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自動発注システムの特徴とは?運用で失敗しないためのポイントも紹介
目次
自動発注システムは、スーパーマーケットを代表とする小売業はもちろん、製造業や飲食店などでも利用されている技術です。発注業務の効率化において欠かせないシステムで、今まさに自社への導入を検討している方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、自動発注システムの仕組みや運用におけるポイントを紹介します。
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自動発注システムの仕組み
自動発注システムは、商品の販売数や需要などのデータを分析し、基準となる在庫量に達すると自動で発注をかけるツールです。便利なシステムですが、適切な運用をするにはロジックを知る必要があります。
基礎知識として、自動発注システムが稼働する仕組みや種類を確認しておきましょう。
欠かせない要素
自動発注システムの仕組みにおいて、欠かせない要素となるのが発注点です。商品の在庫量が発注点に達すると、自動で発注を行います。発注点の設定で使用する数値は、以下3つの要素です。
・1日の平均出荷量:1日の販売数もしくは使用量
・調達期間:発注〜納品までの期間もしくは生産〜完成までの期間
・安全在庫:欠品を防ぐために最低限確保しておく在庫量
発注点は「1日の平均出荷量×調達期間+安全在庫」で計算できます。
自動発注システムの種類
自動発注システムは、主に3種類が普及しています。
・AI需要予測型自動発注システム
季節や月・曜日・イベント時などの販売数をAIが分析し、需要を予測します。得られたデータから、適切な数量を自動で発注するシステムです。
・自動補充発注システム
過去のデータから販売数と在庫数の関係を分析し、基準在庫数量を計算します。設定された基準在庫数量を現在の売上と在庫へ反映させて、発注量や時期の決定を自動で行うシステムです。
・IoT機器による自動発注システム
商品の在庫を載せて、遠隔で管理します。重量で在庫を管理し、少なくなると自動で発注するシステムです。
自動発注システムの発注方式
自動発注システムには主に「セルワン・バイワン方式」「簡易発注方式」「需要予測型発注方式」の3種類があります。それぞれで発注の仕組みや特徴が異なるため、自社の販売データに合わせた方式を選ぶことが大切です。
ここからは、自動発注システムで利用される3つの発注方式を紹介します。
セルワン・バイワン方式
商品が売れたら、その売れた分の数量を発注する方式です。商品ごとに基準となる数量を設定し、基準数量を売り上げたら自動で発注されます。仕組みは単純であるものの、基準数量の設定によってはデメリットとなるでしょう。
例えば、基準数量を実際の販売数量より多く設定した場合は在庫を抱え、反対に少なく設定すると搬入や物流の作業量・コストが増加してしまいます。適切な運用を実現するためには、過去の売上データを分析したり、定期的に基準数量を見直したりすることが必要です。
簡易発注方式
簡易発注方式は、購買にかかるコストを削減するための方法です。ネジや小さな部品などの重要度が低いような商品に使用します。
簡易発注方式には「ダブルビン方式」と「補充方式」の2種類があり、それぞれの特徴は以下のとおりです。
・ダブルビン方式
商品在庫を保管する棚や箱を2つに並べ、片方を使い切ったら棚や箱へ商品を補充する方式です。片方の棚や箱には常に満杯の在庫がある状態にし、繰り返して行います。
・補充方式
基準となる数量を使用したら、その分を発注する方式です。在庫を抱えるリスクがあるため、数量の把握が難しいものや在庫不良となっても損失が少ない商品などに使用されます。
需要予測型発注方式
AIなど商品の需要を予測できるシステムによって、自動発注する方式です。自分で発注の基準点を決める必要がなく、発注量や発注タイミングのミスなどが減ります。
商品の需要は季節やイベントの開催などで大きく差が出るため、発注のタイミング・数量もその都度変動します。需要予測型発注方式を用いれば、過去の販売データから予測される需要数の自動発注が可能です。
しかし需要予測は確実とはいえないため、急な市場変化などに対応できないこともあると理解しておきましょう。
商品に合わせた発注方法を
発注方法は主要な3つ以外にもさまざまなものがありますが、導入するときは商品に合わせたシステムやツールを選ぶことが大切です。例えば、時期や季節などで需要が変動する商品は、その都度発注量を決める「不定量不定期発注方式」が適しています。
また発注の手間やコスト削減する場合は、契約によって取引先から定期的に発注する「同期化発注方式」がおすすめです。他にも在庫不良を発生させたくない商品であれば、在庫数と販売計画に沿って商品を発注する「分納発注方式」を利用するとよいでしょう。
商品の販売数や使用量は、市場の変化や世間の流行などあらゆる影響を受けます。適切な在庫管理を行うには、定期的に発注方法を見直したり状況に応じた方法で発注したりするのが大切です。
自動発注システム導入のメリット・デメリット
自動発注システムは、技術の発展によりさまざまなツールやソフトが開発されています。導入すれば企業に多くのメリットをもたらしますが、もちろんデメリットも存在するため慎重な検討が必要です。
ここでは自動発注システムのメリット・デメリットを紹介します。活用する場合は、それぞれを踏まえた上で導入しましょう。
メリット
自動発注システムを導入すると、以下のようなメリットが得られます。
・発注に関わる業務の削減
・人的コストの削減
・人為的なミスの防止
・在庫切れによる売上損失の防止
発注業務や人的コストの削減など、人為的な工数の削減が自動発注システムにおける大きなメリットです。AIシステムを搭載したものだと、発注だけでなく過去の販売データを用いて需要予測まで実行してくれます。需要に合わせて漏れることなく供給できれば、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
デメリット
自動発注には、業務の効率化や負担の削減など多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットもありします。それが以下のとおりです。
・自動発注システムを使いこなせていない
・需要予測や発注業務の知識が育たない
・導入にコストがかかる
・データ分析不足や発注点の計算不足でミスが生じる
自動発注システムとはいえ、万能ではありません。商品ごとや対応できない需要の変化などに合わせて、自動化を利用するかどうかをその都度判断することが大切です。スムーズな運用を実現するために、導入前はシミュレーションを行いましょう。
自動発注システムの運用で注意したいポイント
ておく必要がある「判断のタイミング」「安全在庫の量」「発注量」の3つです。
ここでは自動発注システムの運用に欠かせない3つのポイントと、それぞれの計算方法を解説します。
判断のタイミング
判断のタイミングとは、商品発注の基準となる発注点のことです。発注点は以下の計算方法で算出されます。
発注点=1日当たりの販売量×発注リードタイム+安全在庫
例として、1日に500個を売り上げる商品の場合を考えてみましょう。発注から納品に5日かかる(発注リードタイム)とすると、在庫数2,500個(+安全在庫)が発注点となります。
計算は簡単でロジックも単純ではありますが、正確な数値は算出できません。需要によって販売量は常に変動し、計算通りの発注では間に合わない可能性もあります。しかし自動化で蓄積された膨大な販売データを分析すれば、より正確な発注点を設定できます。
安全在庫の量
安全在庫とは、一般的な需要に対応する以外に最低限確保しておく在庫です。世間のトレンドによって需要が急激に増加したり、製造の中断などで納品がストップしたりした場合でも、安全在庫があれば売上の損失を防げます。計算方法は以下のとおりです。
安全在庫量=安全係数×使用量の標準偏差×(発注リードタイム+発注間隔)の平方根
欠品を許容する割合(安全係数)と需要のばらつき(標準偏差)、発注に関する期間(発注リードタイム+発注間隔)によって算出されます。自動化することで、過去の膨大な販売データから適切な安全在庫を算出できます。
発注量
自動発注では、適切な発注量設定も大切です。発注量にミスが生じると、欠品による売上の損失や不良在庫の発生につながります。
発注点で設定した数量を発注する方法を「定量型発注」、需要に合わせた数量を定期的に発注する方法を「定期発注型」といいます。定期発注型は以下の計算式は以下のとおりです。
発注量=(調達期間+発注サイクル期間)×需要推定量+安全在庫-発注時の在庫量
需要予測型システムで自動化をすると、需要に合わせて発注量が調整できるため業務が効率化します。
『UMWELT』の自動発注システムで生産性アップを実現
自動発注を利用すれば、業務の効率化や生産性の向上につながります。しかし自動発注システムを搭載したツールやソフトウエアは多くあるため、どれを選べばよいか分からない方もいるのではないでしょうか。
そこでおすすめなのがTRYETINGの『UMWELT』です。ここではUMWELTのメリットや成功事例を紹介しますので、自動発注の導入を検討している方は参考にしてください。
信頼できる需要予測
TRYETINGの『UMWELT』は、ノーコード予測AIを搭載しています。自社に蓄積した膨大な販売データから、発注量の需要予測が可能です。また在庫管理や自動発注もこなすため、業務の効率化が期待できます。
データの精査ができていない場合でも、欠損値などを埋めるデータクレンジングのアルゴリズムが搭載されており、大幅な工数を削減できるのも魅力です。
コストも削減
UMWELTは素早く導入できる上に、コストの削減も実現しました。すでに多くの企業様が導入しており、導入期間が75%・費用は90%削減の実績を誇ります。ノーコードのため専門的な知識は必要ありません。
導入時には、UMWELTの使用方法や基礎的なAIの知識が学べる講習会を実施しています。また運用に躓いた場合でも、カスタマーサクセスによるサポートも受けられるため安心です。
成功事例
UMWELT導入の実績として、オルビス様の成功事例を紹介します。
オルビス様の課題は、市場の変化に合わせた需要予測や在庫管理の改善です。
UMWELTを導入したところ、既存のシステムでは対応できなかったBtoB商材の需要予測を実現しました。今後は、UMWELTによる需要予測・在庫管理のデータを活用して、新商品の予測も予定されています。
(参考:【オルビス様】UMWELT活用事例|市場の変化で複雑化するサプライチェーンマネジメントに対応)
まとめ
自動発注システムにはさまざまな発注方式があるため、商品の販売データに合わせて選ぶことが大切です。また事前に発注点や発注量・安全在庫を計算して、スムーズな運用を心掛けましょう。
『UMWELT』の自動発注システムなら、需要予測はもちろん、膨大なデータの収集や解析なども可能です。TRYETINGのウェブサイトで資料のダウンロードや無料相談ができますので、ぜひ気軽にお問い合わせください。
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