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エクセルで需要予測はできる?計算式の種類や予測シートの使い方を解説
目次
自社の過去の在庫や出荷データが一定量ある場合、エクセルを使用して需要予測できるのでしょうか。Excelは、多くの企業のパソコンにインストールされていて、安価で使用できるため、需要予測を始め易いといえます。そこで本記事では、Excelで需要予測を行う際に用いる関数や、計算式の種類、予測シートの使い方を詳しく解説していきます。
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需要予測の基本を徹底解説!精度向上のポイントも紹介
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ノーコードAIツールUMWELT紹介ページ(活用事例あり)
需要予測とは?
需要予測とは、過去の実績や市場の動向など、販売する商品やサービスに必要な条件を分析し、需要や販売数を予測することです。適正な在庫量の予測や、イベントの来場者予測、市場予測など、企業ごとに求める需要予測はさまざまです。
需要予測のメリット
需要予測は、市場が製品やサービスを必要とする将来の需要量を予測し、適切に供給するために行うものです。企業は競合他社との優位性を確保し、収益を最大化させなくてはなりません。ここからは、需要予測をすることで、どのようなメリットが得られるかをみていきます。
在庫を最適化できる
需要が高まる商品を予測することで適正な在庫管理ができ、欠品のリスクを回避し、在庫切れによる売上機会の損失や、過剰在庫、廃棄ロスを防げます。例えば、流通卸売業において、在庫の管理は重要な業務のひとつであり、適正でミスのない在庫管理を行うことは生産性向上のために欠かせません。
業務効率の改善に貢献する
需要予測により、適正な発注数を算出できると、発注業務の効率化を図れます。これまでもそうしてきたからと、ベテラン担当者の経験とノウハウに依存して発注量を決定していては、発注業務が属人化しがちです。需要予測で適切な発注量を提示できれば、発注担当者の熟練度は関係なく、発注処理の最適化につながります。
需要予測で用いる計算式
在庫の最適化や業務効率の改善に役立つ需要予測ですが、具体的にはどのような分析法で予測をするのでしょうか。需要予測で用いる計算式には、時系列分析法、移動平均法、指数平滑法、加重移動平均法といった手法が存在します。そのため、ターゲットに適合した分析方法を選ばなければなりません。
時系列分析法
今までの販売実績を時間の経過に沿ってデータ分析する方法です。時系列分析法では、非季節手法、季節手法、ARIMA(自己回帰和分移動平均)モデル、重回帰分析の4つの手法が使われています。この分析方法は、主に販売データが長期間残っている場合に多く用いられます。
移動平均法
移動平均法とは、分析の対象となる月を移動しながら平均値を算出する方法で、一般的には昨年の売上実績を平均して需要の予測を行います。例えば、1月の売上が200万円、2月が300万円、4月が250万円の場合、5月の需要を移動平均法で算出すると250万円と予測できます。
指数平滑法
指数平滑法とは、過去の実績の平均値を利用して予測値を導き出し、需要を予測する方法です。過去のデータの中でも、特に直近のものに重きをおいて計算する加重平均法のひとつで、比較的短期の予測に適しています。在庫管理など定期発注方式における発注量予測に用いられます。
加重移動平均法
加重移動平均法は移動平均法のひとつで、過去に遡るに従って等間隔で重みを減少させていきます。最新の需要変動の影響を考慮する手法のため、正確な結果が期待できます。加重移動平均は、各月の販売数量に加重係数を掛け合わせることによって求められます。
エクセルで需要予測を行う方法
需要予測で用いる4つの手法を見てきましたが、分析のためのアプリケーションであるエクセルには、関数が450種類以上と非常に膨大な種類があります。そこでここからは、その中のFORECAST関数やTREND関数、SLOPE関数を使って、回帰直線で需要予測を行う方法について詳しく解説していきます。
FORECAST関数を使って回帰直線で予測する
回帰直線で将来を予測するFORECAST関数は、過去のデータを基に来年の売上金額を予測する際などに用いられます。この方法は、xとyの関係が直線的であると考えられる場合に有効です。
入力方法と引数
予測に使うx → yの値を予測するために使うxの値を指定
yの範囲 → 既知のyの値をセル範囲または配列で指定
xの範囲 → 既知のxの値をセル範囲または配列で指定
TREND関数を使って重回帰分析で予測する
エクセルのTREND関数を使って重回帰分析で予測する方法は、複数のデータを基に来年の売上金額を予測する時などに活用できます。この方法は、xとyの関係が直線的であると考えられる場合に有効です。
入力方法と引数
yの範囲 → 既知のyの値をセル範囲または配列で指定
xの範囲 → 既知のxの値をセル範囲または配列で指定
予測に使うxの範囲 → yの値を予測するために使うxの値を指定。セルやセル範囲、配列も指定。
切片 → 回帰直線の切片aの取り扱いを指定
TRUEまたは省略→切片aを計算
FALSE→切片を0とする
SLOPE関数を使って回帰直線で予測する
既知のyとxの範囲を基に回帰直線を求め、その傾きを求める方法で、xとyの関係が直線的であると考えられる場合に有効です。
SLOPE(yの範囲, xの範囲)
yの範囲 → 既知のyの値をセル範囲または配列で指定
xの範囲 → 既知のxの値をセル範囲または配列で指定
エクセルの「予測シート」機能を活用しよう
Excel 2016には、「予測シート」機能がついています。この機能を使うと、ワンクリックで将来の数値をグラフ化でき、比較的簡単に需要予測を行えます。指数平滑化による分析は、将来の在庫量や財務に関わる数値など、さまざまな予測に用いられています。必ず正しい数値が得られるわけではないものの、将来分析を行う際の根拠の一つとして利用可能です。
- 予測シートの元データとなる表を作成。
- 表内には時系列とそれに対応する値を入力し、表のいずれかのセルを選択した状態で、[データ]タブにある[予測シート]ボタンをクリックします。
- [予測ワークシートの作成]ダイアログボックスが表示され、折れ線グラフで示された予測シートが作成されます。グラフの凡例も自動的に生成されます。
エクセルの他にもある!需要予測をサポートするツール
ここまでエクセルの関数を用いて行う需要予測をみてきました。しかし需要予測をサポートするツールには、エクセル以外に在庫管理システムとAIの二つがあります。ここからは、それぞれの内容を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
在庫管理システム
在庫管理システムは、在庫データをリアルタイムで捉えながら、需要予測も同時にできるため、在庫管理に関わる業務の効率化を実現できます。導入に必要な費用は、製品により異なるため、予算や使いやすさなどを確認した上で選ぶことが重要です。
AIシステム
AI(人工知能)システムは、在庫管理と需要予測においても大きな力を発揮します。多くの企業にとっては、欠品や納期遅れが発生せずに在庫削減ができれば理想的です。AIが適正な在庫数を予測することで、無駄な在庫や廃棄を最小限に抑えることにつながります。
労力を抑えて精度の高い需要予測をするなら「UMWELT」がおすすめ
労力を抑えつつ精度の高い需要予測を行いたい方は、TRYETINGの機械学習を用いた「UMWELT」がおすすめです。UMWELTは、といった特徴があり、どのようなデータでも簡単に、高度なアルゴリズムを構築できます。企業ごとに異なるデータフォーマットをUMWELTが「標準化」することで、自社だけの活用方法を作り出せます。
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- 自由にアルゴリズムを組み合わせられる
まとめ
需要予測の精度を高めるためには、需要予測をDX化し、業務の最適化を図りましょう。企業ごとの用途に応じて活用できるUMWELTであれば、導入はもちろん運用方法も平易で、プログラミングなどの専門的な知識がない方でも安心して利用できます。UMWELT導入後はコンサルタントが解析をサポートしますので、導入についての相談や質問のある方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。
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