宅配便を配送するロボットや、ドローンを活用した輸送はいまだ実験段階ですが、トラックドライバーの負担を軽減できる画期的なシステムです。
また、パレタイザーによる重たい荷物の積み上げや、梱包表示ラベル(SCM)・事前出荷通知データ(ASN)による伝票発行や検収も自動化できます。
自動化が物流に与えるメリット
物流倉庫では、物流需要の増加に伴う人手不足や商品管理の複雑化など、さまざまな課題があります。これらの課題は、ロボットや機械などのITテクノロジーの導入で解決が可能です。
自動化が物流に与える4つのメリットを紹介します。
生産性の向上
搬送システムや検品システムを導入すれば、24時間365日休みなく物流倉庫を稼働できます。人が行う作業は休憩や休暇により稼働できない時間が生まれますが、ロボットなら休憩する必要がありません。常時稼働が可能になれば、生産性がより高まるでしょう。
冷凍・冷蔵倉庫や危険物取扱倉庫も、システムの導入によりスムーズに作業できるようになります。業務の効率も上がるでしょう。
品質の安定
物流品質の良さは、商品の梱包や保管環境が適切であるか、輸送時に破損がないかなどで決まります。人が行う作業では、知識や経験不足によるミスにより、品質が下がってしまう可能性があります。
ロボットや機械を導入すれば、倉庫内の出入りが減ることでの異物混入の可能性や、冷凍・冷蔵倉庫の温度変化を防ぐこともできるでしょう。
品質管理は企業評価にもつながるので、自動化による品質の安定は大きなメリットです。
人件費の削減
物流倉庫を自動化すれば、人手が必要であった作業をロボットに任せられます。そのため、人材の確保に必要な求人コストや人材育成コストの削減が可能です。作業に必要な人材を減らせば、他の業務に人材を配置できるため、業務の効率化も実現します。
自動化でのシステムの導入やメンテナンスにコストはかかりますが、今後も懸念される労働力不足を考えると、省人化のほうがコストを抑えられるでしょう。
事故リスクの軽減
物流業では、作業ミスによるけがや事故、輸送時の交通事故などのリスクがあります。ロボットや機械の導入によって従業員による作業ミスが減れば、事故リスクの軽減が可能です。輸送の自動化が進むことにより、交通事故のリスクも軽減できるでしょう。
倉庫内の業務を常時監視できるシステムや、ロボット・機械のエラーを事前に予測できるシステムを導入すれば、大きなトラブルになる前に対応できるようにもなります。
自動化によるデメリットや課題
物流の自動化は、業務効率や生産性向上、事故リスク削減などのさまざまなメリットがあります。一方で、導入コストやシステムトラブル、新しいマニュアルの作成などの課題があることも把握しておきましょう。
システム導入前に知っておきたいデメリットや課題を紹介します。
導入・メンテナンスにコストがかかる
物流の自動化にはロボットや機械、システムの導入が必要です。導入には初期費用やランニングコスト、メンテナンス費用がかかります。
導入するシステムや機械によって費用は異なりますが、汎用性の高い設備ほど高額です。どの業務を自動化するのか、削減できるコストはどのくらいかを考慮した上で、必要なシステムを検討しましょう。
新体制の構築が必要
自動化による新しいシステムや機械の導入には、業務マニュアルの作成・再構築が必要です。倉庫内で働く従業員は新マニュアルを確認し、機械の使い方や業務フローを学ぶ必要があります。
また、自動化によって業務内容が一新する場合もあります。余剰人員の再配置や労働時間の調整なども必要になるため、新体制を構築するのに時間がかかることもデメリットです。
トラブルによる業務停滞の可能性がある
自動化は便利ですが、システムトラブルや故障には注意が必要です。自然災害による停電やシステム障害、急な故障は、導入しているシステムや機械が多いほど深刻な問題となります。
トラブルによって業務が停止してしまうことは大きな損失です。トラブルへの対処方法の事前周知や設備管理、メンテナンスの強化が必要になるでしょう。
物流の自動化にはTRYETINGの『UMWELT』が役立つ
物流の自動化を進めるなら、TRYETINGの『UMWELT』が役立ちます。UMWELTは、商品の在庫管理や自動シフト作成、API連携などができるノーコード予測AIプラットフォームです。
UMWELTの魅力や、実際の導入事例を紹介します。
在庫管理や需要予測が可能
UMWELTは、データ収集やデータクレンジングなどの前処理、3列データによる需要予測、プログラミング不要の機械学習や在庫管理、APIによるさまざまなシステムとの連携ができるシステムです。
物流業においては、主に出入庫、保管する商品の管理、物流需要の予測、最適な配送ルートを導く機械学習などに役立ちます。倉庫内で使用していた基幹システムや外部サービスとの連携も可能なため、スムーズに導入できるでしょう。
UMWELTを導入した自動化の事例
UMWELTを活用されている3Gサポート様は、工場の自動化技術を促進するシステムを開発されているテック企業です。トラック物流改善システム『AieDia(エアダイア)』のAI実装にあたりUMWELTが導入されました。
UMWELTの活用で、荷物量や作業時間の予測、トラックダイヤの最適化や作成工数の削減が可能となり、ドライバーの待機負担を軽減させました。
『【3Gサポート様】UMWELT活用事例|補助金活用でトラック物流改善システムに荷物量や作業時間を予測する機能を実装』
まとめ
物流の自動化は、業務効率や生産性の向上、コストの削減や品質の安定性が見込めます。導入するロボットや機械、システムによって得られるメリットが異なるため、導入前にどのようなテクノロジーがあるのかを確認しておきましょう。
物流における商品や設備、配送の管理には、UMWELTがおすすめです。既存システムとの連携が可能なので、スムーズな導入が可能です。また、導入時にはUMWELTの使用方法や需要予測、機械学習などの講習も実施しています。
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