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物流バースの問題点とは?抱える課題と対策を徹底解説
目次
バースは、物流の荷卸しに使うスペースです。バースへのトラック集中は長い待機時間の発生にもつながり、効率化が求められています。しかし、バースの課題や対策が分からず、効率化が進まないと悩む方もいるのではないでしょうか。
この記事では、バースにおける問題点と対策を紹介します。最後まで読むことで、効率化の参考になるでしょう。
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物流におけるバースとは
バースは、荷物の積み降ろしをする際にトラックを止めるスペースです。物流用語には、バースと同じくよく使われる言葉としてヤードがあります。ヤードは積み降ろしに使う敷地全体のことです。ここでは、バースの概要とヤードとの違いを解説します。
倉庫や物流センターでの荷の積み降ろし場所
バースとは、荷降ろしの際にトラックを止める場所です。倉庫によっては、入荷用と出荷用でバースを分けている場合もあります。
船に乗せた荷物を降ろす岸をバース(Berth)と呼ぶことから、物流センターやトラックターミナルの荷降ろし場所でも使われるようになりました。物流では、トラックバースと呼ばれています。似た言葉に「トラックヤード」がありますが、意味が異なるため注意しましょう。
バースとヤードの違い
トラックの荷降ろしスペースを指すバースに対して、ヤードは他の運送方法への積み替えや貨物の荷降ろしをする敷地(土地)全体を指します。トラックヤードと呼ぶのが一般的で、主に商業施設のビル内や流通施設にあります。
バースはトラックヤードの一部で、荷降ろしのためにトラックが接近できる設計です。
物流倉庫のバースが抱える課題と原因
トラックバースにはさまざまな課題があります。ドライバーの待機時間や近隣住民とのトラブル、人手不足です。持続可能な物流を実現するには、バースの課題を解決する必要があります。ここでは、トラックバースが抱える課題や原因について見てみましょう。
待ち時間と路上待機
荷降ろしがスムーズにできず、ドライバーの待機時間が長時間になることがあります。国土交通省の荷待ち時間調査によると、1カ所当たりの待機時間は30分〜1時間が44%、1時間〜2時間が31%です。
バースに入れないトラックは近隣で路上待機しなければならず、バース周辺の渋滞により近隣住民の往来に支障を来すこともあります。
国土交通省・経済産業省・農林水産省の検討会では、荷主企業に対し荷役作業を2時間以内に行うこと、すでに2時間以内の場合も時間短縮に努めるように呼びかけています。
効率化していない倉庫オペレーションの組み立て
倉庫オペレーションの業務は、「保管」「流通加工」「ピッキング」「検品」「包装」「仕分け」「出荷」です。倉庫オペレーションが遅れることで、出荷の待機時間が長くなります。自動化が難しい作業もあり、人の手による作業が多いことから、効率化が求められています。
トラックの入退場と倉庫内作業の連携が取りづらいことも課題です。「施設の受け付けが離れている」「事前準備ができず作業に時間がかかる」など、効率化が進んでいない場所もあります。
倉庫の立地やスペース不足
倉庫の立地や周辺道路の幅・形状に問題があることから、渋滞を引き起こし、スムーズに運送できない問題もあります。バースは数に限りがあるため、キャパシティーを超えた場合、トラックは待機するしかありません。
施設によっては曜日により入出庫の数に偏りがありますが、混雑する日に時間を分散してもさばけないことがあります。トラックを待たせずに入出庫の準備をするには、効率的な要員配置が必要です。
倉庫業務の人手不足
倉庫業務の人手不足の原因は、労働者の高齢化や3K(きつい・汚い・危険)による若者離れです。中でも、リフトオペレーターを中心とした荷役作業員の不足が深刻化するといわれています。
人手不足の原因は、若者離れだけではありません。拠点運営の責任者が改善の必要性を感じていないケースもあります。
LOGISTICS TODAY株式会社の調査によると、ドライバーに荷待ちの原因をアンケートした結果、「拠点運営の責任者が改善する必要性をあまり感じていないから」が17.5%、「人手不足」が15.1%でした。
人手不足は、物流業界における深刻な問題のため、効率化といった対策に取り組む必要があります。
物流倉庫のバースを効率化する方法
バースの効率化は、入出庫に対応する労働者の業務軽減や待機時間の短縮につながります。バースの効率化を進めるには、どのような対策をすればよいのでしょうか。ここでは、物流倉庫内で取り組めるバース効率化の方法を紹介します。
入荷と出荷で使い分ける
入荷と出荷を同時に行うのがバース滞留の原因のひとつです。入出荷を円滑にするために、それぞれ専用のバースを設置する物流倉庫もあります。
入荷と出荷のバースを使い分ける際は、ドライバーが迷わないように、どこで入出荷すればよいのかを分かりやすく伝えなければなりません。入出荷の場所が離れるとドライバーの負担が大きくなるため、バースの場所を考慮したレイアウトが大切です。
入出荷の検品作業を削減する
検品作業の工程を削減するには、マテリアルハンドリングシステムやピッキングシステムの導入がおすすめです。マテリアルハンドリングシステムは、無人搬送車やコンベヤーを利用することで、労働者の負担削減や時間短縮に役立ちます。
ピッキングは、注文が入った商品を必要な数だけ集める作業です。ピッキングシステムの導入により、人為的ミスを防げます。
また、どの商品がどこにあるか把握するのは、倉庫が広くなるほど困難です。ピッキングシステムを活用すれば、必要な商品がある場所まで誘導してくれるため、労働時間の短縮にもつながります。入出荷作業を効率化すれば、バース滞留を軽減できるでしょう。
入出庫や在庫を管理できるシステムを活用する
バース滞留を防ぐには、入出庫をはじめ、在庫管理を円滑にする必要があります。在庫管理に役立つシステムとして、倉庫管理システムと在庫管理システムがあります。
倉庫管理システムは、倉庫内の在庫管理・入出庫管理を効率化するシステムです。適切な入出庫管理により物流工程が効率良く進み、発送がスムーズになります。
在庫管理システムは、倉庫内在庫の一元管理が可能です。在庫のリスト化に加え、端末を使って保管場所や在庫数の確認ができます。
バース予約を管理できるシステムを活用する
バースを利用する際は、事前に電話やファックスで予約します。また、書類も提出しなければなりません。そのため、予約しても待機時間が発生し、さまざまな物流業務が滞り効率が低下します。
解決策として有効なのが、バース予約管理システムです。パソコンやスマートフォンで予約し、発行されたQRコードで受け付けができます。地図上でドライバーの位置を把握することが可能になるため、倉庫は受け入れ体制を効率的に調整できます。
受発注帳票を電子データでやりとりする
バースの入庫作業では、受発注帳票のやりとりに時間がかかります。物流に関する請求書・発注書・納品書は、紙面やファックスでやりとりするのが一般的でした。
効率化に有効なのが、電子データシステムです。EDI(電子データ交換)とも呼ばれ、企業間の帳票のやりとりを専用回線やインターネットで完了します。従来の方法に比べ時間を短縮できる他、帳票の紛失を防げることやデータ管理がしやすくなることもメリットです。
物流倉庫のバース作業にシステムを導入する際の注意点
システムの導入により、倉庫内業務だけでなくバース滞留時間の削減が可能です。倉庫とドライバーの双方にメリットはあるものの、導入には注意点もあります。ここでは、システム導入前に確認したい2つの注意点を紹介します。
お金と時間がかかる
物流システムは、課題解決に向けて複合的に導入するケースが多く、高額なコストがかかる傾向があります。
例えば、ピッキングシステムを導入する場合、単一で導入するよりも在庫管理システムや倉庫管理システムと連携したほうが効率は上がります。倉庫全体の改善を考えると、さまざまなシステムとの連携が必要で、それに伴い費用も増えるでしょう。
また、ドライバーを含め社外との連携や複数部署でのシステム共有も必要なことから、システム運用には時間がかかります。費用や時期を綿密に計画した上で、導入を進めましょう。
現場の理解が必要
物流業務は手作業が多く、デジタル化が進みにくい業界です。経験や技術を頼りにする作業もあるため、システム導入に抵抗感を持たれるケースもあるでしょう。
現場の意見を聞かずにシステムを導入すると、理解が得られないだけでなく、浸透までに時間がかかります。人手不足が深刻化する物流業界では、システム導入による効率化は不可欠です。まずは現場にシステム導入を理解してもらい、社外と連携しながら導入を計画しましょう。
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まとめ
物流バースの滞留は、ドライバーや倉庫内労働者の負担につながります。円滑な物流を実現し、それぞれの負担を軽減するには、物流システムの導入が効果的です。システム導入には、費用や時間、現場の理解が必要となるため、計画的に進めましょう。
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