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自然言語処理の入門編まとめ!仕組みや歴史を学ぼう
目次
自然言語処理といえば、AIで使われている技術の一つです。ビジネスだけではなく、我々の生活を豊かにするための技術として注目を集めています。自然言語は検索エンジンやAIアシスタントなどに使用されており今後も発展が期待されます。今回は、自然言語処理の入門的な情報をわかりやすく解説します。
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自然言語処理の基礎
自然言語処理とはどのような技術を指すのでしょうか。ここでは、自然言語処理とAIの関係性について見ていきましょう。
自然言語処理とは
『自然言語処理入門:1. 現状と歴史を概観しよう』という文献によると、「自然言語処理(Natural Language Processing)とは、プログラミング言語のような人工の言語に対し、日本語とか英語、ロシア語といった、人が日常話したり書いたりする言語を計算機で処理することを指す。」とされています。自然言語処理が活用されている仕組みには、AIアシスタントや検索エンジンなど我々の生活に深く関わっているものが多くあります。
自然言語と人工言語
自然言語とは、人類が互いにコミュニケーションを取ることで形成された言語を指します。日本語や英語などは自然言語に該当します。自然言語は比較的曖昧な情報が多く、コンピュータが解釈するためにさまざまな処理が必須となるのです。一方で人工言語はプログラミング言語や数式を指します。自然言語とは対照的にコンピュータが理解しやすい言語であるため、人間が解釈するためには専門的な知識が必要となります。
AIや機械学習とのつながり
最近は、AIや機械学習という言葉をよく耳にします。では、自然言語処理はAIや機械学習とどのようなつながりを持っているのでしょうか。そもそもAIとは「Artificial Intelligence」の略で、日本語では人工知能と呼ばれています。最も広義な意味を持っており、自然言語処理と機械学習はAIの一部です。一方で機械学習とは、さまざまなデータを分析してデータ内に潜む法則性や特徴を導き出すための技術です。つまり、自然言語処理で人間から与えられた自然言語を分析するために機械学習が利用されます。
自然言語処理の入門編1:仕組み
自然言語処理を理解するためには、どのような仕組みで行われているのかを知る必要があります。自然言語処理は、以下の仕組みで実施されているのです。
- 形態素解析
- 構文解析
- 意味解析
- 文脈解析
それぞれ解説しましょう。
形態素解析
そもそも形態素とは、文字で表記された自然言語の文において、意味を持つこれ以上分割できない最小の言語単位のことです。例えば、「青いバイクに乗った人」を形態素に分解すると「青い」「バイク」「に」「乗っ」「た」「人」と分けることができます。
青い 形容詞,自立,*,*,形容詞・アウオ段,基本形,赤い,アオイ,アオイ
バイク 名詞,一般,*,*,*,*,バイク,バイク
に 助詞,格助詞,一般,*,*,*,に,ニ,ニ
乗っ 動詞,自立,*,*,五段・ラ行,連用タ接続,乗る,ノッ,ノッ
た 助動詞,*,*,*,特殊・タ,基本形,た,タ,タ
人 名詞,一般,*,*,*,*,人,ヒト,ヒト
※これ以上分解すると、それぞれが意味をなさない「音素」になってしまい、形態素ではなくなります。
構文解析
構文解析とは、形態素解析で得られた単語の関係性を解析する処理のことです。構文解析を行うことで、単語同士の関係性を可視化できます。
例えば、「目の大きい魚を食べる猫」という文は、
「魚を食べた猫の目が大きかったのか」
「猫が食べた魚の目が大きかったのか」
など、複数の解釈ができるため、複数の構文解析結果が得られます。重要になるのは、人間が常識的にありえないと思う構文構造だとしても、文法的に正しければ正解となる点です。一般的に意味がおかしい文章については、下の意味解析のレベルで考慮されることになります。
意味解析
意味解析は、構文構造をした文がどのような意味を持つかについて解析する処理のことです。意味解析の定義は広く、特定の処理を指すわけではありませんが、格解析・多義性解消などが意味理解の例としてよく挙げられます。前述していた常識的にありえない構文構造は、意味解析によって正しく検知されます。
文脈解析
文脈解析は、複数の文がある文章に対して単語だけでなく、文脈による表現を解析する処理です。例えば、複数の文をまたぐ代名詞の対象を明らかにしたり、省略されている主語の単語を明らかにするなどです。文脈解析の難易度は高いとされています。複数の文に対して形態素解析と意味解析を繰り返し実施していくため、つながりのある文章が生成されていくのが特徴です。
自然言語処理の入門編2:歴史
続いて、自然言語処理を理解するために今までの歴史も押さえておきたいところです。自然言語処理の歴史は、黎明期(1940年~)、忍耐期(1960年~)、発展期(1990年~)の大きく3つに分かれます。それぞれの歴史について解説していきましょう。
黎明期(1940年~)
最も最初になる歴史は、1940〜1960年ごろに該当する黎明期です。黎明期には、1946年にコンピュータが初めて誕生しました。誕生当初は今のようなデジタル技術の活用ではなく、弾道計算や暗号解読といった軍事目的でコンピュータが利用されていたのです。ここで翻訳にも使えるのではないかということで、1952年から本格的に翻訳プロジェクトが開始されたのが始まりです。
忍耐期(1960年~)
続いて、自然言語処理の実装に苦戦する忍耐期が1960年〜1990年頃まで続きます。忍耐期は、自然言語処理の研究に膨大な費用をかけていたものの、さまざまな課題が見つかった時代です。1966年には機械翻訳の現状と難しさに対する報告がされ、この報告をきっかけに研究費も出なくなりました。
発展期(1990年~)
最後は、1990年〜現在に至るまでを発展期と呼んでいます。発展期はインターネットが世界的に普及した時代であり、我々の生活にデジタルが浸透してきました。1990年代後半より自然言語処理を実施する計算環境が整い、米国が再度研究費を出すようになったことで2000年以降に大きな発展を遂げてきたのです。他にも、2000年代に入ってからはコンピュータのスペック向上やビッグデータの活用などによって自然言語処理に大きな注目が集まりました。特に、ニューラルネットワークを活用した機械翻訳の精度が向上し実用レベルまで引き上がったのです。
自然言語処理の入門編3:できること
最後は、自然言語処理によって実現できることを見ていきましょう。自然言語処理は、以下の技術で活用されています。
- 検索エンジン
- 機械翻訳
- AIチャットボット
検索エンジン
検索エンジンとはGoogleやYahoo!検索などの検索機能で、自然言語処理が活用されています。検索エンジンでは、入力したキーワードに続く検索されやすい言葉を予測して表示します。Googleでは、最新の自然言語処理技術である「BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)」を活用しており、自然言語処理の精度向上が進んでいるのです。
機械翻訳
自然言語処理は、Google翻訳などの機械翻訳にも活用されています。自然言語処理の進化に伴い、人間が理解できる表現に近い翻訳が可能となりました。自然言語処理を導入する以前は、日本語から英語に翻訳する際に文法や意味を意識しない形で翻訳されていました。最近は、「DeepL」と呼ばれる高精度な翻訳機能が登場しました。DeepLは文書ファイルをそのまま翻訳できるため、わざわざ翻訳用に作り直す必要がなく効率的に翻訳機能を活用することができます。
AIチャットボット
AIチャットボットとは、iPhoneで実装されている「Siri」やAmazonが提供している「Alexa」などの音声認識を活用したサービスです。AIチャットボットは、人間が発した言葉を自然言語処理によって解析し、最も近い意味の回答を返答します。たとえば、iPhoneユーザーであれば「Hey Siri」と呼びかけて、「明日の予定は?」と問いかけると、スケジュールを元に明日の予定を回答してくれます。
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自然言語処理をはじめとするAIシステムは、業務効率化や新たなビジネスモデルの創出に関わってくるため、積極的に活用していきたいところです。しかし、AI人材の不足でなかなか導入を進められない企業も多いでしょう。そこで、初めてAIシステムを導入する企業様におすすめのツールが、TRYETINGのノーコードAIクラウドUMWELTです。UMWELTには、業務効率化に役立つAIアルゴリズムが多数搭載されており、それらをダッシュボード上でレゴブロックのように自由に組み合わせることで、誰でもかんたんにAIシステムを構築可能です。
まとめ
AIによる自然言語処理のプロセスは、AIアシスタントや機械翻訳を支える重要な技術となっています。AIを導入するためには、実装するための数学的な知識やプログラミング言語の知見が必要です。UMWELTは、ノーコードで誰でも簡単にAIによるデータ分析が可能です。AIシステムの導入をお考えの方は、UMWELTをぜひご検討ください。
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