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DXの推進にメタバースは必要?それぞれの特徴や活用シーンをチェック!
目次
インターネット上の仮想空間を意味する「メタバース」は、近年、多くのビジネスシーンで注目を集めています。メタバースは、企業の展示会やイベント、ライブだけでなく、観光や教育など、多くの分野で活用できる可能性を秘めた技術です。
本記事では、DXやメタバースの特徴、メタバースで実現できることについて解説します。
▼更にDXについて詳しく知るには?
DXとはどのようなもの?導入が求められる理由やメリット・デメリットを解説
▼社内のデータをAI化するには?
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DXやメタバースの基礎知識
DXやメタバースは世界的に注目されているトピックスですが、いまひとつどのような意味を持つ言葉なのか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これからDX推進に取り組む方や、メタバースに興味があるという方のために、まずはDXやメタバースの基礎知識から解説します。
DXとは?
DXとは、「Digital Transformation/デジタルトランスフォーメーション」の略称です。デジタル技術を活用して製品やビジネスモデルを変革し、企業風土までも改革して、市場における他社への競争力を高めることを目的として行われます。
従来のビジネスモデルはアナログな面が多く、データを統合的に活用できなかったり、人の手で定型業務を行ったりしていました。このようなアナログな部分を改善していくことで、企業にとっても顧客にとっても大きなメリットがもたらされます。
メタバースとは?
メタバースとは、「高次の」を意味する「メタ(meta)」と「宇宙」を表す「ユニバース(universe)」を掛け合わせた造語です。メタバースは、ユーザーが自由に活動できる、インターネット上の仮想空間のことを指しています。
メタバースを活用することで、仮想空間でイベントを開催したり、ゲーム上でコミュニケーションを取ったりすることが可能になります。また、ビジネスでもアバター(仮想空間での自分の分身)を使ってオンライン会議を行うなどの目的で活用できます。
DXとメタバースの違いや関係性
前述のように、DXは「デジタル技術を活用して製品やビジネスモデルを変革すること」「市場における他社への競争力を高めること」が目的です。つまり、DXは目的として用いられるものです。
一方のメタバースは、インターネット上に作られた仮想空間そのものを指しています。メタバースによって新たに形作られた空間は、「デジタル技術を活用して変革された新たな空間」です。このことから、メタバースはDXの一環とも考えられます。
メタバースはどんなことができる?
メタバースを活用することで、仮想空間の自由な構築や世界中の人々との交流、イベントの開催や体験など、これまでにはできなかったさまざまなことが可能になります。物理的な制約で難しかったさまざまなことをインターネット上の仮想空間で実現できるのが、メタバースの特徴です。
ここでは、メタバースでできる3つのことを詳しく解説します。
仮想空間の自由な構築
メタバースの技術を活用することで、仮想空間の自由な構築が可能です。インターネット上に街を作ってユーザーを住まわせることができたり、森や海などの自然環境を形作ってユーザーが自由に散歩したりすることができます。
近年、さまざまな企業や個人が作成したメタバースが登場しており、プラットフォームによって世界観は多種多様です。ユーザーはその中から自分が気に入ったメタバースに自由に参加し、世界観を楽しめます。
世界中の人々との交流
メタバースを活用すると、世界中の人々と物理的な制約を受けずに交流することができます。メタバースが形作る仮想空間は、インターネットがあればどこにいても自由に出入りが可能です。したがって、日本とブラジルのように地球の反対側にいる人同士が、同じ時間に違う拠点から、あたかも同じ場所にいるかのように交流することが実現します。
海外に訪れることが難しい人でも、メタバースを使えばさまざまな国の人々とコミュニケーションをはかれます。
イベントの開催や体験
メタバース上でイベントを開催したり、体験したりすることもできます。例えばあるアーティストがメタバースで形作られた空間にアバターを設定して入り、そこに設置されたライブ会場でイベントを行うことなどは、既に何度も催されています。
メタバース上でのアーティストのライブは、ユーザーが同じメタバース世界のライブ会場に向かうだけで、地球上のどこにいても気軽に参加することが可能です。他にも、メタバース上で企業の新商品の展示会を行ったりするなどの使い方も模索されています。
メタバースで盛り上がる事業例
メタバースで盛り上がる事業の例として、オンラインオフィスや会議、ライブ・イベント、ゲーム、観光、教育などが挙げられます。拠点同士の距離があるビジネスや、世界を舞台にしたライブ、世界中からユーザーを募るゲームなど、使い方はさまざまです。
ここでは、メタバースで盛り上がることが予想される5つの事業例を紹介します。
オンラインオフィスや会議
オンラインオフィスや会議は、メタバースの活用が期待されている事業の最たる例です。メタバースを活用したオンラインオフィスでは、仮想空間上に自社のオフィスを設置して、社員は自身のアバターを使ってオンラインオフィス上に出勤します。
オンラインオフィスを活用すると、現実世界のオフィスに出勤することなく、世界のどこからでも自社のオフィスに出社して同僚と仕事ができます。また、オンラインオフィス上で社員が集合し、会議を行うことも可能です。
ライブやイベント
前述のように、ライブやイベントにもメタバースを活用できます。アーティストをメタバース上に招いてライブを行う例は「イベントの開催や体験」の項で解説した通りですが、他にもセミナーや講演会、スポーツのパブリックビューイングなどに活用できます。
講演者がメタバース上のセミナー会場に入り、ユーザーはメタバース上の傍聴席に着席することで、世界のどこからでも気軽にセミナーを開催することが可能です。また、スポーツのパブリックビューイング会場を設けることで、離れた場所にいる人同士がスポーツ観戦を楽しめます。
ゲーム
近年のオンラインゲームでは、プレイヤーのアバターを作成してメタバース上に参加する形式のものも数多く登場しています。このようなオンラインゲームでは、プレイヤー同士が自身のアバターを通してコミュニケーションをはかれます。
中にはプレイヤー同士が協力してミッションをこなす場面もあるなど、従来のようにあらかじめ用意された物語を追いかける形式のゲームだけでなく、メタバースを活用することでよりリアルなゲーム体験を提供できます。
観光
観光の分野では、観光地の有名な建物や街並みをメタバース空間上に再現して、ユーザーを散策に招待するツアーイベントなどを実施できます。メタバースを活用することで、観光地に直接訪れることができない人でも、気軽に現地の建物や街並みを体感することが可能です。
自治体が建物の歴史や街の文化を広く知ってもらうための広報活動として活用するほか、ユーザー側にとっても、自宅にいながらさまざまな土地の文化に触れることができるというメリットがあります。
教育
教育の分野では、メタバース上で交換留学を行うなどの使い方が可能です。メタバースはインターネットに接続できる環境と、通信を行うための端末を用意できれば、世界中のどこからでも参加ができます。
そのため、遠方の国同士のユーザーをメタバース空間上に招待し、アバターを通して生徒同士の交流をはかれるのです。実際に海外へ留学するのは膨大な費用がかかりますが、メタバース空間上での留学であれば、インターネット環境を整える費用と端末の購入費用のみで済みます。
DX推進企業のメタバース活用事例
近年では、日本国内でもDX推進企業がメタバースを活用する例が増えてきています。
ここでは、地球温暖化問題について取り扱うツアーを開催するためのメタバース空間を設置した日産自動車、オンラインゲームのプラットフォーム上にメタバース空間を設置したNIKE、デジタルファッションのためのメタバース活用を進めているサイバーエージェントの、3つの事例を紹介します。
日産自動車
日産自動車では、2022年1月11日に地球温暖化問題を考えるための「NISSAN CROSSING(日産クロッシング)」と呼ばれるメタバース空間を、期間限定でオープンしました。
このメタバース空間では、同社が販売する電気自動車の「アリア」を配置して、世界における地球温暖化問題をテーマに「日産アリアとめぐる環境ツアー」というツアーが開催されました。ユーザーが気軽に参加しやすいメタバース空間を通じて、地球温暖化問題について考える機会をユーザーに提供しているイベントの事例といえるでしょう。
NIKE(ナイキ)
NIKEでは、同社が提供している「Roblox」と呼ばれるオンラインゲーム上に、メタバース空間の「NIKELAND」を開設しています。NIKELANDには、現実世界のNIKE本社に似せた建物が設置されており、ユーザーはアバターを作成してNIKELANDに遊びに行くことで、空間内の施設で多くのスポーツを体験できます。
また、NIKEはデジタル化の加速を目標に掲げており、2021年12月にはバーチャルスニーカーなどを手がける「RTFKT」も買収しています。今後、メタバース空間でのスポーツウエアをはじめとしたデジタル資産販売を行っていきたい考えです。
サイバーエージェント
サイバーエージェントでは、2022年5月に「Meta Fashion Factory」と呼ばれるファッション研究・事業開発を目的とした専門組織を立ち上げています。同組織は、芸能人ファッションデザイナーやクリエイターとの協業推進や、芸能人のデジタルファッションブランドをプロデュースすることを目的として立ち上げられました。
サイバーエージェントではメタバース空間でNFT(偽造や改ざんを防止するブロックチェーン技術)を活用したデジタルファッション販売に着目しており、デジタルファッションの研究や制作、販売プロデュースを行っていきたい考えです。
DXやメタバースの次を考える最新技術
DXやメタバースの次世代技術として、VX(バーチャルトランスフォーメーション)やデジタルツインが注目を集めています。デジタル技術や仮想空間をさらに複雑に活用することで、今後、私たちの生活は大きく変化していくと考えられます。
ここでは、DXをさらに発展させたVXと、仮想空間上に「双子」を作成するデジタルツイン技術について詳しく解説します。
VX
VX(Virtual Transformation/バーチャルトランスフォーメーション)とは、「現実世界と仮想空間を融合する変革」を表す言葉です。
前述のように、DXとは「デジタル技術を活用してビジネスモデルや組織風土を改革すること」です。一方のVXは、DXを実現する方法を仮想空間に求める点で異なっています。
例えば、DXを目的とした一般的なチャットボットは、現実世界のWebサイトなどに設置されます。しかし、VXにおいては、アバターや仮想空間上のデジタルヒューマンがユーザーの疑問に答えてくれます。
デジタルツイン
デジタルツインとは、現実世界から収集したあらゆるデータを、別の仮想空間上に全く同じ双子のように再現する技術を指します。企業がセンサーなどを活用して自社のさまざまなデータを取得し、それを仮想空間上で再現することで、今後の経営判断を行うためのさまざまなシミュレーションが可能になります。
デジタルツインによって再現した仮想空間上で行うシミュレーションは、自社製品の改善や新商品の開発、生産ラインの稼働計画などを決定する上で重要な手掛かりとなります。
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まとめ
インターネット上の仮想空間を意味するメタバースは急速な広がりを見せており、多くのプラットフォームが誕生しています。企業が展示会やイベント、ライブ開催などに利用する例も増えてきており、観光分野や教育分野でも活用が期待されています。
DXやメタバースの次世代技術として、VXやデジタルツインなどの新技術にも注目が集まり始めています。仮想空間を中心とした技術は今後も発展し、さらに私たちの生活やビジネスを変革していくことでしょう。
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