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物流のインフラとは?インフラの意味や物流DXとの関係性を解説
目次
物流企業が成長するには、物流インフラの強化が重要です。2024年問題をはじめとした物流業界の課題に取り組むため、物流インフラの基本を詳しく知りたい方もいるのではないでしょうか。
この記事では、物流インフラの基本から物流企業が抱える課題・対策まで詳しく解説します。DXとの関係も分かるため、課題解決に向けた具体的な取り組みをイメージできるでしょう。
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物流インフラの「インフラ」とは?
インフラは、英語のインフラストラクチャー(infrastructure)の略です。直訳すると「下部構造」で、産業や生活の基盤となる構造物をイメージするとよいでしょう。実際には、社会活動の基盤を構成する「社会資本」と訳すのが一般的です。
インフラには、広義と狭義の2つの定義があります。広義のインフラとは、電気・ガス・水道といったライフラインや学校・病院・公園のような施設を指し、公共性が強く国・自治体組織が管理する全般のことです。
狭義のインフラとは、広義のインフラの中でも日々の生活に欠かせない「社会インフラ」、学校や公園のような「公共施設インフラ」、企業が社内で整備するネットワーク環境といった「社内インフラ」を指します。
インフラの種類と内容
インフラには複数の種類と異なる定義が存在するため、理解が曖昧な方もいるでしょう。物流インフラを正しく理解するためにも、主要なインフラの種類と内容を確認しましょう。ここでは、生活インフラ、ITインフラ、交通インフラ、物流インフラの4つを紹介します。
生活インフラ
生活インフラは、人々が日常生活を送る上で必要な要素に関する基盤です。電気・ガスのようなエネルギーや上下水道を指します。携帯電話やスマートフォンが普及した現在では、通信環境も生活インフラの一部です。
また、食料品を購入するスーパーやコンビニも、生活に欠かせない生活インフラのひとつといえるでしょう。
生活インフラと似たものに「社会インフラ」があります。社会を支える基盤要素で、学校や病院、警察が一例です。人々の移動を支える鉄道や道路、電気を生み出す発電所も含みます。
ITインフラ
ITインフラは、インターネットの利用に必要な設備や構造物の基盤要素を指し、「通信インフラ」「ネットワークインフラ」も同じ意味で使います。
パソコン・スマートフォンなどインターネットにアクセスする端末、サーバーやルーターといった通信機器、機器に搭載しているOS(基本ソフトウエア)が代表的なITインフラです。
ITインフラを正しく構築しなければ、情報漏えいなどのセキュリティーリスクが増大するだけでなく、ハードウエアの故障を引き起こす場合もあります。
交通インフラ
交通インフラは人々の移動に関わるインフラで、道路・信号・橋・トンネル・鉄道・港湾・空港など、交通に関するさまざまな要素を含みます。
物流ではトラックや鉄道、飛行機、船を利用するため、交通インフラの強化は重要な要素です。道路や鉄道の拡張・延伸、信号システムの最適化、安全対策、鉄道運行システムの構築など、幅広い要素が交通インフラに関連します。
物流インフラ
物流とは「物の流れ」です。物流業界で物流インフラに言及する場合、社会全体を指すのではなく自社で保有するトラックや倉庫、設備を指すのが一般的です。
物の移動を実現する物流インフラには、トラック・鉄道・飛行機・船といった輸送手段があります。これらの運用を可能にする道路や港湾、線路、空港も物流インフラのひとつです。他にも、輸送を効率化する倉庫・物流センターなどの施設、施設で稼働する運搬装置も物流インフラに含みます。
物流企業が輸送する荷物は、食料品・生活用品・アパレル・資材のような生活必需品です。物流は生活に欠かせないという点で、生活インフラともいえるでしょう。
整備が進む物流のインフラ
物流インフラは、社会基盤の中でも特に重要なインフラです。生活必需品の日常的な流通だけでなく、災害時の復旧においても大きな役割を担います。さらに物流インフラを強化するために、さまざまな取り組みが始まっています。ここでは、具体的な取り組みを4つ見てみましょう。
民間施設直結スマートインターチェンジ
民間施設直結スマートインターチェンジとは、高速道路の近くにある物流拠点・工業団地・商業施設といった民間施設を高速道路に直結するインターチェンジです。高速道路から物流拠点までの移動距離・時間を短縮し、二酸化炭素排出量や燃料費の削減につながります。
「民間事業者の生産性向上」「民間施設利用者の利便性向上」「民間施設周辺の道路交通の円滑化」が主な目的です。
物流を中継する共同物流拠点
新しい物流インフラとして注目を集めているのが、高速道路の中継物流拠点です。中日本高速道路株式会社と遠州トラック株式会社は、新東名高速道路浜松サービスエリア(下り)に中継物流拠点「コネクトエリア浜松」を設置し、共同運営しています。
ドライバーの交代やヘッド交換による積み荷の交換が可能で、長距離輸送を複数のドライバーで中継できることから、ドライバーが日帰りできるようになりました。共同物流拠点が普及すれば、労働時間短縮や負担軽減など、トラックドライバーの労働環境改善が期待できます。
後続無人走行のトラック隊列走行
国土交通省では、物流業界の人手不足解消やドライバーの負担軽減に向けて、高速道路で後続無人隊列走行の実証実験を実施しています。先頭のトラックにはドライバーが乗車して通常通りに運転し、2台目以降はドライバーが乗らず、自動で隊列を組んでトラックを操縦する技術です。
悪天候でも安全が確保できるように通信を維持する技術や故障した際に適切な措置を講じる技術の開発など、まだ課題はありますが、自動車メーカーや物流企業と連携して取り組みを進めています。
専用レーン(米国)
米国では、高速道路における一般レーンの混雑緩和や環境保全、物流の効率化を図るためにレーンマネジメントを行っています。そのひとつが、一般車線とは別に設置したHOTレーン(High Occupancy Toll)です。
HOTレーンを通行する場合、乗員人数が3人以上の車は常時無料で、2人以下の車は渋滞状況に応じて課金対象となります。
物流倉庫のインフラ物流機器とは?
物流倉庫では、インフラ物流機器が業務を支援しています。インフラ物流機器とは、倉庫内業務の一部を自動化することで、業務効率化や生産性向上を実現する機器です。ここでは、代表的な物流機器「パレット」「フォークリフト」「ピッキングシステム」「搬送用ロボット」の4つを紹介します。
パレット
パレットとは、荷物を載せる荷役台です。トラックからの荷物の受け入れや倉庫内の荷物運搬に利用します。フォークリフトの爪をパレットの穴に差し込み、パレットごと運搬する仕組みです。
パレットには複数の種類があり、材質・サイズ・形状が異なります。サイズの異なるパレットが混在すると保管や取り扱いが煩雑になるため、標準化が必要です。
パレットを使う主なメリットは以下の3つです。
・短時間で大量の荷物を運搬できる
・手作業の業務を削減できる
・荷物の破損リスクを低減できる
一方、以下のようなデメリットもあります。
・運搬にはフォークリフトが必須
・保管スペースが必要
・荷崩れのリスクがある
フォークリフト
車体前部に2本の爪(フォーク)のあるフォークリフトは、物流業務で頻繁に利用します。狭い場所で重い荷物を運搬するフォークリフトの操作には、高いスキルが必要です。最近は、IoTを活用した安全運転支援機能付きのフォークリフトもあります。
フォークリフト導入のメリットは、短時間で大量の荷物を運搬できる点です。一方、以下のデメリットが存在します。
・高所の安全性が低い
・死角がある
・複数台を複数人で運用する場合、利用状況を正確に把握できない
ピッキングシステム
出荷指示のあった荷物を保管場所から探し出す作業は、膨大な商品を扱う倉庫では大きな負担がかかります。この業務をサポートし、効率化するのがピッキングシステムです。
出荷指示リストに印字したバーコードを専用リーダーで読み取ると、探している荷物の保管場所にある表示器が点灯し、必要な数量を表示します。作業者は表示数量の商品を取るだけで、探す必要はありません。
ピッキングシステム導入の主なメリットは以下の3つです。
・生産性向上
・人件費の削減
・ミスの削減
ただし、以下のようなデメリットもあります。
・導入コストがかかる
・保管場所の変更が難しい
・システムトラブルによる業務停止
搬送用ロボット
搬送用ロボットは、倉庫内で荷物の搬送を支援するロボットです。「AGV」「AMR」「GTP」の3種類があります。AGVは、あらかじめ設定したルートに沿って自動で荷物を運搬するロボットです。ルート上に障害物があると停止して動けません。
AMRは自立走行型の搬送ロボットです。状況に合わせて加減速・停止を判断し、障害物があると、独自に回避ルートを判断して進みます。GTPは、ピッキング作業をサポートする棚搬送型のロボットです。ピッキング対象の荷物を保管場所から所定の位置まで自動で搬送します。
搬送用ロボットのメリットは以下の2つです。
・倉庫内作業の効率化
・人件費の削減
一方、以下のような課題もあります。
・導入コストがかかる
・現場のレイアウトや作業の変更が必要
社会インフラとして重要な物流業界の課題と対策
物流は、社会インフラとして重要な役割を果たしています。近年、物流クライシスと2024年問題が喫緊の課題として注目を集めており、需要の変化や社会的変化への対応が急務です。ここでは、物流業界が抱える課題と対策を紹介します。
課題:物流クライシスや2024年問題
物流クライシスとは、物流に従事する人の高齢化や人手不足によるサービスの低下、デジタル化の遅れによる生産性の低下を指します。
少子高齢化で日本全体の労働力人口が減少する中、物流業界は長時間労働・低賃金による過酷な労働環境イメージにより、人材が集まりにくい状況にあるといえるでしょう。
働き方改革関連法への対応も課題です。2024年4月から、トラックドライバーの時間外労働時間に年間960時間の上限が設けられます。新たな人員を確保しないままドライバーの稼働時間が減ると、トラックの稼働率も減少する恐れがあります。
物流企業が競争力を維持するには、2024年問題への早急な対応が必要です。
対策:物流業務のDXとインフラ整備が急務
物流クライシスや2024年問題の解決には、物流企業のDX推進と国による物流インフラ整備が欠かせません。
DXとは、機械化・デジタル化を通じて、物流のあり方を変革することです。具体的には、ドローンを使った配送やトラックの自動運転などの物流機械化、配送トラックの自動配車のようなデジタル化を推進します。
さまざまな取り組みを連携して進めると、物流プロセス全体のコストや情報を可視化できるでしょう。作業プロセスをシンプルにすることで、働き方改革やビジネスモデルの変革が実現します。
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物流企業が競争力を維持するには、DXによる生産性向上が必要です。しかし、人手不足に悩む企業様にとって、新たな取り組みを始める決断は難しいかもしれません。
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まとめ
生活必需品の輸送を担う物流インフラは、日常生活に欠かせません。物流インフラを強化する取り組みも始まっています。自動運転による生産性向上やドライバーの負担軽減は、物流業界の発展にとって重要な取り組みといえるでしょう。
また、2024年問題を抱える物流企業の成長には、DX推進による生産性向上が急務です。UMWELTは、AIによる高度な業務の自動化・効率化を実現します。DX推進をお考えの企業様は、ぜひTRYETINGにご相談ください。
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