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AI開発競争は特許でも白熱!認定のポイントなどを詳しく解説
目次
AI(人工知能)はすさまじいスピードで技術発展しており、近未来の社会において、各分野でAIが活躍すると予測されています。そうした中で、AI開発競争が各国で激化するとともに、AI特許が盛り上がりを見せています。本記事では、AI特許の概要と認定にいたるポイントについて詳しく解説します。
▼更にAIについて詳しく知るには?
AI(人工知能)とは?導入するメリットと活用例やおすすめのツールを紹介
▼社内のデータをAI化するには?
ノーコードAIツールUMWELT紹介ページ(活用事例あり)
AI特許とはどういったもの?
AI特許とは、具体的にどのような特許なのでしょうか。まずはAIについておさらいをし、続いて、AI特許の概要と現状の出願率について見ていきます。
AI(人工知能)とは
AIとは、Artificial Intelligenceの略称で、人間が思考したり学習したりといった知的ふるまいの一部を人工的に再現したものです。AIは、大量のデータからコンピューター自らが学習し、ルールやパターンを見つけ出します。
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AI特許とは
特許とは、新しく発明したものについて、政府が発明した人や会社だけに作って売る権利を認めることで、「特許権」と呼びます。AI特許には、主にAI自体の技術に関する特許と、システム内にAIを組み込み、推論を利用して目的を達成する特許の2種類があります。
AI特許の出願率
特許庁の『AI関連発明の出願状況調査』によると、日本におけるAI特許の出願件数は、2014年の1,084件に対して、2019年には5,045件と急伸しています。なかでも、ディープラーニングを中心とした機械学習の出願件数の増加が顕著です。
また、世界的に見ても、特許件数は増えています。世界知的所有権機関(WIPO)の『WIPO Technology Trends 2019 – Artificial Intelligence』によれば、AI特許出願大国の中国が1位、世界的なIT企業であるGoogle社やMicrosoft社に代表されるアメリカが2位、日本が3位につけています。今後も、AI特許の出願件数は増加していくものと予想されます。
AI特許の重要性
これほどまでに、AI特許の出願率が増加している背景としては、どのようなことが考えられるのでしょうか。その理由としては、自分が先に思いついたアイデアや技術の模倣・盗用防止といったものが挙げられます。また、特許権を持つことで、自社の技術力の高さをアピールでき、営業ツールとしても活用できます。
AI特許で認定を受けるためのポイント
AI特許で認定を受けるためには、どのようなポイントを押さえておくと良いのでしょうか。
下記で6つの要件について解説します。
発明であること
特許法第2条第1項の定義によると、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」、すなわち「発明であること」が必須の要件となっています。また、経済法則のような自然法則以外の法則やゲームのルールなどの人為的な取り決め、数学上の公式、人間の精神活動などは発明に該当しない、と定められています。
考案が簡単でないこと
2つ目の要件は、特許法第29条第2項にある進歩性を有することです。進歩性とは、技術分野における専門家が容易に考案できない内容であることを意味します。
新しい発明であること
3つ目の要件は、特許法第29条第1項第1〜3号にある、新規性を有していることです。新規性とは、特許出願前に発明内容を論文や書籍、Webで公開しておらず、世間に知られていない発明を指します。
産業に活用できること
4つ目の要件は、特許法第29条第1項柱書にある産業に活用できる発明であることです。「産業上の活用ができない」とは、例えば、人間の手術や治療、診断方法など医療行為の発明が当たります。このほか、喫煙方法など個人的にのみ利用される発明や、学術的・実験的にのみ利用される発明、理論的には実施が可能でも、実現性に乏しい発明は認められません。
公衆の衛生を害さないこと
5つ目の要件は、特許法第32条にある公衆の衛生を害さない発明であることです。一例として、遺伝子操作により得られたヒトは特許を認められません。
先に申請していること
6つ目の要件は、特許法第39条第1項にある、同じ発明内容については、先に申請した人が認定を受けられることです。ちなみに、特許法第39条第2項には、同じ発明内容かつ同じ日に特許申請があった場合、特許を出願した人の協議により、特許を受けられるとしています。
AI特許出願の戦略的意義を考えよう
AI特許出願については、積極的な企業がある一方、消極的な企業も一定数存在します。ここからは、AI特許を出願するうえで、戦略的な意義やメリットについて考えます。
資金調達が有利に運ぶ
AI特許の出願をしておくことで、資金調達の面において有利になる可能性が高まります。
特に、創業間もないスタートアップ企業にとっては、AIを全面に出した独自性・優位性が認められる企業であることをアピールでき、投資家を安心させられる利点があります。
ライバルの参入を防げる
AI特許権を取得することで、競合他社の参入をブロックできる可能性が高まります。その結果、自社技術の優位性を維持できるでしょう。
牽制にも役立つ
仮にAI特許を取得できる可能性が低いケースでも、競争相手にとっては、その技術を利用すること自体がリスクとなるため、牽制できるメリットがあります。
いち早くAIを導入するならUMWELTがおすすめ
専門家向けの話をしてきましたが、まずは特許出願の前に、AIの最前線を体感することから始めてみてはいかがでしょうか。企業の現場にいち早くAIを導入する際におすすめなのが、TRYETINGのノーコードAIクラウド「UMWELT」です。UMWELTは、プログラミング不要で多数のアルゴリズムを使用できるAIツールであり、大手からスタートアップまで、幅広い業界業種の企業様にご利用頂いています。
まとめ
AI関連の技術がめざましい発展を続ける中で、AI特許出願が年々増加傾向にあることや、特許権認定のためのポイントなどについて解説しました。自社内へのAI導入や、最先端のAIに興味がある企業のご担当者様は、ぜひTRYETINGまでお問い合わせください。
参照文献
AI関連発明の出願状況調査|特許庁(2021)
https://www.jpo.go.jp/system/patent/gaiyo/sesaku/ai/ai_shutsugan_chosa.htmlWIPO Technology Trends 2019 – Artificial Intelligence|WIPO(2019)
https://www.wipo.int/edocs/pubdocs/en/wipo_pub_1055.pdf
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